第13話 同級生が推しになりまして。③
「ちゃん…お兄ちゃん!」
啓斗の声で目を覚ます。気づいたら夕食の時間になっていた。
「あぁ…おはよう啓斗」
「みんな待ってるよ。」
「うん、今行く。」
リビングに行くと、みんながもう座っていた。僕の家は全員が揃わないと食べられないのだ。小さい頃からそうだ。
「お待たせしました。いただきます。」
「「「いただきます」」」」
「お兄ちゃんピーマン食べて」
「食べないと大きくなれないぞ」
「これ以上大きくならなくていいよ」
確かにいつの間にか大きくなっていた。すごく小さい子だったのに。時の流れを実感する。
「ごちそうさまでした。美味しかった。」
自室にて宿題を終わらせて、ベッドに倒れ込む。
「あー、薬飲まなきゃ…あとお風呂…」
無造作に薬の袋を掴み、中に入っている薬を取り出す。夕食後の薬は5種類。カプセルが2種類、錠剤が3種類。水を取り出し、薬を飲み下し、お風呂に入る準備をする。このお風呂に入る準備が出来ない時があるから、今日はまだ調子がいいのだろう。
「お風呂誰か入ってる?」
「啓斗が入ってるんじゃない?」
「そっか。」
風呂場に向かうと、確かに啓斗が入っていた。中に入る。
「お兄ちゃん!?」
「たまには兄弟仲良くな。」
「恥ずかしい…」
「頭洗ってやるよ。おいで。」
顔を真っ赤にしながら啓斗は俺の前に座る。
「頭洗わせていただきます。」
「はい…」
「啓斗の髪の毛柔らかいな。子供みたい。」
「もうすぐ高1だよ?子供じゃないよ。」
「分かってるよ。比喩だよ比喩」
丁寧に頭を洗い、お湯で流してやる。頭を拭いてやると、今度は啓斗が僕の頭を洗うと言い出した。まぁ構わないけど…。
「お兄ちゃん髪切ってイケメンになったね。」
「だろ?」
「そこは否定するもんだよ。」
頭と体を洗い終わり、湯船に浸かる。体温くらいの温度が体を侵食していく。
「お兄ちゃん、先に出るね。」
「おー。」
明日は確かほぼ自習だったな、また理玖とトランプやるか。
僕もお風呂から出る。体を拭き、頭を乾かし、風呂場から出て部屋に向かう。
ベッドに倒れ込む。
「疲れた…」
眠気が襲ってきた。抗う事なく身を委ねようとしたらスマホが鳴った。
「なんだ…」
「新しいトランプ手に入れたから明日勝負な」
理玖だった。
「それだけかよ!」
そう返信し、眠気に身を委ねる。
おやすみなさい。




