表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
10/210

010 「依頼」

一話一話が2000字程度の短編連作となっております。一話読むのに三分もあれば充分くらいの文量ですので、何かの休憩などにチラッと読んで落ち着いて頂ければそれだけで書いた意義があるというものです。

週に一話投稿出来ればいいなぁと思ってます。

 手紙の中身を取り出した錬金術士は、内容に目を通す。


「…………」


 珍しく無言になってしばらく思案顔をする。


「どうしたんですか先生? なんて書いてあったんですか?」


 待ち切れなくなったお手伝いさんは黙ったままの錬金術士に聞く。

 その顔と反応を見る限り、良い事は書いてなさそうだった。


「武器が大量に欲しいから作ってくれって」


 言ってお手伝いさんにその手紙を渡す。受け取って急いで目を通すが、要約すると確かに「武器を大量生産してくれ」といった内容だ。

 詳細は、


【伝説の錬金術士ソーラ殿に折り入ってお願いがある。我が国から遥か北の方角に、巨大なドラゴンが現れたと連絡が入った。そこで最悪の事態を想定して武器を補充しておきたい。ドラゴンが襲撃してくる前に充分な量の武器が補充出来た時は被害を最小限に抑えるために討伐隊を向かわせ、これを迎撃する作戦を立案中である。

 なお、この件に関しては他言無用に願いたい。国民の不安を煽らぬように穏便に済ませたいのでな。

 もちろん、納品してくれた分だけの報酬を用意する事も約束しよう。

 事の顛末てんまつはあなたにかかっている。頼んだぞ、伝説の錬金術士ソーラ殿。

        ミストラージ王国、国王ミストラージ5世より】


 以上が、手紙の内容。

 目を疑うような内容が書かれていた。

 ドラゴンと言えば、国の一つや二つくらい鼻息で軽く吹き飛ばせる程の、超が何個も何個も付く危険生物である。

 襲われた国はまず助からないだろう、一瞬で火の海にされる、気付いた頃にはすでに殺されているなど、その凶悪性の噂は絶えない。


「これは……ピクニックなんて行ってる場合じゃ……」


 お手伝いさんは無意識に呟く。

 王国にはたくさんの人が暮らしている。襲われてからじゃ遅いし、仮に違う場所へ行ったとしても今度はそこで犠牲になる人が出てしまう。

 ここは先手を打つのが得策と国王は踏んだが、それには圧倒的に攻撃力が足りないと考えた結果、錬金術士に白羽の矢が立ったという訳だ。


「先生、どうするんですか? これ」

「んー……武器って専門外なんだよねー」


 こんな切羽詰まった状況にも関わらず、錬金術士は暢気にそんな事を答えた。


「専門外って……」


 言われてみれば錬金術士が武器と呼べる物を練金した所を今までに一度も見た事は無かった。

 だからと言って。


「じゃあ見捨てるんですか⁈ 国民の命がかかってるかも知れないんですよ⁈」


 お手伝いさんは、気付かず叫んでいた。

 まるで過去に何かあったんじゃないかと思える程に、叫んでいた。


「そんな事言ってないでしょ? 私に任せなさい♪」


 錬金術士は、笑顔にウインクを添えてお手伝いさんの額をツーンと突く。

 それだけで珍しく熱くなったお手伝いさんは落ち着きを取り戻していた。

気付けば節目の10話まで来ましたね。ということは10週間欠かさずに更新してきたということ。忘れがちな自分にとってはまぁ頑張った方かな、なんて。(え? 予約掲載? はて何のことやら)


本当はもっと日常の風景を描いてから展開したいなんて思ってたんですが、郵便ちゃんが届けてくれた手紙によって急展開の予感。

プロットなんて物は作らずにその場その場のノリと勢いで全て書いているので、ある程度考えてはいるのですが、自分でも今後の展開は本当の意味で予想出来ません。

逆にそれが楽しみだったりして。このあとどうなるのかな、みたいな。

これを読んでくださっている皆様も同じような気持ちだと嬉しいですね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ