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4章 ー01
(嫌な予感がする)
白拓は自室でキセルをふかしていた。
朱奈は昔馴染みだが、快や濁のようにこの屋敷で生活していない。
なので、何処で何をしていても大抵どうだって良い白拓だが、今回はそうもいかなかった。
朱奈の気配が人里にあるのだ。
それも麗華の屋敷に。
(それに透子の首の傷……)
白拓は消した透子の柔肌にあった傷を思い出す。
(どうやって付けたか分からぬが、朱奈が何かしたに違いない)
ふーっと煙を吐く。
(化け猫の性なのか感情的な奴であったが、あれが人を傷つけたのは初めてだな)
白拓は部屋の窓から夜空を見上げた。
「俺の杞憂で終われば良いが……」
ポツリと呟く白拓を空に浮かぶ望月が見下ろしていた。




