第十一話-【第二幕:錬金と鍛造の融合。俺だけの『銃身(バレル)』を構築する】(挿絵あり)
彼は腰の革袋から、親指ほどの大きさしかない四枚の薄い黒鉄のカードを取り出した。
まるで古代の職人が、歴史を変える精密機器にコアを埋め込むかのように。
冷たい秩序感をもって、順番に、正確に、「曙光」の手袋の四本の指の関節にあるスロットへと挿入していく。
カチャッ。
一枚目のカードが、人差し指のスロットに押し込まれた。
手袋の表面に、「土」元素を代表する重厚な黄色の光が点灯する。
アーガスの手袋の上で、空気中の土元素と金属粒子が高速で凝縮し始め、粗雑で浮ついた高岩鉄の棒を構成した。
【錬金魔法-疑似金属:高岩鉄】
これは彼とミリーが、廃棄された錬金術の中から解析した『疑似魔法』であり、銃身のベースとなるものだ。
カチャッ。
二枚目のカードが、中指のスロットに押し込まれた。
手袋の表面に、「火」と「鍛造」を代表する、オレンジ色の複合光が点灯した。
空中に浮遊していたその粗い鉄の棒に、突如として純粋な魔力で構成された、環状のオレンジ色の魔法陣が灯る!
その魔法陣は精密な高速回転する刃のように、鉄の棒の一端から始まり、安定して反対側へと進んでいった。
それが通過する所、鉄の棒の外層の粗い部分は層ごとに削り取られる。
髪の毛のように細かい無数の金属の糸となって、パラパラと剥離し脱落していった。
それと同時に、鉄の棒の正中心にも、見えない力によって完璧な円孔が同期して穿たれていく。
剥がれ落ちた廃材は空気に触れた瞬間に音もなく分解され、最も基礎的な魔力へと還元されて消え去った。
わずか数秒で、魔法陣は端から端までその旅を終えた。
そこには、内も外も鏡のように滑らかで、寸法が完璧で傷一つない標準的な銃身が残されていた。
【鍛造魔法:旋削(せ削)と貫通】
これはベースとなる形態を与える「旋盤」と「ドリル」だ。
カチャッ。
三枚目のカードが、薬指のスロットに押し込まれた。
手袋の表面に、再び「土」元素を代表する重厚な黄色の光が点灯した。
アーガスの前に、高密度の土元素で構成された指の関節ほどの大きさの標準的な球形の石弾が数個、何もない空間から凝縮して形を成す。
超小型の衛星のように、彼の手のひらの周りをゆっくりと旋回し始めた。
【弾体生成:石弾術】
これは最も純粋な「弾丸」だ。
カチャッ。
最後のカードが、小指のスロットに押し込まれた。
手袋の表面に、極めて不安定で、爆発的な力に満ちた深紅色の光が点灯した。
【火炎推進:爆炎術(小型)】
これはすべてを起爆させる「火薬」だ。
全プロセスは、流れる水のようにスムーズだった。
彼は詠唱も、祈りも捧げない。
そこにあるのは、機械の組み立てのような正確な物理操作と、金属が高速切削される独特の耳障りな「モーター音」だけだった。
四重奏は、幕を閉じた。
アーガスはすぐには手を上げなかった。
彼はただ、手のひらの周りを小型衛星のようにゆっくりと旋回するそれらの石弾を、静かに見つめていた。
彼は右の人差し指を伸ばし、そっとその内の一つをつまみ上げた。
アーガスはそれを、銃身の底部にあらかじめ設計しておいた切り欠き(チャンバー)へと入れた。
精密部品が完璧に噛み合ったかのような、ほとんど聞こえないほどの「カチャ」という音と共に。
石弾は完璧に薬室へと送り込まれた。
それに続いて、「火薬」を代表する、極限まで圧縮された深紅色の火元素の塊も。
そのすぐ後を追い、自動的に所定の位置に収まった。
装填、完了。




