カオスドラゴンと蒼いドラゴン
そのころ鉄優衣香を知っている零式部隊のメンバーは、他の部隊が次々に墜落していくのを見ながらも彼女の姿を取るドラゴンへと一直線に向かっていった。
「私たちはあのころ見ているだけしかできなかった。でも今は違う」
瑠璃はそう力みながらも自らの機体でより一層速度を出していく。
それに続くように、瑠美は頷く。
「今ではそれなりに戦える力も身について、機体とのシンクロ率も限界を超えることができてる」
「こんどこそ優衣香さんを助けてあげましょう」
麗華もいつにもなく感情をあらわにしながら続く。
そしてついにカオスドラゴンの目の前にやってきた。
そしてかつて共に過ごした仲間の姿に絶句した。
一見普通の人間に見えるが、まるで黒い鎧を着るようにうろこをまといまがまがしい翼と尻尾を生やしていたのだ。
<お前たちは我の封印に加担した小娘どもだな。元仲間の体を傷つけられるのか>
こちらを見下し余裕を見せつけながらこちらにカオスドラゴンは語ってきた。
「その体を開放しなさい」
瑠璃は臨戦態勢で大声を上げる。
そして彼女たちはカオスドラゴンに向け、一斉に攻撃をし始めた。
最初その行動に驚きを見せたカオスドラゴンだが、逃げるでもなくあえてその場から動こうとしない。
<お前らの力はその程度か。我に傷一つつけられないとはな! その程度で仲間を助けたいなど笑わせるな>
まるで怒りを表すかのようにカオスドラゴンからどす黒い衝撃波が放たれた。
『『『きゃあぁぁーー!!!』』』
しかしカオスドラゴンから放たれた衝撃波は、瑠璃たちに届かなかった。
瑠璃たちは何が起こったのか戸惑いながら目の前に違和感を感じた。
それはかつて仲間だった鉄優衣香のオーラによって守られているかのように暖かな空気が発生し、突如蒼いドラゴンが現れた。
「こんなときに新たなドラゴンですか!!」
そういいながらパニックを起こし始めた麗華たちは蒼いドラゴンに対しても攻撃を加えようとし始めた。
「全員落ち着きなさい、あのドラゴンが敵ならなぜ私たちを守ったんですか」
唯一冷静に全体を見ていた瑠璃の静止の声によって攻撃を中止することに成功したものの謎は深まるばかりだった。
驚くべきことにカオスドラゴンもさっきまでの威勢が衰え、何かに動揺しているようだ。
<なぜ貴様がここにいる! その身体は封印されたはずだ!!>
<あなたに答える必要はない、私の体をさんざんと好き勝手に使っているのだから>
蒼いドラゴンから発せられた声は鉄優衣香のものだ。
後ろでは、零式部隊のメンバーが声をかけようとするが、龍二の声によって口をはさむことができなかった。
「瑠璃さんたちは一度下がってください! ここは僕たちでしのぎます」
そういうと蒼いドラゴンは右手に巨大な日本刀を出現させた。
日本刀を振りかぶると一気にカオスドラゴンへと突っ込んでいったのだった。




