入寮
寮は学校からすぐ近くのところにあった。
瑠璃はすでに寮の入り口に立っており、こちらを向いて待っている。
なぜ入らないのかと不思議そうに近寄っていくと途中体に何かまとわりついてくるような違和感に襲われた。
龍二はその場で周りを見渡すが全く異変は見られず、瑠璃のもとへと急ぎ足で向かった。
「すぐそこで違和感を感じたのでしょう?」
瑠璃は不思議そうな顔をして近づいてきた龍二に対してそう問いかけた。
「ああ、あれなんなんだ? まるで膜がまとわりついてくるかのような感覚だったが」
「あれは捻じれよ。この寮は学校の敷地内であってそうじゃない場所に建てられているのよ」
瑠璃はそう説明してくれたがいまだに信じられずに首を傾げた。
「体験してもらったほうが早いけど、今日はいろいろあって疲れたでしょうから明日説明するわ」
その後龍二は言われた部屋へと向かった。
部屋にはすでに誰かがいるようだ。
軽くノックし返事が聞こえたので、そのまま部屋に入るとそこには下着姿の真琴がいたのだ。
彼女は一瞬行動を止め呆然とこちらを見ていたが、頭の処理が追いついたのか悲鳴を上げながらこちらに身近にあった目覚まし時計を投げつけてきた。
「すまない」
そういうと龍二はすぐさま部屋から出ていった。
部屋から出ると扉の前には瑠璃の姿があった。
「言い忘れてたわ。九頭竜真琴さんと相部屋になるから気をつけて……。って遅かったみたいね」
頭にできたたんこぶを見るなり言った。
しばらくすると部屋から真琴がしっかりと着替えた状態で出てきた。
「さっきはごめんね。どこか当たった?」
「いや、大丈夫だ。それよりも瑠璃さんなんでこんな部屋分けに?」
「そこは説明しないといけなかったな。零式部隊はほとんど女子で編成されている部隊なんだ」
それを聞いて龍二は寮に入ってからの奇異な視線に気が付いた。
「もしかして俺以外男子がいないのか?」
「まあそうゆうことになるわね。で部屋数があまりないから仲の良さそうな彼女と相部屋にしたのだけれど……」
そう聞きながら瑠璃は、真琴のほうを見た。
「わたしは大丈夫ですよ。 初めての人より少しでも話したことある人のほうが気が楽ですから」
「じゃあ部屋割りはこのままでいいわね? 龍二くんは問題を起こさないように」
それだけ言うと彼女はその場を立ち去った。
その場に残された龍二と真琴は苦笑いを浮かべながら改めてあいさつし、部屋に入っていった。
「さっきは本当にごめん。覗くつもりなんかなかったんだけど」
「そのことはもういいよ。できることなら忘れて」
「ああ、努力する。それにしても真琴も個人のフォグ・ディフィート持ちだったんだな」
「まあね、うちの家こうみえてもその筋の旧家なんだ。だから使用制限とか厳しくて」
龍二は真琴に気になることを訊ねた。
「でもそれらしいデバイス持ってないみたいだけど」
「さっきも言ったみたいに使用制限があるからデバイスは明日学校あてに届くようになっているんだ。まだどんなデバイスで来るかもわからないだよ」
「そうなのか、なら明日が楽しみだな!」
「うん!」
そんな些細な話をしていると瑠璃が再び部屋を訪ねてきた。どうやら食事の準備ができたようだ。
俺たちはそのまま瑠璃の案内に従って食堂へと移動した。




