第十四話-【第一幕:予期せぬ来訪者と、眠っていた「試作品」】(挿絵あり)
第十四話:遠き異郷からのSOS。家族が応える『世界一温かい鉄槌』
アイアンソーン家の工房は、ついに活気を取り戻した。
工房の空気は、以前とは全く違っていた。
ただ重い税を納めるためだけに、這いつくばって稼働していた頃の悲壮感はない。
鉄鎚が振り下ろされる時、その音は明らかに変わっていた。
濡れた布で包まれたような鈍い音ではなく、反発力を伴った軽快なリズムがある。まるで、鉄の塊さえも呼吸しているかのようだった。
ブレイクは柱に寄りかかり、火の光と影が交錯する中で忙しく働くトールを見つめていた。
若き腕が上がり、そして落ちる。その様は、安定した振り子のようだった。
彼は初めて、もしかしたらこの家族は、本当に苦境から抜け出せるかもしれないと感じていた。
心の底に長年押さえつけられてきた重荷が、ついに少しずつ下ろせるかもしれない、と。
車椅子の商売は徐々に軌道に乗り始めていた。
一つ車輪が完成するごとに、そして支柱が一つしっかりと溶接されるごとに。
それはまるで、「見ろ、お前たちはまだやれる」と彼に語りかけているようだった。
午後の陽光が斜めに敷居から差し込み、床の鉄屑をキラキラと照らし出している。
弟子たちは長い作業台の上で材料を並べ、穴を開けている。
彼らの汗が木の板に落ちて、濃い色の小さな丸い染みをいくつも残していた。
そんな忙しさの中、遠くから轟音が響いてきた。
馬の蹄の音、車軸のきしむ音、そして人の声。たくさんの人の声だ。
ブレイクは無意識に顔を上げ、胸がふと締め付けられた。
その音に彼はとても馴染みがあった。商隊の音だ。それも、大きな商隊の。
土煙が潮のように敷居を越えて流れ込み、床の木屑や落ち葉を巻き上げた。
先頭に立つ中年のハーフエルフがマントを翻す。
胸元のブローチには、翠緑の葉が車輪のハブを包み込む紋章――ヴァンデル商会のものが輝いていた。
ブレイクはその紋章に見覚えがあった。この町に買い付けに来てくれる、数少ない良心的な商会の一つだ。
しかしこの責任者は見知らぬ顔で、彼の知っているドワーフの仕入れ担当者ではなかった。
「アイアンソーン工房か?」
責任者が口を開いた。声は高くないが、一字一句がはっきりとしていた。
「数ヶ月前、パラディアの港で、誠実そうな少年が君たちのことを話していてね。君たちの家で作るものは、頑丈だと」
ブレイクは呆然とした。
パラディア? 少年?
彼の頭の中は真っ白になった。
パラディアで自分たちのために口を利いてくれる者などいるだろうか?
彼らの工房はここ数年、取引のある客などほとんどおらず、ましてや自ら推薦してくれる者などいるはずがない。
誰だ? アーガスだろうか?
しかしあの子は学院に着いたばかりだ。そんな大商会の責任者と口を利く機会など、どうしてあるというのだ?
だが、アーガス以外に、一体誰がいるというのか?
ブレイクの心は困惑でいっぱいだったが、確信は持てなかった。
挨拶もそこそこに、責任者は工房に入り、鋭い視線を向けた。
そして単刀直入に本題を切り出した。
「ここで、担がなくていい箱を売っていると聞いたが?」
彼は懐から金縁の小さな手帳を取り出してめくり、口元にわずかな笑みを浮かべた。
「そう、『アイアンソーン製の旅行鞄』だ」
「は? そんなもんあったか?」
トールは一瞬呆気にとられ、すぐには思い出せなかった。
工房は気まずい沈黙に包まれた。
皆が顔を見合わせ、互いの記憶が間違っていないか確認し合っているかのようだった。
「ありますよ!」
アイリーンが割り込んで答えた。声はいつもより一段高かった。
彼女は車椅子を押して工房の奥の部屋へと手際よく曲がり、自ら奥の小部屋へと滑り込んだ。
ガラクタの山に被せられていた麻布をめくる。
最も目立たない隅から、長い間眠っていたあの「旅行鞄の試作品」を引きずり出したのだ。
この哀れな箱は、ガラクタの下敷きにさえなっていた。
今日になって再び日の目を見るなど、一体誰が想像できただろうか?
当初の本当の完成品は、アーガスが家を離れて進学する際に、トールが自ら彼に贈っていた。
家に残されていたこの一つの試作品が、今、アイリーンの手によって埃の中から見つけ出されたのだ。
それはまるで、運命が与えた二度目の機会のようだった。




