4章 ー02
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透子は平和な時を過ごしていた。
白拓は何やら外出しているようだが、快や濁と共にナツと畑を耕したり洗濯したり、濁に料理を教えたりと透子はとても充実している。
それもこれも……と、透子は思う事がある。
「……ねぇ、快くん、最近朱奈さん見た?」
朱奈の姿を見ないからではないかと思うのであった。
「いいえ。元より朱奈さんはいつもここに来てる訳ではないので」
畝に空けた穴にキャベツの種を三粒ずつ入れていた快が透子を見上げる。
「そうなんだ」
大広間で見た他の妖かしの姿も普段目にしないので、ここに住んでいるのは白拓と濁、快なのだろうと透子は理解はした。
「白拓様は何処にいるか分かるかも知れないけど、僕らのように妖力が低い者は、誰が何処にいるのか全く分からなくて……」
そうなんだと透子は呟く。
「あれ?でも前に私から白拓の気配がするって……」
怪我が完治した時、快が言った言葉を思い出した。
「あれだけ沢山の白拓様の妖気が漂っていたらさすがの僕でも分かりますよ」
快はあははと笑いながら言うが(そんな沢山の妖力使ったの?)と、何も分からない透子は目をぱちくりさせた。
「そもそも白拓は強いの?」
「?」
今度は快が目をぱちくりさせる。
「えっと、その妖力ってやつ」
「そうですね。僕の知りうる中では最強ですね」
快が目を輝かせた。
「え?本当に?」
透子は掴みところのない白拓のニヤリとした笑みを思い浮かべる。
「白拓様は強くて優しいです。普段はあんな感じですけど」
快が犬歯を覗かせて笑う。
(知ってる。なんだかんだ言って助けてくれる。口は本当に悪いけど)
透子も笑い返した。
快は透子の笑みに意を決して口を開いた。




