第17話 同級生が推しになりまして。⑦
翌日、僕は大悟のバンドのライブに誘われた。ライブハウスは苦手だが、関係者席を確保しておくとのことだったので、行くことにした。
「えーと、携帯と財布と…頓服位でいいか。」
「お兄ちゃんどっか行くの?」
「大悟知ってるだろ。大悟がバンドでベースやってるらしくて、見にきてくれって。」
「いいなぁ。僕も行きたい。」
「聞いてみようか?」
「いいの?」
「ちょっと待ってな…あ、もしもし大悟?ライブ前にごめん。あのさ、うちの啓斗も行きたいって言ってるんだけど、席ある?一般席でもあれば買うけど。」
「あー、関係者席余ってるから隼人と一緒に関係者席で見ていいよ。」
「お、まじ?じゃあ関係者席で見させてもらうね。」
「ライブハウス着いたら電話して。迎えに行くから。」
「わかった。ありがとー」
「関係者席で見ていいって。」
「いいの!?やったぁ!」
「支度しておいで。」
「うん!」
啓斗が僕の部屋から出ていく。僕はもう支度を終えたので、ベッドに座ってスマホをいじる…しばらくすると啓斗が入ってきた。
「支度出来たよ」
「よっし、行くか。」
ライブハウスまではバスで30分。現地には30分前に着く計算だ。
「大悟兄ちゃんのバンド、名前なんて言うの?」
「えっと何だっけ…確かTroopsだったかな…」
「Troops?!今若い人たちに大人気なバンドだよ!」
「へー、そうなのか…」
「兄ちゃん興味なさそうだもんね。」
「うーん…」
Troops、どうやら有名なバンドだったらしい。知らなかった。啓斗もサブスクで良く聞いていると言っていた。
「Troops見れるなんてなぁ!楽しみ!あ、ここじゃない?」
「あ、ここだ。降りるぞ啓斗」
「うん」
「着いたぜライブハウス!」
「大悟に電話して、と…あ、もしもし大悟?着いたよ。」
「おー!今行くよ!」
しばらく待っていると、大悟が出てきた。
「おー、隼人に啓斗。来てくれてありがとう。これ、バックステージパスな。これで関係者の方々で見られるから。」
「ありがとう。」
「でもすごい!大悟兄ちゃんがTroopsのベースなんて!」
「たまたまだよたまたま。ヴォーカルの陽が中学時代の友達でさ、最初はサポートだったんだけど、正式に加入することになったんだよ。」
「そうなんだ。良い縁に恵まれたね。」
「隼人と啓斗に出会えたのも良い縁だけどね。」
良いことを言うな。
「じゃあそろそろリハだから。また後でな。」
「兄ちゃんTroops舐めちゃダメだよ。トブよ」
「トブのか」
「うん、トブ。」
座席に座る。どれ位なのか試させてもらおう。




