第十五話-【第二幕:開封の儀式。兄の『公差(トレランス)』と母の甘い香り】
バールが釘の隙間に入り込む。
手首を軽く回すのに伴って、箱の釘が一本一本と引き抜かれ、乾いた「ポン」という音を立てた。
彼はそれらを机の上に一列に並べた。まるで閲兵を待つ兵士の骸骨のようだった。
木の蓋がわずかに隙間を開けた。
木箱が開いた瞬間、見慣れた匂いが真っ先に漏れ出た。
それは焼き入れされた鉄木の清々しい香りに、母が焼いた蜂蜜ナッツのあの特有の温かい甘い香りが混ざったものだった。
一番上の綿布の下には、一枚のメモが挟まれていた。
母の筆跡で、丸みを帯びて温かい。
『これはあなたへのものです。もし困難なことがあっても一人で抱え込まないで。私たち家族全員が、あなたと共にあるわ』
その一行の文字は、温かい手でそっと彼の背中を押してくれているようだった。
その横には、彼が一番好きなナッツとパンが、油紙で包まれていくつか置かれていた。
さらに下の層には、魔法の写真機……あるいは「暗箱」があった。
鉄木の木目は真っ直ぐで、角は刃物のように鋭く研磨されている。
リベットのピッチ(間隔)は、ノギス(キャリパー)で測ったかのように寸分の狂いもない。
彼は目立たない内側の隅に、ほとんど気づかれないほどの、何度も研磨を繰り返された痕跡を触り当てた。
アーガスの指先が止まり、喉が少し詰まった。
それは父ブレイクの偏執狂的な流儀だった。
たとえ誰の目にも触れない場所であっても、いかなる欠陥も絶対に許さないのだ。
油紙で小分けにされた細かい部品の中で、一枚の歯車が彼の注意を引いた。
歯面の噛み合わせの角度は、彼が最初に設計したものよりもはるかに洗練されていた。
穴径の公差もさらに厳密に収められている。
彼がそれを裏返すと、内壁に、極めて浅い、真新しい職人印があるのが見えた。
トールの職人印だ。彼の兄の。
「トール兄さん……」
彼はその名を小声で呟いた。
これはもはや、図面通りに製作しただけではない。
理解し、消化し、そして超越したのだ。
部品に添えられて、修正された図面がもう一枚あった。
その横には、あの壊滅的な悪筆でこう注記されていた。
「こう変えた方が、安定するぞ!」
アーガスはその汚い字を見て、口角が制御不能なまま上に持ち上がった。
隅のサイドボックスには、分厚い黒布で幾重にも包まれた二本の水晶瓶が、静かに横たわっていた。
栓の封蝋は完全に無傷だ。
布にはサラのメモが留められていた。
『アーガス、あなたの言う通り、別々に包装したわ。アイリーンが何度も念を押していたけれど、これが混ざったら絶対に光に当てては駄目よ。使う時は、戸締まりをしっかりね』
彼は瓶を慎重に戻し、そこで初めて、箱の底にあるずっしりと重い小袋に気づいた。
革紐で口が縛られており、その重みで綿布が深く窪んでいる。
持ち上げてみると、袋の中で金属がぶつかり合い、極めて軽く、しかし澄んだ音を立てた。
こ、これは……金貨?
彼はすぐには開けなかった。
箱の底にある、最後の手紙を引き抜いた。
便箋の角は、彼の指の腹でとても平らに伸ばされた。
文字はアイリーンによるもので、端正で優しい。
『弟へ。手紙を受け取った時、まずは眉をひそめないでね。私よ、アイリーン。
まずは無事の知らせから。家のみんなは元気よ、心配しないで。
あなたが送ってくれた手紙と図面は、全部受け取ったわ。
お父さんは相変わらずで、口では「あの悪ガキ、面倒な問題ばかり出しやがって」と文句を言いながら、誰よりも細かい仕事をしてくれたわ。
トールは今や三口に一回は公差の話ばかりしていて、炉の火も以前よりずっと激しく燃やしているの。
あなたはまだ知らないかもしれないけれど、ここ数ヶ月で家に大きな変化があったのよ。
あなたとトールが一緒に設計してくれた車椅子が、今、たくさんの人を助け、そして私たち自身をも助けてくれているの。
ヴァンデル商会の人たちがわざわざ遠回りをしてやって来て、車椅子を気に入り、トールのあの旅行鞄も気に入ってくれたわ。
とにかく、あなたのあの「小さな発明」のおかげで、家の経済状況はすっかり良くなって、工房も拡張し、見習いも雇うことができたの。
最も重要なのは、お父さんがもう次のシーズンの『竜の税』で頭を悩ませる必要がなくなったってことよ』




