初戦
時空間を飛行している間、細かな操縦方法や武装している武器などの情報を見知らぬ声の主からイメージとして頭に叩き込む形で教えられていた。
『っとまあこんなところだな。あとは我たちとどれだけそなたが共鳴できるかだ』
「操作方法は大体わかった。それよりもお前は本当に何者なんだ? 刻印から話しかけるってことは幻獣の類なのか?」
『その話は戦闘が終わってからにしよう。おぬしには落ち着いて聞いてもらわないといけないことだからな』
刻印からの声はそう濁すとしゃべらなくなった。
『二人ともおしゃべりはそこまでにして。時空間抜けるよ、衝撃に備えて』
優衣香がそういうと機体は一気に加速し、次の瞬間薄い壁を打ち破るような感覚を覚えた。
そんな感覚を覚えた後周りを見てみると、ドラゴンが学園所属のフォグディフィートに襲い掛かろうとしているところだった。
龍二は優衣香の操縦から切り替え、自らの意志によってドラゴンへと向かい走り始めた。
機体は次第に自分の体に馴染み、自由に動かせるようになっていっき、ドラゴンと接触するときには完全に操作を自分のものへとしていた。
「お前らの好きにはさせない!!」
龍二がそう叫びながらドラゴンへと向かっていく、それに反応するように機体も同じようにドラゴンのような声を轟かせた。
しかしそこで自らに起きている異変に、機体の異変に気が付くべきだったのだ。
機体は、ドラゴンに近づくにつれ背中に翼を生やし腰には尾が出現し、手は鋭くとがった指へと変化していた。
その姿はまるで漆黒色の鋼に包まれたドラゴンを連想させ、周りからはドラゴン同士が戦い始めたように見えたことだろう。
機体の姿が変わるにつれ龍二自身にも変化が現れ始めた。
刻印が徐々に大きくなり、腕を覆いはじめ徐々に視界が狭まり始めた。
そして気が付いた時にはドラゴンの首に噛みつき、血肉を食らい始めていた。
「何だこの感覚。体の中に何か入ってくる! 姉ちゃんどうなっているんだ」
しかしそんな龍二の呼びかけに優衣香は答えることはなかった。
機体がドラゴンを捕食している間、声が聞こえていた紋章が蒼く輝きを放ち、龍二に無意識に力を与えているかのようだ。
そしてドラゴンをすべて捕食しつくした機体は次の瞬間、蒼い光が体中を走り龍二の紋章に吸い込まれるかのように消えていった。
龍二はそのあと気を失った。




