第三・五話-【第四幕:口実だらけの救援物資】挿絵あり)
「お嬢様のおっしゃる意味は……ご自身で直接向かわれる、ということでございますか?」
ウォーレンは探るように尋ねた。
「行かざるを得ないわ」
リナはクローゼットから、動きやすい濃色の旅行用マントを取り出した。紐を結びながら、ごく当然のように言う。
「私が直接行って見張っていなければ、あのドワーフの工房がまたどんな馬鹿なことをするか分からないもの」
ウォーレンは傍らに立ち、口元にほとんど気づかれないほどの微笑を浮かべた。
彼は、この主の性格をあまりにもよく知っていた。
彼女の言う、見張らなければならないドワーフの工房とは、実際にはただ一人の人物を指している。
だが彼は賢く沈黙を選んだ。この不器用な気遣いを指摘することなく、ただ完璧な執事として恭しく頭を下げる。
リナは机の隅に置かれた、あの発光する電球を見た。暗い執務室の中で、その柔らかな光はひときわ孤独に見えた。だが同時に、異様なほど揺るぎなく見えた。
彼女は思い出していた。
彼が一本の粗末な鉄の棒のために、学校の標的室へ二週間も閉じこもり、何度も何度も強度を試していたことを。
思い出していた。
交渉の席で、本来なら法外な値段を吹きかけることもできたはずなのに、いわゆる良心のために莫大な利益を拒んだ、あの馬鹿げた姿を。
あの頭の固い男のことだ。
きっと今ごろ、自分の過ちだと思い込んでいるに違いない。
自分の設計が人を傷つけた。家族の信頼を裏切った。そう思い込み、すべての責任を一人で抱え込んでいるはずだった。
どこかの隅で目を真っ赤にし、自分の頭の中を解体するように、どこで計算を間違えたのか探しているのだろう。
名状しがたい焦燥が、棘のようにリナの胸へ刺さった。
「もし彼が、こんなくだらない原料の問題で自滅して、背負う必要のない罪で立ち直れなくなったら」
リナは冷たく鼻を鳴らした。
「私のこれまでの投資が、全部笑い話になってしまうわ」
その語気には嫌悪が混じっていた。
「あいつはそういう奴なの。一度思い込んだら、十頭の竜でも引き戻せない。私の資産が、あんな低級な理由で目減りすることなど、絶対に許さないわ」
ウォーレンは、殺気立つ主を見ながら、心の中ではすべてを理解していた。
単なる資産保護なら、傭兵を一隊派遣して連れ戻せば済む。なぜ千金に値する身で、自ら危険な場所へ赴く必要があるのか。
だが、彼は何も言わなかった。
「はい。直ちに馬車と人員を手配いたします」
「待って」
退室しようとしたウォーレンを、リナが呼び止めた。
彼女は少し躊躇し、視線を部屋の中へ巡らせた。最後に、その目は薬品棚へ向かう。
「鑑定師のほかに、技師を数名。それから、医師を二人連れて行きなさい」
少し間を置いて、彼女は付け加えた。
「医師は一番優秀な者を。それと、私の個人倉庫から寧神薬と高位栄養液を二箱ずつ持ってきなさい」
ウォーレンはわずかに眉を上げた。
「お嬢様。アイアンソーンの皆様は、かなり頑健なお体をお持ちかと存じますが」
「黙りなさい。言われた通りにしなさい」
リナは彼を睨んだ。耳の付け根が、わずかに赤くなっている。だが語気は強硬なままだった。
「あの馬鹿のことだから、きっと何日も寝ていないわ。もしかしたら、まともに食事すらしていないかもしれない」
彼女はそっぽを向いた。
「私が会いに行った時、工房の中で餓死寸前になっていて、まともに会話もできないなんて、絶対にご免だわ」
そして背を向けたまま、不自然なほど理屈めいた声で続けた。
「これもすべて、彼が冴えた頭で私の調査に協力できるようにするためよ。虚弱な顧問なんて、私には何の価値もないのだから」
「承知いたしました」
ウォーレンは深く頭を下げ、口元の笑みを隠した。
「すべては商会の利益のために」
「それから」
リナの声が、少し低くなった。
「最近、どこの身の程知らずがアイアンソーン工房を標的にし、噂を流しているのか調べなさい」
彼女の口元に、冷ややかな笑みが浮かぶ。
「もし火事場泥棒を働こうとしている者がいるなら。もし私のものに手を出そうとしている者がいるなら」
リナの青い瞳に、刃のような光が走った。
「徹底的に後悔させてやるわ」
ウォーレンは静かに一礼した。
「それでは、手配の優先順位を確認いたします。第一に馬車。第二に鑑定師と技師。第三に医師と薬品。第四に市場調査。第五に、鉄峰山城までの途中宿場への先触れでございますね」
「ええ。ただし先触れは最低限でいいわ。大げさに動けば、余計な鼠まで寄ってくる」
「承知いたしました。表向きは、商会の定期巡回という形にいたします」
「それでいい」
リナは旅行用の手袋を取った。指を通す動作は優雅だったが、その目にはすでに戦場へ向かう者の光が宿っている。
「私が着くまで、あの工房を潰させない。噂も、事故も、役人も、全部まとめて私の前に並べなさい」
「御意に」
ウォーレンは短く答え、今度こそ音もなく部屋を出ていった。扉が閉じた後も、リナはしばらく動かなかった。
彼女の視線は、机の上の魔法電球へ落ちていた。
その小さな光は、今も変わらず灯り続けている。
「本当に、腹立たしい光ね」
リナは小さく呟いた。
それでも彼女は、その光を消そうとはしなかった。




