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第10話-【第三幕:観測者リナ。平民の孤独な革命を目撃する】(挿絵あり)

 生徒会のオフィス。


 リナは「学院東側の芝生の維持管理」に関する退屈な報告書を、心ここにあらずの様子で処理していた。

 彼女の海のように青い瞳は、机の隅にある魔法の羊皮紙へと無意識に向かっていた。


 そこには、すべての「個人練習室」の予約状況が記録されている。


 「アーガス・アイアンソーン」という名前は、何度も書き間違えられたルーンのように、七番練習室の今後一週間すべての時間帯を頑固に占拠し続けていた。


 しかも彼女が今手にしているのは、今日送られてきたばかりの申請書だ。


(……あの変人、一体何をするつもりなの? また一週間分も申請するなんて!)


 好奇心と懸念、そして生徒会幹部としての職責が入り交じった複雑な感情。

 彼女は最終的に手元の報告書を置き、立ち上がって自ら見に行くことを決めた。


 彼女は音もなく七番練習室のドアの外にやって来た。

 分厚い防音の水晶窓越しに、室内の光景を静かに見つめる。


 彼女の顔に余分な表情はない。

 嵐が来る前の海面のように平穏な瞳が、練習室の中央に立つその孤独な人影を映し出していた。


 今、アーガスの手の中には、長さ約一尺の、完璧な金属の管が浮遊していた。

 その形成プロセス全体が、「工芸」に属する、心臓が粟立つような美しさに満ちていた。


 最初は粗削りな高岩鉄の棒が何もない空間から凝縮される。

 続いて、鍛造魔法の赤い光がそれを包み込んだ。


 その外層はまるで、数万にも及ぶ、肉眼では全く観測できない極限まで圧縮された微小な風の刃によって、周囲から高速で切削されているかのようだった!


 それらの風の刃の軌道は常人離れした正確さだ。

 表層の粗さを一枚また一枚と「風化」させ、剥離ストリップしていった!


 剥離された灼熱の鉄屑は、空気に触れた瞬間に塵と化した。

 最終的に、内部にある寸法の完璧な、鏡のように滑らかな円柱が現れた。


 最後に、円柱の中心点から微かな白煙が上がり、正確な穿孔魔法の制御コントロールの下で、完璧で真っ直ぐな深い孔が貫通して形成されたのだ!


 リナはこの光景を静かに見つめていたが、心の中では激しい大波が巻き起こっていた。


 これを見るのは初めてではない。

 だが何度見ても、魂の奥底からのその衝撃は、いささかも減じることはなかった。


 なぜなら彼女は、この完璧な「鉄管」が、本物の金属で作られたものではないことを知っているからだ。

 そして、それが決してこれほど簡単に生み出されたものではないことも。


 彼女の思考は、制御不能なまま、数日前に引き戻された。


 あの日、生徒会幹部である彼女は、施設の申請書を処理していた時、アーガスのあの一週間に及ぶ、ほぼ自殺行為に近い練習室の予約を発見した。

 職責と、自分でも認めたくない一抹の好奇心から、彼女はここへやって来た。


挿絵(By みてみん)


 彼女がこの窓越しに初めて見たのは、無数の「失敗」だった。


 アーガスが手を伸ばすと、空気中の土元素と金属粒子が彼の手のひらで凝縮し、それなりに頑丈そうな鉄の棒を構成するのを彼女は見た。


 しかしその鉄の棒はわずか数秒しか維持できず、支えを失った砂の城のように、音もなく崩壊する。

 宙を舞う微光を放つ金色の塵となって、最後には完全に空気中へと消え去った。


 一回、二回、十数回。


 午後中ずっと、彼はこのプロセスを繰り返していた。創造し、そして崩壊する。

 リナは眉をひそめ、脳を高速で回転させた。


(……これは……錬金術において、とうの昔に廃棄された『疑似物質構成』? 純粋な魔力を使って、現実の中に一時的に物質の『実体の幻影』を構築する手品?)


(このような魔法は、消費が激しい上に完成品が極めて不安定なため、実用価値のない学術的なゴミとしてとうに見捨てられているはずよ。一介の平民が、一体どこでこんな偏った知識を学んできたの? それに、こんな『偽物』を使って、何をしようというの?)


 数日後、彼女が再び不安に駆られて様子を見に来た時、光景は一変していた。


 練習室の床には、奇妙な形をした、ねじ曲がった金属の管が何十本も散乱していた。

 それらの表面はでこぼこで、管の壁の厚さも不均一であり、まるで腕の悪い職人に捨てられた廃品の山だった。


 それらは数分間実体を維持した後、一つまた一つと崩壊し、あの見慣れた輝く塵へと変わっていった。


 アーガスは相変わらず部屋の中央に立っている。

 彼の前には、凝縮して形を成したばかりの、辛うじて真っ直ぐだと言える鉄の棒が浮いていた。彼は鍛造魔法を使って、その外層を「剥離」しようと試みていた。


 しかし彼の制御力は明らかにまだ未熟だった。


 見えない切削の力加減は強くなったり弱くなったりし、鉄の棒に深すぎる獰猛な刻み目を残すか、あるいは力が弱すぎて完全に滑ってしまうかのどちらかだった。

 最終的に、その哀れな鉄の棒は、不安定な魔力の波動の中で、再び崩壊した。


 アーガスはこの光景を見ても、その顔には相変わらずいかなる感情も浮かんでいなかった。


 彼はただ壁際に歩み寄り、すでに鬼の金縛りのような記号で埋め尽くされたノートを手に取る。

 木炭のペンで誰にも読めないデータの羅列を猛スピードで記録ログし、そしてまた、新しい構造改良の魔法陣アップデート・サーキットを描き込んだ。


 リナはこのすべてを静かに見つめていた。

 彼女の心に、初めて、この無口な少年に対する真の「畏敬」の念が生まれた。


(……魔法……いや、これはむしろ実験ね。普通の魔法使いや錬金術師なら、連続して失敗すれば、とうに気落ちするか激怒しているはずだわ)


(でも彼は違う……彼の顔にはいかなる感情もなく、まるで最も細かいことまで気にするエルフの精工職人のように、毎回失敗した際のデータを一糸乱れず記録し、そして変数パラメーターを一つだけ修正して、次の試行を行う)


(この種の理性……ドワーフの強情さにも似つかわしくないし、魔法使いの傲慢さにはなおさら似つかわしくないわ)


 今、リナの思考は現実に引き戻された。


 彼女はアーガスの手の中で浮遊する、最終的な「完成品」を見つめた。

 彼女はようやく理解した。


 あれは手品でもなければ、ゴミでもない。


 あれは、無数の失敗という冷たいデータの上に築き上げられて誕生した。

 彼一人のための、孤独な革命なのだと。

【あとがき】


いつも読んでいただきありがとうございます!

ページ下部からの「★評価」が、作者のハンマーを振るう力になります!

次の章も、最高の温度で仕上げます。




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