黒式と鉄
食堂にはすでに寮に住む5人の生徒が集合していた。
「それでは主役の二人は真ん中の席に座って。歓迎会を始めるわ」
瑠璃がそういうと他の5人はそういった直後自らの飲み物を手に取り乾杯し始めた。
二人が戸惑っていると瑠璃が飲み物を持ってきて、同じように乾杯を合わしあった。
「じゃあ二人には自己紹介してもらおうかな。じゃあ九頭竜さんから」
「えっとあの、私は九頭竜家の末っ子の九頭竜真琴です。至らないところもありますがよろしくお願いします」
真琴が自己紹介し終わるとその場の全員が拍手した。
「次は鉄君」
「瑠璃さん、その呼び方は!」
龍二は確かに鉄という名字だった。
しかし姉の死亡によって、鉄という名字は多くの人に恐れられため龍二たちの一家は名字を黒式へと変えたのだ。
瑠璃が龍二の旧名字を呼ぶと寮生が雑談話を止め、驚きながらこちらを振り向いた。
「瑠璃、この子黒式君だよね?配られた資料にはそう書いてあったけど」
そういったのはまるで黒髪ロングでモデルのような体系の瑠美と呼ばれている女子生徒が言った。
「そうよ、いくら何でも名前を間違えるのは失礼ですよ」
黒縁メガネをかけた副寮長である篠崎麗華もそれに同調するように言う。
「彼の経歴をしっかりと確認したのかしら?」
瑠璃が示す経歴を記した紙には龍二の名字について「黒式(鉄)」と書かれているのだ。
「じゃあこの子が……優衣香の関係者?」
背の低い赤髪ツインテールの赤西瑞樹はそう訊ねた。
全員の視線が再びこちらへ向く。
瑠璃のほうを見るがあとは自分から話しなさいと言わんばかりに視線をそらされてしまった。
龍二は一度うつむきながらも全員のほうをしっかりと向き、語り始めた。
「俺の名前は黒式龍二。旧姓は今言ってた通り鉄で鉄優衣香は姉だ」
どうやらこの部隊全員が姉の存在を知っているらしい。
「姉は、俺が操った機体の中で精神体としては生きてますよ」
「「「「「「……。えっ!!」」」」」」
龍二の言葉に全員が息をのんだ。
そしてすぐさま龍二の言葉の意味を飲み込んだ瑠璃は詳しい話を聞こうと身を乗り出した、その時突如けたたましいサイレンが鳴り響いたのだった。




