4章 ー03
「僕も濁も親からはぐれて困ったんです。お母さんにあんまり遠くに行くなって言われてたのに、虫を追いかけてたら知らない所まで来ていて……途方に暮れていたら白拓様が拾ってくれたんです」
快は俯いた。
「それで、一緒にお母さんを探して見たけど見つからなくて、それからは行きたい所が見つかる迄ここにいても良いって言ってくれて……」
そっと種に土をかける。
「だから僕は人間に嫌な目に遭わされていなくて、でも、白拓様は恩人で……透子さんには酷い話だったのに、ごめんなさい」
目を伏せて快はしおれた。
「ううん。濁くんが私の疑問に答えただけだって言ってたよ。弟思いの良いお兄さんだね」
透子は慰めるかのように笑い掛ける。
「違うんです!」
透子の言葉を遮るように快が鋭く言い放つ。
「白拓様も朱奈も人間を悪い風に言うから、僕も悪いんだって、きっと心の何処かで思ってたんだ。だから、あんな風に……」
快の肩が微かに震える。
「透子さんはこんな僕に優しくしてくれて、ナツさんはちょっとした事で僕を褒めて撫でてくれる。今は……滅ぼされても良いなんて思ってないですから」
透子を見上げる快は目に涙が溜っていた。
「うん、分かったよ。分かったから、もう良いよ。私達を思ってくれて有り難う」
透子は快の隣にしゃがむと彼を抱き締めた。
う~っと快は透子に抱きついて涙を流すのだった。




