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第一話-【第二幕:美しき無駄遣い。エリート貴族が披露する『非効率』な大魔法】

「よろしい」


 イノセン教授は満足げに頷いた。


「では、両グループには自分たちのスタイルで、最も基礎的な光属性魔法をどう『改良』するか、実演してもらおう。覚えておくように。激昂した戦歌であれ、敬虔な聖詩であれ、詠唱学の基本規範には必ず従うこと。韻律、拍子、意境、どれ一つ欠けてもならない。君たち自身が得意とする発光魔法を選んで構わない」


 彼は杖を掲げ、口の中で古の呪文を唱えた。

 純白の光の球が杖の先に凝縮し、温和な光を放った。


「まずはヴァレリウスのグループからだ」


 ヴァレリウスは大股で教壇の中央へ進み出た。

 その姿は長槍のように真っ直ぐだった。


 彼は両足を広げてしっかりと立ち、軍人格闘術の標準的な構えをとる。

 右手を高く挙げ、眼光を鋭く放った。


「我が胸に、烈火れっか燃えん!」


 彼の声は戦太鼓の轟きのようであり、古典戦歌の四拍子のリズムを厳格に守りながら、戦場を駆ける豪情と壮志に満ちていた。


 詠唱が進むにつれ、彼の周囲の空気は魔力の激動によって歪み始め、目に見える熱波の波紋を形成した。

 それはまるで、灼熱の太陽の下に現れた砂漠の蜃気楼のようだった。


「闇夜を裂き、あかあらわれん! 暁の光、我が前を進まん! 眼前の敵、ことごとく灰塵かいじんと化さん!」


 一句一句が厳密に韻を踏み、アクセントの一つ一つが太鼓の音のように力強かった。


 オレンジ色の光の球が彼の手のひらで爆発した。

 それは教授の実演よりもはるかに強烈に明るく、まるで圧縮された太陽のようだった。


 彼が勢いよく前へ投げつけると、光球は空気を引き裂き、鋭い咆哮を上げながら流星のように教室を横切り、後方の石壁に激しく激突した。


 ドカーン!


 目も眩むような光が瞬時に爆発し、まるで戦場の照明弾のようだった。


 石壁は衝撃で激しく揺れ、黒焦げの、放射状の亀裂が走る深い烙印を残した。

 細かい石の破片が雨のように降り注ぎ、床に落ちて澄んだ音を立てた。


「これぞ戦歌の力だ!」


 ヴァレリウスは振り返ってクラス全員に向き直った。

 胸の雄獅子の紋章が余光の中でキラキラと輝いていた。


「激昂した韻律は魔力の最も原始的な力を呼び覚まし、整然とした拍子は意志を利剣のように鋭くするのだ!」


 拍手が湧き起こった。

 主に、武力を崇拝する学生たちからだった。


 続いてはカテリーナのデモンストレーションだ。


 彼女は教壇の中央へ歩み寄り、胸の前で両手を合わせ、頭を垂れた。

 まるで見えない神に祈りを捧げているかのようだった。


 彼女の声は優しく敬虔で、吟唱するように美しく、どの一音節も神聖な畏敬の念に満ちていた。


「聖なる光よ、ここに降り立ちたまえ。朝霧を透く陽光のごとく、ひたすらに優しく、この敬虔なる魂を、慰撫いぶしたまえ。慈悲の甘露もて、干からびたる心を潤し、迷いし者を、光の抱擁へと導きたまえ」


 どの一句にも完璧な韻律があり、どの一行にも敬虔な意境が満ちていた。


 純真で神聖な白い光の球が、彼女の手のひらで咲き誇った。

 それは温和で不純物がなく、まるで聖堂の中で永遠に消えることのない聖なる火のようだった。


 彼女がそっと押し出すと、光球は羽毛のように優雅に教室の隅へと漂い、一人の学生の肩にふわりと舞い降りた。


 その学生は瞬時に目を丸くした。


 温かい流れが肩からゆっくりと浸透してくる。

 母親の抱擁のように暖かく、秋の涼しさを駆逐していった。


 連日の厳しい学業で蓄積された疲労が、まるでこの神聖な光によってすべて洗い流されたかのようだった。

 彼は思わず目を閉じ、顔には穏やかで満ち足りた表情が浮かんだ。


 光球がゆっくりと消散していくと、空気中には古い教会で焚かれる香のような、ほのかな香りが残り、神聖で安らかな気持ちにさせた。


「これこそが聖詩の神髄です」


 カテリーナの声は荘厳で粛々としていた。


「優美な韻律は天を感動させ、敬虔な意境は神の恩寵を伝達します。私たちは詩歌を用いて神と対話し、韻律によって慈悲を運ぶのです」


 敬虔な学生たちが小声で賛美し、雰囲気は神聖で厳かなものになった。


「素晴らしい、素晴らしい」イノセン教授は満足げに頷いた。「二人とも、詠唱学の真髄を完璧に体現してくれた。ヴァレリウスの戦歌は激昂して力強く、韻律は鉄のように響いた。カテリーナの聖詩は優しく敬虔で、意境は海のように深い」


 教授は微笑んだ。


「これこそが正統な魔法の美しさなのだ。スタイルは違えど、必ず詩歌の基本規範には従わねばならない。さて……」


 彼の視線が、隅にいるアーガスに落ちた。

 その目には、悪戯のような残忍さが微かに混じっていた。


「アーガス・アイアンソーン君。君の番だ。君のその、銅貨の臭いが染み付いた光とやらを披露してもらおうか」

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