011 「ジャブジャブごしごし」
一話一話が1000〜2000字程度の短編連作となっております。一話読むのに三分もあれば充分くらいの文量ですので、何かの休憩などにチラッと読んで落ち着いて頂ければそれだけで書いた意義があるというものです。
週に一話投稿出来ればいいなぁと思ってます。
「どうして僕はこんな事をしてるんだろう……?」
お手伝いさんは、川で洗濯をしていた。
どうしてと言われれば、それは当然、お願いされて引き受けたからだが、王様からの手紙が届いた手前、こんな事をしている場合じゃないのではないか、とお手伝いさんは考える。
錬金術士はといえば、準備をするとか何とか言ってお手伝いさんを家から追い出し、中で何かをしているらしい。
窓から中の様子を窺おうとすると、いぬねこに「趣味が悪いよ」の一言とともにパンチを喰らった。ふさふさ毛皮+肉球ふにゃんな感じで痛くはなかったが、これでは錬金術士が何をしているのか、何をしようとしているのか分からない。
「明日になれば分かるって言ってたけど」
大した説明も無く、追い出されてしまった。
そんな訳で仕方なく、本当に仕方なく洗濯をしているというのが現在の状況。
ジャブジャブごしごし。
考えながらも手を動かす。
ブツッ……。
「ん?」
そのとき、不穏な音と嫌な感触が。
恐る恐る広げてみる。
「これは……」
錬金術士の下着だった。「これすごく気に入ってるんだー♪」なんて言って見せびらかして自慢してきた記憶がよみがえってくる。
当然、スカートをたくし上げて直接見せた訳ではない。
フリフリの付いた可愛めの下着。
そのまま考え事をしながらでも洗濯が済んでいたならば、こんなこと意識せずに終わっていたかも知れないのに、最悪のタイミングだった。
「もしかして、ゴムが切れた……?」
力加減を間違えたのか。やはり考え事をしながらはマズかったか。
気は乗らないが、ゴムが切れてないか確認するために少し引き延ばしてみる。
「気のせい……かな?」
しっかりとその伸縮性は保っていた。問題は無さそうだ。
軽くしぼってカゴへ移す。
その後も、自分の煩悩と戦いながらも洗濯は進んでいった。




