第八話-【第二幕:魔法の『アルゴリズム』。精密すぎる時計仕掛けは、粗悪な燃料で詰まる】
アーガスは静かに聞いていた。
彼のエンジニアとしての脳は、自動的にこれらの描写を、彼が理解できる言語へと翻訳していた。
「なるほど」
彼は頷いた。
「彼らの強みは、ハードウェアの『メモリ(メインメモリ)』が十分に大きいことにあるんだな。絶対的なエネルギーの総量を使って、『アルゴリズム』の劣悪さを補っているわけだ」
「……『メモリ』? 『アルゴリズム』?」
ミリーは聞いたこともない奇妙な単語に完全に混乱した。
だが、それでもアーガスの語気から、彼が何を言わんとしているのかを大まかに推測し、少し自信なげに付け加えた。
「……つまり……彼らは魔力は多いけれど、技術は粗削りってこと?」
「いや、技術の問題だけじゃない」
アーガスは首を横に振った。その目には理性の光が点滅していた。
「俺が言っているのは、あいつらの体系の『ベース論理』そのものに欠陥があるということだ」
この言葉は、ミリーの好奇心に完全に火をつけた。
彼女は初めて、これほどはっきりと感じ取った。
目の前のこの人の頭の中にある知識は、どうやら……周りの誰とも違っているらしいと。
「……欠陥?」
ミリーは一瞬息を呑み、恐る恐る追及した。
「じゃあ……どういう『ベース論理』なら、欠陥がないと言えるの?」
アーガスはほとんど考えることなく答えた。
「決まってる。より低い『消費電力』で、より複雑な『命令セット(コマンド・セット)』を実行することだ」
ミリーは呆然とした。
彼女はそれらの奇妙な言葉の意味を理解できなかった。
だが、その言葉の背後にある、「効率」と「複雑な構造」に対する極限の追求は。
雷のように瞬時に彼女の心臓を撃ち抜いた。
彼女は夢見るような声で、アーガスの「工学」を、彼女がよく知っている一角獣学派の古い格言へと翻訳した。
「……つまり……『より精密な時計仕掛け』ね」
この比喩がミリーの口から出たのを聞いて、アーガスの目にも、好敵手に出会ったような興奮の光が爆発した。
「その通り!」
彼は勢いよく手を叩き、軽快な音を立てた。
「まさに時計仕掛けだ!」
彼は自身の論理でさらに追求を続けた。
「だとしたら、雄獅子派の魔法は威力が大きいとはいえ、構造が粗雑なせいで頻繁に制御不能になるはずだ。エネルギーの『伝送損失』と『構造的安定性』が極めて悪いに違いない!」
「……伝送損失?」
ミリーは再び未知の単語に詰まった。
だが後半の言葉はすぐに理解し、その瞳に誇りと悲しみが入り交じった光を再び燃え上がらせて、力強く頷いた。
「そう! あなたの言う通りよ! 私たちの魔法は、決して暴走しない!」
様々な奇妙な言葉に満ちたこの対話は、まるで二つの世界を越えた、奇妙な「同期」のようだった。
ミリーはアーガスを見つめた。
数百年にわたって抑圧されてきた悔しさと誇りが、ついに吐き出す出口を見つけた。
彼女は初めてその細い胸を張った。
「私たちの理論なら、獅子派の十分の一の魔力で、彼らの半分の効果を達成できるわ!」
「じゃあ、なぜ……」
アーガスは最も核心的な問いを投げかけた。
「なぜ淘汰されたんだ?」
ミリーの目の光は完全に失われた。
代わりに、骨の髄まで染み込むような無力感が現れた。
「それは……『詰まり』よ」
彼女は、アーガスが授業で口にしたのと全く同じ言葉を小声で言った。
「私たちの魔法陣は、極めて目の細かい『篩』のようなもので、魔法陣の経路も極めて細い線なの。研磨された『粉塵』だけがスムーズに通過できる」
「でも、あの雄獅子派の魔法使いたちは、体内の魔力が研磨されていない粗い『砂礫』なのよ」
「彼らが私たちの魔法陣を起動させようとすると、その粗い粒子が回路の入り口に直接引っかかり、壊滅的な『魔力の詰まり』を引き起こしてしまうの」
彼女は少し言葉を切り、さらに苦渋に満ちた、自嘲するような語気で問題の根源を口にした。
「そして彼らが、自身の魔力を『研磨』することを見下しているのは、彼らのすべての修練体系を支えているあの『根幹』が、現在の真理……『魔力流体』理論だからよ」
アーガスは眉をひそめ、軽く首を横に振って、魔力流体の理論を否定した。
「連中にとっては、魔力は連続した『河』。研磨すべき『粒子』なんて最初から存在しないってわけだ。彼らがやるべきことは、ただ河の水を増やし、より激しく流れるようにすることだけ」
ミリーの声は、ある荒唐無稽な歴史を語っているようだった。
「一方で、私たち一角獣学派のすべての工芸を支えているあの『根幹』は、全員から異端と見なされている……『魔力粒子仮説』なのよ」
彼女は顔を上げ、アーガスを見た。
その瞳には、歴史の塵が映っていた。
「一つは主流の真理の上に築かれた覇権。もう一つは、異端の仮説の上に築かれた砂上の楼閣。時代の巨大な車輪が轢き潰していく時、一体どちらが粉砕されると思う?」
「時が経つにつれて、私たちが無数の心血を注いだ傑作たちは、主流派が使用できないという理由だけで、こう嘲笑されるようになったわ……『机上の空論の役立たずなおもちゃ』とね」
「一角獣学派も、雄獅子派によって完全に弾圧され、歴史の舞台から姿を消してしまったの」
アーガスは完全に沈黙した。
彼はようやく理解した。
彼が授業で提案した、全員から馬鹿だと思われた「構造的詰まり(ストラクチュラル・ジャム)」の仮説は、彼の独創ではなかった。
数百年前にはすでに、彼と同じ信念を抱く先駆者たちの集団が、この孤独で理解されない道を歩んでいたのだ。
彼は異端などではなかった。
知らず知らずのうちに、歴史に忘れ去られた敗北者たちの墓場へと足を踏み入れていただけなのだ。
【あとがき】
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