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3章 ー13
コンコンッ
襖の縁を叩く音に透子は顔を上げた。
「失礼します」
快をそのまま大きくしたような少年が部屋に入る。
「初めてまして、濁と申します。白拓様からは透子さんのお食事を仰せつかっており、お目見えするのが今日となりました。本日参りましたのは弟の快についてです」
そう言って濁は透子の向かいに正座した。
(しっかりした子)
活発な快とは違い、濁は落ち着いている。
二人の身長に大きな差はなさそうであるが、濁の方が幾つも年上になって見える。
濁は、快が自分の言葉によって透子がここを出ていってしまった事を気にかけている事を話した。
「弟がすみません。でも、ちゃんと説明しなきゃと、そればかりに気を遣っていたのだと思います」
濁は透子を真剣に見つめながら話す。
(弟想いなのね)
「きっと私達人間と妖かしの感覚は違うのよね」
「……」
この言葉をどう捉えたら良いのか判断がつかず、濁は黙って透子の言葉を待つ。




