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第十五話-【第四幕:スライム結石の化学反応。魔法の『写真機(カメラ)』、ついに起動!】

 彼はまずドアの掛けロックを下ろした。

 カーテンをしっかりと引き、さらに隙間に分厚い布を当てて、外界の光を完全に遮断シールドした。


 室内には微光のルーンが刻まれた小さな赤いランプだけを残した。

 部屋は途端に古い墓の奥室のようになり、薄暗い赤い光の輪だけが漏れ出した。


 ほとんど開けられないほど厳重に密封された二本の水晶瓶が、彼の手によって机の中央に置かれた。


 彼は母の言葉に従い、まず一本目の粉末を石の乳鉢に注いだ。

 木の乳棒で軽くすりつぶす。


 二本目はコルク栓を指一本分だけ開け、乳棒の背に沿ってゆっくりと振り入れた。


 粉末が触れ合った瞬間、細かい粒子パーティクルが驚いた猫の毛のように一本一本逆立ち、互いに反発し合った。

 だがすぐに木の乳棒でしっかりと押しつぶされ、混合ミックスされた。


 強烈な匂いが乳鉢の中から顔を出した。


 その匂いは、最初は雷雨の前に岩層の奥深くにから漏れ出る硫黄のような、乾燥した鉱物の生臭さだった。


 しかし次の瞬間、湿り気を帯びた、吐き気を催すような腐臭がそれに取って代わった。

 まるで屠殺場の隅にひと夏中放置された家畜の内臓のようだった。


 アーガスは息を止め、自分のリズム(ペース)で攪拌した。

 二種類の粉末を少しずつ融合マージさせていく。


 反応リアクションに光はなく、ただ温度ヒートだけがあった。


 彼は掌を石鉢の外壁に近づけ、そこに微かな熱が集まるのを感じた。

 眠っている蛇がゆっくりと寝返りを打つようだ。


 匂いはさらにきつくなり、腐った沼と硫黄の炎が入り交じった気配が、鉢の口から我先にと這い出してきた。


「もう少しゆっくりだ」


 彼は自分に言い聞かせた。


 木の乳棒が石壁をこすり、サラサラと低い音を立てる。

 あとは、それが自然に反応するのを待つ(スタンバイする)だけだ。


 石鉢の中の粉末は徐々に溶け、スライムのような粘液に変わった。

 表面には絶えず微小な緑色の気泡が弾けている。


 反応を待つ間、アーガスも休んではいなかった。


 彼は魔法の写真機カメラの組み立て(アセンブリ)を開始し、すべての部品パーツを順序に従って組み立てていった。


 さすがはトールの手によるものだ。

 すべてのスライダとジョイントが完璧に嵌合フィットし、隙間なくかつ滑らかで、いささかの引っ掛かり(スタック)もなかった。


 石鉢の中の粘液が徐々に乳白色に変わるのを待つ。


 彼はその粘液を特製の二枚の薄い木の板に均等に塗りつけ、凝固剤を振りかけた。


 粘液は急速に乾燥し、柔軟性のある白いゲル状の薄膜を形成する。

 そっと剥がし取ったそれこそが、彼の求めていた、画像生成イメージング用の「スライムフィルム」だ。


 フィルムは慎重に裁断され、巻き上げられた。

 そして光を通さない黒鉄のケースに入れられてさらに陰干しされた。


 窓を開けると、その強烈な匂いは見えない蛇のように窓から滑り出した。

 急速に広がり、通りすがりのすべての者の鼻腔を刺激する。


 彼はその中の一巻のフィルムを、組み立てたばかりの魔法の写真機に装填ロードした。


 窓辺にやって来て、外の木の枝にいる一匹の秋の蝉を見た。


 魔力が小川のように注入される。

 彼はファインダー越しに手動マニュアル焦点フォーカスを調整し、人差し指で押し込んだ(クリックした)。


 光と闇のルーン魔法陣が同時に起動トリガーされる!


「カシャ」という音と共に。

 瞬間の光景が、フィルムに永久に焼き付けられた。


 成功キャプチャを確実にするため、彼は続けて数枚撮影した。

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