第二話:【第三幕:古書に刻まれた家紋。数百年を越えて一致する『仮説(セオリー)』】(挿絵あり)
「教授」
アーガスは少し躊躇し、ミリーの方を見ると、彼女が励ますように頷くのを確認した。
「実は俺、あの機械の動作原理について、ずっと気になっていたんです。いくつか考えがあるのですが、正しいかどうか確証が持てなくて……」
アマラ教授は彼の語気に含まれる躊躇を鋭く捉えた。
「若者よ、その表情からして、何か言いたいことがあるのでしょう? 溜め込まずに言いなさい」
その時、美しい助手が淡い紅色の花茶を彼らに差し出した。
温かい花茶はほのかな香りを放ち、先ほどの授業の時と同じように、心境を穏やかにしてくれた。
アーガスはティーカップを受け取り、深呼吸をした。
「まず、あの日のことについて謝罪させてください」アーガスは誠実に言った。「機械は壊れなかったとはいえ、俺の魔力が干渉を起こしたのは事実ですから」
アマラ教授は手を振り、気にするなと合図した。
「あなたの考えを聞かせてちょうだい。あの機械について」
アーガスは深呼吸をし、心の中で言語(プレゼン構成)を整理した。
この世界の権威に対して自分の理論を完全に述べるのはこれが初めてであり、緊張と期待が心の中で交錯していた。
「俺は、あの適性検査機は、実際には魔法の適性を測定しているのではなく、特定の属性の魔力がどの程度の比率で『通過』できるかを検出しているのだと考えています」
彼の声は次第に自信を帯びていった。
「簡単に言えば、あれは一種の『多孔フィルター(メッシュ)』に近いものです」
彼は手で身振りを交えながら説明した。
「フィルターには六つの異なる口径があり、それぞれが六つの基本属性に対応しています。魔力がそこを流れる時、機械が計算しているのは、いくつの『魔力粒子』が対応するフィルターの網目を通過できたか、そして通過したデータ量はどれくらいかということです」
「結果は適性をテストしているように見えますが、実際には『通過率』を測定しているのです」
ミリーは目を丸くした。
「えっ、待って……それってつまり、あの検査機は私たちが『どの魔法が得意か』を測ってるんじゃなくて、私たちの魔力が『何種類の属性の網目を通り抜けられるか』を測ってるってこと?」
彼女の声には信じられないという響きがあった。
「もしアーガスの言う通りなら、魔法界の『適性』の常識って、ものすごい勘違いの上に成り立ってるかもしれないよ!」
彼女は言葉を区切り、顔色はますます青ざめていった。
「その通りだ」
アーガスは頷き、少し間を置いてから、慎重に言葉を選んだ。
「そして俺が測定不能になったのは、俺がある特殊な状況を経験したせいで、俺の魔力が……ええと、構造が極めて微細になってしまったからなんです」
アマラ教授は何かを考えるように頷いた。
「だから指針があんなに狂ったように振動したのね……あなたの魔力粒子が細かすぎて、ほぼすべてのフィルターを通過できてしまい、その結果、機械が正常な測定結果を出力できなくなったというわけね」
これらを語り終え、アーガスは疑われ、あるいは嘲笑される覚悟をしていた。
何しろこの理論は、魔力の本質に対するこの世界の主流な認識を根底から覆すものだからだ。
しかし、アマラ教授は反論せず、驚いた表情も見せなかった。
彼女はただ静かに耳を傾け、時折思索にふけるように頷く。
その顔には次第に「やはりそうか」という微笑みが浮かんでいた。
「少し待っていなさい。あなたたちに見せたいものがあるわ」
アマラ教授は優雅に振り返った。
その歩き方は踊るように滑らかで、一歩一歩に歳月が沈殿させた知恵と余裕が漂っていた。
彼女のスカートの裾は振り返る時に完璧な弧を描き、銀白の髪は夕日の下で絹のように滑らかだった。
彼女は教室の隅にある埃を被った古い本棚へと歩く。
その動作は優しく慎重で、まるで何らかの神聖な儀式を行っているかのようだった。
彼女の指が並んだ典籍の上を滑り、最終的に一冊のひときわ古い本の上で止まった。
その本の表紙はすでに少し破損していたが、そこに金箔で刻まれた一角獣の紋章はまだはっきりと確認できた。
斑剥がれながらも、ある種の荘厳な気配を放っていた。
彼女は慎重にその本を引き抜き、あるページを開き、アーガスとミリーの前に置いた。
「これを見てごらんなさい」
アーガスが見下ろした瞬間、息を呑んだ。
ページの上には、古い人間語で記された文章があり、横には詳細な図解が添えられていた。
言葉遣いは彼が先ほど語ったものよりも古典的で厳密だったが、内容は彼が今しがた説明した「魔力粒子仮説」と驚くほど一致していたのだ!
ミリーをさらに驚愕させたのは、図解にある「フィルター」の図の横に、見覚えのある記号を見つけたことだった。
それは複雑な魔法陣を描き出している古い羽根ペン。
まさに、彼女たちアドラー家の家紋だったのだ。
「これ……うちの家紋だわ……」ミリーの声は震え、目頭が瞬時に赤くなった。「どうしてこの本に……?」
まさにその時、アマラ教授はミリーの胸に付けられた、白銀で作られたあの小さな家紋のブローチに気づいた。
その羽根ペンの図案をはっきりと見た時、彼女の目に他郷で旧知に会ったような光が閃いた。
アマラ教授の声は格別に優しくなった。
「なぜならね、子供よ。この本の著者の一人は、あなたの先祖なの。これらの理論は、一角獣学派の核心的学説の一つなのよ」
彼女の声はさらに優しくなり、深い同情を帯びていた。
「分かっているわ。これまで、あなたもあなたの家族も、とても苦労してきたのでしょう? 異端扱いされ、嘲笑され、主流の学術界から周縁へと追いやられて……」
ミリーはもはや感情を抑えきれなくなり、涙が決壊したように溢れ出した。
彼女は家族がここ数年耐え忍んできた冷遇と嘲笑を思い出した。
理想を貫くために偏屈になってしまった長老たちを思い出した。
そして、詠唱学の授業で衝突を避けるために心にもない「八方美人」な答えを書いた自分自身を思い出したのだ。
アマラ教授は静かに歩み寄り、泣きじゃくる少女を温かく抱きしめ、その背中を優しく撫でた。
「子供よ。自分が本当に間違っていたのではないかと、疑ったこともあったでしょう?」
彼女の声は母親のように優しかった。
「でもね、真理は決して人数の多い方に立つわけではないの。あなたたちが貫いてきたのは狂気ではなく、伝承よ」
「一角獣学派の研究者は、昔から非常に少なく、狭いコミュニティだったわ。でもだからこそ、この理念を受け継ぐ者一人一人が貴重なのよ」
彼女は言葉を切り、目に一抹の感謝の光を走らせた。
「そう言えば、私が学院でこの授業を開講できたのも、オフィーリア校長の全面的な支援があったからなの。授業で配ったあの特製の花茶も、学生たちが魔力の流れをより良く感じ取れるようにと、校長がわざわざ用意してくれたものよ」




