↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
34/35

第34話 2人の軌跡③

今回の会場は幕張メッセ。僕は関係者席に座っていた。周りには音楽関係者の方々。うぅ心細い。

 早く始まらないかな、と思っていると、1人の男性が話しかけて来た。僕は一瞬身を固めた。


「あぁ、驚かせてすみません。Troopsのマネージャーをやっている平井と申します、いてっ」

「平井!隼人には一人じゃ話しかけるなっていっただろ!」

「あ、すいません…見かけたのでつい…」

「つい、じゃない!隼人!こいつは俺たちのマネージャーだから。大丈夫だからな。」

「う、うん」

「それじゃ公演始まるから.また後でな。」

「うん」


 しばらくしてSEが流れて、1曲目はNothing or Elseだ…うん?ステージ下手に見慣れた人がいる?まさか。まさかね。


 4曲目まで走り抜けたところで、MCが始まった。


「元気にしてますかー!?」

「いえええええ!!」

「今日は重大発表があります!下手をご覧ください!」


 啓斗だった。ギターを掲げ笑っている。


「今日からTroopsは5人編成で活動します!」


 会場に歓声が広がる。


「じゃあ啓斗、挨拶を。」

「今日から下手ギターとして加入しました、けいとです。よろしくお願いします!」


 また歓声が広がる。僕は頭を抱えた。  


「なんで啓斗がTroopsに…」


 ライブが終わり、大悟に呼ばれた。


「隼人、隼人」


 手招きをする大悟。僕はその方へ向かう。


「びっくりさせて悪かったな。」

「ほんとだよ。声出そうになったよ。」

「あ、兄ちゃん!見てくれた?」

「見たよ。ちゃんと全曲完コピ出来てたな。偉いぞ。

 」

「えへ。ありがと兄ちゃん!」


 打ち上げ会場に移動する。新藤さんと大悟が話していたので、莉緒残り姉さんと話すことにした。


「メタル歴長いんですか?」 ‘

「んー。10年位かな?」

「10年!長いっすね…」

「父親がメタルバンドでドラムやっててね。小さい頃からずっとそれを見てたから」

「英才教育ですね。」

「そうだね。」


 そう言って莉緒姉さんはジョッキに入ったジンジャーエールを飲み干した。


「豪快ですね…」

「酒を飲まないからね。だいたい頼むのは炭酸かな。」

「炭酸美味しいですからね。」    


 大悟がこちらを見て手招きをしていた。新藤さんと席を変わる。


「どうしたの?」

「いや、怒ってるかなって、」

「啓斗のこと?」

「うん」

「怒ってはいないよ。驚きはしたけど。」

「啓斗くんもギターやってるって聞いてさ。今のTroopsには必要だって思って…」


 確かに啓斗はギターをやっているが、まさかプロの世界に入るとは。驚きである。僕は陽さんと楽しげに話す啓斗を見ていた。


「ねぇ、啓斗って陽さんと…その…付き合ってる?」

「付き合ってるよ。」

「えぇ…陽さん男の子だよね?」

「いや、女の子だよ。」

「えぇ!」


 驚き声を上げると、陽さんがやってきた。僕に覆い被さった。


「い、いえ何にもありません。」

「私が男の子だって?ほれほれ〜」

「や、やめてください、啓斗の顔が怖いです」

「私は女の子だよ。」

「よくあんな低い声とかデスボイス出せますね…」

「練習の賜物だよ、おっと啓斗くんの顔が般若のようになったから席へ戻るよ。」


 席に戻ると陽さんが啓斗の頭を撫でていた。大悟は苦い顔をしていた。


 「どしたの大悟」

「いや.バンド内恋愛って1番厄介なんだよね」

「そうなんだ。」

「別れたりするとバンドの空気悪くなるしね。」

「あー、確かに。」

「まぁ、何も無ければいいんだけど。そろそろ解散かな。

 おーい、そろそろ帰るよー。」

 

 お支払いはクレジットカードで、…あれ?


「大悟まだクレカ作れないんじゃない?」

「会社のだよ。経理計算を全部このクレジットカードでするんだ。持ち主は俺だよ。」

「そっか、進んでるね。」

「ありがたいことだよね」


 明日も仕事があるTroops。また明日ー!と手を振り、僕と大悟と啓斗が一緒に帰る。


「それにしても啓斗がTroopsでギター弾くとは…」

「僕もびっくりだけどね、15歳でTroopsに加入するとはね。」


 まぁいいか、と空を見上げた。星が綺麗だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。