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第十九話-【第一幕:蜜色の招待状。一角獣(ユニコーン)の末裔と共に歩む晴れ舞台】

【第十九話:蒸気のさや――神の兵器を隠すための「ガラクタ」】

 契約のインクがまだ乾かぬうちに、世界はアーガスのために別の扉を開いた。


 数週間の時間は蜜のように流れていった。

 リナは生徒会のささやかなコネを使い、学院の辺鄙な隅にある古びた錬金実験室を彼のために勝ち取った。

 部屋は広くなく、光も暗く、隅には蜘蛛の巣さえ張っていたが、アーガスにとってはここが天国だった。


 隅にはまだ梱包も解かれていない魔導具が積み上げられ、そこにはまだ揮発していない機械油の匂いが漂っていた。

 それはリナが人を手配して送らせたものだ。


 精巧な魔力分析儀、自動調温の錬金炉、そして彼が名前も言えないようないくつもの複雑な装置。

 アーガスは正統な錬金術の講義を受けたことがなく、これらの高価な機器の使い方も知らなかった。

 そのため、邪魔にならない限りは梱包箱の中で埃を被らせることにした。


 彼は自分の両手を使うことを好んだ。


 指揮者の指揮棒のようなその手は、材料と理論の間でリズムを刻み、一つ一つの動作にエンジニア特有の正確さと優雅さを纏わせていた。

 光と闇の回路が彼の掌で編まれ、感光薬は彼のレシピの下で完璧な化学反応リアクションを咲かせた。


 彼は質素な実験台の前に立ち、目の前で現像ディベロップされている四十三枚目のテスト写真を見つめていた。

 画像は徐々に鮮明になり、一本一本の線がナイフの刃のように鋭く、影の階調グラデーションもはっきりしていた。


 これは技術の詩であり、論理ロジックの交響曲だった。


 しかし、ドアの外で足音が響いた。

 上級生らしき学生が恭しく実験室のドアを叩いた。


 アーガスは、彼の胸にヴァンデル商会の紋章があることに気づいた。

 翠緑の葉が、頑丈な馬車の車輪を優しく包むあの印だ。


「アイアンソーン君、ヴァンデルお嬢様からの招待状です」


 アーガスは上質な羊皮紙で作られたその招待状を受け取った。

 文字は流れるように優雅で、言葉遣いは儀式的なまでに正式なものだった。


『特任錬金術顧問アイアンソーン殿。

ヴァンデル商会は、明日午後、パラディア商業区に位置する「瞬時光影体験館」にて、初の商業プロトタイプ(原型機)の小規模な落成パーティーを開催いたします。

これは歴史的なマイルストーンであり、貴殿のご臨席とご指導を心よりお待ちしております。

なお、お連れ様を伴っての参加も歓迎いたします。この重要な瞬間を共に分かち合いましょう』


 アーガスの心臓が激しく跳ねた。


 数週間の没入型開発により、彼はこの技術の究極の目的をほとんど忘れかけていた。

 それは市場マーケットへと送り出され、世間の目に晒されるのだ。


 純粋な興奮が胸の中で渦巻いた。それは自分の成果を分かち合いたいという、少年特有の喜びだった。


 彼はミリーのことを思い出した。

 彼の理論を理解できる唯一の仲間。皆が鼻で笑う中でも、彼を信じ続けてくれた少女。


 さらに重要なのは、記憶の鏡が成功したのは彼女のおかげであるということだ。

 彼女が当時提供してくれた先祖の手稿が、彼の思考の地平を広げ、疑似魔法の真の使い方を解明させてくれたのだから。


 それら古のルーンの知恵は、基盤ベースとして技術体系全体を支え、一連の曲折に満ちた探索を経て、今日ようやく日の目を見たのだ。

 自分たちの共通の知恵の結晶がどのように商業化されるのかを、彼女に直接見せてあげられたら、どんなに素晴らしい瞬間になるだろう。


 彼は図書館へ向かい、古いルーンの研究に没頭しているミリーを見つけた。


 午後の陽光がステンドグラス越しに彼女に降り注ぎ、その専心する表情に神聖さを添えていた。

 彼女は顔を上げ、その澄んだ瞳に、彼の顔に浮かぶ隠しきれない興奮を映し出した。


「ミリー、俺たちの作品を見に一緒に行かないか?」


 アーガスは彼女の向かい側に座り、招待状をそっと彼女の前へと差し出した。


「落成パーティーだ。お連れ様も参加できるんだって」


 ミリーの目が輝いた。

 彼女は招待状の一文字一文字を恐る恐る読んだ。


「本当に?」


「ああ」アーガスは子供のように笑った。「君の先祖のあのルーンを覚えているか? あの古の知恵がなければ、俺は疑似魔法の真の使い方なんて一生思いつかなかった。これは俺たちの共通の成果なんだ」


 ミリーは本を閉じ、顔に爛漫な笑みを咲かせた。


 彼女は立ち上がると、アーガスの少し乱れた襟元を自然な動作で整えた。


「じゃあ早く行きましょう。私も、あの古のルーンが現代でどんな風に再び輝きを放つのか、見てみたいわ」


 その純粋な友情と、共通の成果に対する期待が、世界全体を明るく照らしているかのようだった。

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