第8話 小学生時代⑦
「お、来たな。運試しだ。」
差し出されたのは1個にわさびが入ったガムだ。3個入り。
僕・拓郎・理玖のメンツと僕・大悟・旭のメンツに分かれて運試しをすることになった。何で僕だけ2回?
「じゃあ行くぞ、せーの!」
3人同時にガムを口に入れた。
「…あーっ!」
わさび入りのガムを選んだのは拓郎だった。
「やった!メロン味!」
「美味しいね」
「辛っ辛い!おばちゃん!ラムネ!ラムネちょうだい!」
「はい。」
「あー…辛かった…」
「隼人こっちもだよ。」
「あー、そうだった…じゃあ行くよ。せーの!」
「…あーっ!!」
「やっぱり僕、運持ってるなぁ。大悟辛い?」
「ラムネ!ラムネください!」
「はい」
「はー、辛かった…」
その後、各自好きなお菓子を買い、話題はいのっちの話になった。
「いのっちどうする?」
「どうするもこうするも、もうなっちゃったからね。」
「教科書忘れただけでキレるんでしょ?」
「そうだよ。バンって音トラウマだもん、俺。」
「教科書忘れるのがいけないんじゃないかな。」
「旭このやろう!」
「痛い痛い!」
拓郎が旭にスリーパーホールドを掛けているうちに、僕は大悟のよっちゃんいかを盗み食いしていた。
「こら。行儀悪いよ。」
「やべ、バレた。」
「欲しいなら欲しいっていいなよ。あげるから。」
「ちょーだい⭐︎」
「はい。」
よっちゃんいかを食べていると竹屋のおばちゃんが話しかけてきた。
「何担任変わったの?」
「うん。いのっちになったの。」
「あんまりいい噂は聞かないねぇ。」
「やっぱりそうなんだ…」
「まぁ1年間我慢するんだね。」
「憂うつだなぁ。」
「おい、坊主ども。チキンカツ揚ったけど食うか?」
「食べる!」
「100円な」
「はい!」
「ほら。熱いから気をつけろよ。」
「うん!」
竹屋の隣、佐藤精肉店は小学生限定で100円でチキンカツが食べられるのだ。
「やっぱりなるべく怒らせないのが1番でしょ」
「難しいな…」
「教科書・宿題を忘れない、整列はきちんとするとかさ」
「沸点がわかんないんだよなぁ」
「おーい!水風船大量に買ったから戦争しようぜ!」
拓郎が大量に水風船を持っている。僕たちはゴミを持って公園に移動した。
次々と膨らんでいく水風船。拓郎・理玖・旭vs僕・大悟の布陣が出来上がった。出来上がった水風船を選んでいると、拓郎が僕の体に水風船を当てた。お腹のところがびしょびしょである。
「…このやろー!!」
大きめの水風船を拓郎にぶつけようとした時、拓郎が理玖を盾にした。
「理玖危ない!」
「うわぁぁぁ」
大きめの水風船は理玖の胸の辺りに当たった。
「拓郎ずるいぞー!」
「勝てばいいんだよ!」
「悪魔だ…」
結局全身びしょ濡れのまま、その場は解散となり、だ!大悟と家に帰る。お母さんが来て、
「何!?びしょ濡れじゃない!」
「水風船戦争に負けた」
「ったく。お風呂沸いてるから入っちゃなさい。あーあー大悟くんまで、おいで頭拭いてあげるから」
大悟が頭を拭いて貰っている。僕はそれをただ見ていた。
「よっし。大悟くんも早く帰りなさい。」
「はーい、ありがとうございました!」
大悟が去り、部屋のドアが閉められた。するとお母さんが僕を裸にする。
「な、何するの!」
「濡れた服で部屋の中歩いて欲しくないのよ!脱ぎなさい!」
「へ、変態!」
「うるさい!あんたの裸なんか赤ちゃんの頃から見慣れてるわ!」
あっという間に僕は裸にされる。
「ほら、早くお風呂入っておいで!」
「はーい…」
母は怖し、である。




