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第十四話-【第三幕:運命の契約書――アイリーンが交渉のテーブルに着く時】

 責任者と同行した職人が顔を見合わせた。

 探りを入れるような態度は消え、隠しきれない興奮と敬意へと変わっていた。


 彼は手を作業台の上に置き、五指を広げた。


「よかろう。箱は売れる。そしてこの椅子は、単発の取引ではない、まったく新しい市場そのものだ。条件を言おう」


 ブレイクはしばらく沈黙し、習慣的にまず保守的な数字を提示しようとした。

 彼はこれまでの人生で商売をする時、客を逃がさないように、常に価格を低く抑えてきたのだ。


 しかしアイリーンが先を越した。


「ふふっ、単刀直入に申し上げますね」


 彼女の語気は平坦で、交渉というよりは事実を述べているようだった。


「箱は私たちが作り、ヴァンデル商会様が持ち出して売る。まずは五十個作って様子を見ましょう。車椅子もまずは少量を試作用として作り、もしあなた方の販路に合うようなら、後で追加製作の交渉をしましょう」

「銀貨については今日お話しした通り、先に手付金を払い、納品時に清算ということで」


 彼女は羊皮紙を二枚取り出し、木炭のペンで数量と納期を書き込み、隅には二つの小さな印まで丸で囲んだ。


 ブレイクとトールは顔を見合わせた。

 アイリーンはいつからこんなにすらすらと商談ができるようになったのか?


 彼らの記憶の中では、彼女はずっと温かい長女であり、武器を提げて外で怪物と殺し合いをする冒険者だった。

 決して作業台のそばに座って、堂々と金の話をするような人間ではなかったのだ。


 この瞬間、彼らは驚きと同時に心を打たれ、心の中をそっとハンマーで叩かれたような気がした。


 なるほど。

 彼女は長年冒険者ギルドで依頼の仲介をし、傭兵の顔役たちと値切り交渉をする中で鍛え上げたリズムを、そのまま作業台の上に持ち込んだだけなのだ。

 その一面を、彼女は決して家族の前で見せたことはなかった。


「銀貨の価格は?」


 責任者が尋ねた。

 アイリーンは一連の数字を提示し、逃げも隠れもしなかった。


 責任者は微かに眉を上げたが、すぐには返答せず、再びトールを見た。


「一日にいくつ作れる?」


 トールは半拍ほど呆然とし、喉仏を上下させた。

 このように面と向かって計算し合う場面は彼には少なく、一時的に心が乱れた。


 アイリーンは車椅子をそっと近づけ、指先で彼の手の甲をトントンと叩いた。

 その接触はとても軽く、浮き上がった釘を作業台の縁に押し戻すかのようだった。


 彼女の視線が合図していた。

 ――ほら、私がいるから怖がらないで。ゆっくり話して!


 トールはそこでようやく口を開いた。


「……見習いが二人、メインの炉が一台、小型の炉が一台だ。昼間は骨組みを打ち、夜に車輪とリベットを作る」

「引き手は隣の木工の老ビルに手伝ってもらうこともできるが、車輪の台座は絶対に俺たち自身で作らなきゃならない。他の工房じゃ、この滑らかさは出せないんだ」


 責任者は作業台の上を指で三回叩いた。まるで脳内のそろばんと合わせているかのようだった。


「よかろう。二つの商売だ」


 彼は指を二本立てた。


「第一に、車椅子は、ヴァンデル商会が北部の路線と神殿への道中で代理販売する。君たちが材料を出し、製作する。価格は今日話した通りだ」

「第二に、旅行鞄は、我々の商隊にのみ販売する。まずは五十個作って様子を見よう。売れ行きが良ければ追加する。銀貨は先に手付金としていくらか払い、納品時に清算する。焼印は、一つにつき『アイアンソーン』と『ヴァンデル』を並べて押す。どうだ?」


 彼が「どうだ?」と言った時、その視線はブレイク、アイリーン、トールの顔を順に舐めるように過ぎた。


 ブレイクの喉仏が上下し、粗い手は無意識に汗を拭おうとした。

 トールの瞳は火の光の中で、二本の光る鋼の釘のようだった。

 アイリーンは胸を上下させていたが、それでも頭の中でそれぞれの条件を一度確認していた。利益、リスク、拡大できるか、そして職人の印。


「もう一つだけ、条件があります」


 アイリーンは、あの富商の別れ際の言葉を思い出し、口を開いた。

 これは人に新しい命を与えるものなのだ。


「車椅子の『普及版(廉価版)』を作ることをお許しください。装飾を取り除き、耐久性があって安い素材を使いますが、重要な頑丈さと滑らかさは維持します。そうすれば、一般の家庭でも買えるようになりますから」


 責任者は少し驚いたが、すぐに頷いて笑った。


「良い考えだ。普及版は君たちが仕様を決め、我々が同様に代理販売しよう。売れれば売れるほど、道中でそれを必要とする者が増えるからな」


「なら、最後にもう一つだけ」


 トールが突然顔を上げた。


「旅行鞄の引き手のグリップには、麻縄の下地を追加して、その外側から革を巻きたい。あんた達の商隊が山を越える時、手汗で革が滑っちまうからな」


 この場違いとも言える職人としての忠告に、責任者は笑みを収め、姉弟の二人の間をぐるりと見渡した。

 彼は頷いて言った。


「的を射た言葉だ。分かるよ。彼女が商売をスムーズにまとめ、君が物を確かなものにする。一方が販路を切り開き、もう一方が手を動かす。この両側がしっかりと噛み合ってこそ、商品は完成し、より遠くへと届くのだ」


 紙とペンが机に広げられた。


 羊皮紙がたっぷりと墨汁を吸い込み、一筆一筆が重々しかった。

 条項が一行ずつ書き込まれていく。仕様、数量、納期、焼印、代金の回収。


 右上には納品時間が記されている。

 次の満月の前に第一陣を出荷する。


 ブレイクが手形を押した時、その指はまだ微かに震えていた。

 トールは、新しい鉱山の地図でも見つめるようにその文字を見つめていた。

 アイリーンは車椅子の肘掛けに軽く手を添えていたが、手にはびっしりと汗をかいていた。


 最後の署名が記された時、それはもはや単なる商売の紙ではなく、二枚の契約書となっていた。

 一枚は遠くへ行く者のためのもの、もう一枚は遠くへ行けない者のためのものだ。


 それはアイアンソーン家の手技とヴァンデルの路線を一つに結びつけ、そして、アーガスが異郷で無心に蒔いた種を、故郷の土へと根付かせたのだった。


 契約書がしまわれても、責任者はすぐには立ち去らなかった。

 彼は顎をしゃくり、あの車椅子を示した。


「この第一号の車椅子の背面に、君たちの印を押してくれないか? 商会のものではない、君たち自身のものだ。道中でそれを見るすべての者に、この形がどこで生まれたのかを記憶させるために」


 トールは鉄の焼印を火に入れ、真っ赤になるまで待ってから、椅子の背もたれの底部の梁にしっかりと押し当てた。


 焦げた匂いと金属の匂いが同時に立ち上り、アイアンソーン家の家紋、ストームアックスの簡略化されたトーテムが、木目の中に深く刻み込まれた。


 その瞬間、ただ印が押されただけでなく、この家族の標識が、より大きな世界へと書き込まれたかのようだった。


 責任者は満足げに頷き、身を翻して馬に乗った。

 去り際に彼は一言だけ残した。


「十日後に、第一陣の材料リストを回収するために使いをやる。私を失望させないでくれ」


 馬の蹄の音が次第に遠ざかり、工房は一時的に静寂に包まれた。


 ブレイクは、胸に長年重くのしかかっていた礫を地面に吐き出すように、長く息を吐き出した。

 トールは旅行鞄を片付け、振り返ってアイリーンに向け、珍しく笑顔を見せた。


「姉さん、始まったな」


「あーっ、もう! 本当に緊張して死んじゃうかと思ったぁ!」


 アイリーンは肩の力を抜き、年相応の少女のように甘えた声を上げた。

 それからトールを見て、嬉しそうに頷く。


 彼女は今でも、手のひらが熱く火照っているのを感じていた。

 それは車椅子の肘掛けから伝わってきた熱だった。彼女は知っていた。この熱が、これからの日夜において、工房全体を激しく燃え上がらせるのだということを。


 これらすべての背後にあるのは、一つのバタフライエフェクトだった。


 パラディアの港での、アーガスの無心な売り込みが、商人の路線をわずかに変え、今、その変わった路線がアイアンソーン家の運命を再び変えたのだ。


 困惑、衝撃は、最終的に畏敬へと昇華し、また、互いを結びつける約束へと昇華したのだった。

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