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(旧) 逃亡奴隷少女、拾いました……  作者: しゅんかしゅうとう
第2章:4人の旅出
37/55

第37話:2人目の奴隷少女、助けました…

娘奴隷とコスモスを伴い、宿の部屋へ直接テレ・ポートしたカノンは、続けざまにコスモスに指示を出す。


『コスモス、魔宝糸処理をしてあるテント用布をベッドに広げなさい。この娘奴隷、アネモネといいますが、彼女をそこへ寝かせます』


「はい!、カノン様」


『コスモス、洗い桶に”ヤギの第5胃”から水を入れ、沐浴用にお湯を沸かしなさい。アネモネの身体を石鹸で清浄にします』


「はい、カノン様」


コスモスが湯を準備している間、カノンはアネモネを魔宝布で覆ったベッドに寝かせ、彼女の糞尿にまみれた粗末で不衛生な服を『絶縁のナイフ』で切り去っていく。

アネモネもかつてのコスモスと同様、シャツとズボン以外、肌着も胸当てもショーツも靴も身に付けていない。直ぐに全裸になった。


『コスモス、彼女の服をESPで宙に浮かせます。布片を全て、全力で灰も残さず燃やしなさい。滅菌します』


「はい、カノン様」


宙に浮いたかつて服だった布の切れ端が、青白く光り輝き煙となって消える。

コスモスの方も、沐浴の準備が整ったようだ。


『コスモス。彼女、アネモネは敗血症かもしれません。火傷で抵抗力を失った身体に糞尿の中にいた大腸菌等が入り込むと、それが体の中で増殖して毒を作ります。その毒が血液に溶け込み全身をめぐってショック症状を起こしている可能性が高いと思います』


「・・・助かるのですか?」


『分かりません。ボクは医者ではないので見立てが合っているのかすら分かりませんし、敗血症だとしても正しい治療の手段を知りません。そして、毒を押さえる抗生物質という薬も、毒に汚された血を補う静脈点滴の道具も持ち合わせていません』


「では・・・どうすれば」


『身体の中の毒を取り去ることは出来ませんが、これ以上、身体に毒を入れないことは出来ます。まずは、彼女の体表を石鹸で清潔に洗浄し、魔宝布に包んで魔宝布の耐毒・治癒効果に期待します』


「わかりました」


カノンとコスモスは、全裸のアネモネを抱えて湯桶に運び、石鹸で丁寧に洗浄する。

その際、身体の各部位に異常が無いか、良く確認する。

右頭と顔の火傷は、血がにじみ糜爛びらんもひどいが化膿はしていない。清潔を心がければ、命に関わる事にはならないだろう。

右前腕の火傷は・・・ひどい。黒く腐敗し皮膚は剥がれ垂れ下がっている。湯をかけ洗う事はできても擦り洗いする事はとてもできない。

目を閉じた、彼女の左の顔は美しかった。左半分の頭から生える毛は、糞尿とホコリを洗い流すときれいな金髪だった。事故前は、さぞや美しい娘だったのであろう。

彼女の身長はコスモスよりも大きい、カノンが135cm、コスモスが140cm位だから、アネモネは150cm位だろう。

もちろん、それでもこの世界の成人女性の平均より低く、まだまだ子供とか娘とか言っても良い年頃に思える。

反してその両の乳房は、この世界の成人女性のそれの平均をも軽々と超えていた。

女性の生の乳房などコスモスの物しか見たことの無いカノンにとっては、コスモスとアネモネの胸部に付いている”物”がどちらも同じ乳房と言われるのだとはとても信じられない。それほど大きさや形状に違いが有った。


一旦アネモネの身体をカノン1人で支える。その間に一回アネモネを寝かせたテント用布をコスモスが念入りに熱風消毒する。

それからコスモスはカノンの指示で、ベッドの上に広げたテント用布を半分に畳む。消毒はしたものの菌が残っている可能性のある面は内側に畳み、直接触れないようにしたのだ。

魔宝糸効果で防水性を持たせた布だ。水の分子さえ通さないのだから菌が残っていたとしても遮断できるだろう。

そしてテント用にと作った物だからサイズにも余裕がある。半分に折ってもまだ、ベッドより大きい。


全裸のアネモネを清浄にすると、こちらも清浄にしたテント布の上に寝かせ、コスモスの魔宝ドライヤーでアネモネを乾かした後、テント用魔宝布で包んで保温する。


『コスモス、重くて申し訳ありませんが、洗い桶の湯を捨てて来て下さい。ボク等はアネモネに触れたので、ボク等の体にも”毒”が付いている可能性が高いです。次にボク等自身の身体を洗い、服を殺菌する必要があります』


こうしてお昼ご飯も食べる前の時間に、カノンとコスモスは身体を洗い、着ていた服も全部洗って煮沸消毒した。

特にカノンに強く言われ、両の手は念入りに洗った。仮に大腸菌が原因だとすると、手に付いた大腸菌が食事などで口から体内に入り症状を出すことが有るとの記憶がカノンにあったからだ。

上掛けのワンピース2着、長袖コット2着、靴下2組、コスモス用の三角ビキニ型胸当て、コスモス用のショーツ、カノン用のキャミソール型肌着、カノン用のトランクス、これらは洗濯・煮沸消毒の後、太陽の下で干して充分に乾燥させた。

代えのないローブととんがり帽子は「魔宝糸をふんだんに使っているので、大抵の魔宝ははじけます。コスモスの火炎魔宝で滅菌してください」との事なので、炎で消毒した。


これでようやく第1段階、外部からの菌の侵入の遮断は出来たはずである。

だが彼女のあの右手、あそこで菌が増殖している可能性は高い。菌の出す毒素だけでなく、菌そのものが内臓まで達して感染していたもう助からないだろう。


『コスモス』


「はい」


『申し訳ありませんが、服屋でアネモネ用に半袖コットを3枚、無ければ長袖でも構いません、を買って来て下さい。サイズはコスモス用の1個上です。あと、もし在庫が有ればシルクのショールも2枚お願いします。今持っているショールは魔宝糸処理済みで耐魔・耐物・耐毒効果があるので、アネモネの治療に使ってしまいます』


「はい」


『それとアネモネ用に消化によさそうな一番柔らかいパンを1つ。ボクとコスモスのお昼用にパンを必要なだけ、お願いします。私は残って看病を続けます』


「分かりました」


 ===


コスモスが買い物から戻ると、カノンがベッドに横たわるアネモネに口付けをしていた。


「カ、カ、カ、カ、カノン様・・・何をなさっていらっしゃるのですか!?」


『あ、お帰り、コスモス』


「何をなさっていらっしゃるのですか!?」


コスモスが何に慌てているのか気が付かないカノンは、のんびりとした口調で答えた。

『はい、口移しで食塩水を飲ませているのです』


「食塩水?」


『はい。アネモネの身体は水分を必要としているはずです。本来なら点滴で直接与えたいのですが装置がありません。なので、口移しで飲ませているのです』


「何故、食塩水なのですか?」


『身体が水分を吸収するのに、血液と同じ位の濃さの食塩水が最も体力を使わないのです』


「何故、口移しなのですか?」


『意識がはっきりしていない状態でさらさらした水分を口から与えると、肺に水が流れ込んでむせ返ります。最悪、肺に水が溜まって肺炎になります。その場合、アネモネは助からないでしょう。だからボクの唾液とまぜ、口移しで少しずつ与えているのです』


「ではカノン様、その役、私が代わります」


『ダメです!!』


思わぬ強いカノンの拒絶に、コスモスが少しひるむ。

「カノン様、理由を伺ってもよろしいですか?」


『はい、コスモスも気が付いていると思いますがアネモネはテレパスへの感受性がとても高い魔宝使いです。彼女は回復したら隷属させず解放します。元々読み書きの出来る奴隷を探しに行ったのであって、彼女を助けたのは成り行きですから。でも、コスモスとアネモネが不用意に接触し、接触テレパスから貴女が逃亡奴隷だとばれると彼女を解放出来なくなります』


「でも、カノン様が口移しでなど・・・カノン様にご病気が移られでもしたら・・・」


『何を言っているのです、コスモス。貴女を助けた時、貴女の心臓は止まり、呼吸も止まった状態でした。その時もボクは何度も何度も口移しで貴女に空気を送り、息を吹き返すのを手助けしました。だからこそ貴女は今ここに居るのですよ』


コスモスははっとした。そうだ、カノン様はそう言うお人なのだ。

助けようと考えたら、我が身を省みず行動なさるのだ。

事実、私ごときの為に何度もESPを使って下さっている。

体力の乏しいカノン様にとって、ムリにESPを使うことは寿命を削る・命を削る、それに等しい行為だという事は心を1つにした私には分かって居る、それでもカノン様はESPを使ってくださるのだ。


ようやくコスモスは落ち着いて、横たわる娘奴隷、アネモネの姿を見る。

全裸にされているはずの身体はテント布に包まれ、その布の下までは分からない。焼け爛れた顔と頭の右半分には、包帯と言う布がきれいに巻かれており、頭や顔の傷が見える事はない。


『顔と腕の火傷部は、先日作ったトリートメントで保湿し、その上を魔宝糸処理をしたシルクのショールで包んで包帯を巻いてあります』


患部には耐魔・耐物理・耐毒の効果を施したショールをあてがって魔宝による治療効果を期待する対処法だ。

コスモスが怪我を負った時の対処と全く同じである。

違うのは、コスモスには『防岩のベスト』、アネモネにはシルクのショールを使っている事位だ。


『コスモス、買ってきたコットを渡して下さい』


「はい」


カノンはコットを手に取ると、胸元から足元までスパッと『絶縁のナイフ』で切った。

そこに平ボタンを付けて、前開きワンピースに改造する。


カノンは考える。

これで、アネモネが寝たままでもコットを着させることが出来る。

下着はどうしよう。しばらくは寝たままだろうから、下はコットンで”大人用布オムツ”を作るしかないな。

排泄物には病原菌がいるだろうから、接触テレパスのおかげで分かっている”あの2石”を回収したら、おむつは全て焼却処分だ。

ブラはとりあえず、コスモスの”誘導式”を借りよう。フロントで止められるので寝たままの状態でも大丈夫だ。

それが済んだらコットを着せる。


そして、彼女が意識を取り戻したら、残酷だけど判断をしてもらおう。

火魔宝が原因なので完治はしないだろう現状維持を選び菌の毒素におびえ暮らす生活を選ぶか?、いっそ右腕をあきらめて命を取るか?、右腕を残す為に苦痛と命を失うかもしれない恐怖に耐えるか?、の判断を。


『コスモス、貴女は布オムツの使い方を知っていますか?』


「いいえ、知りません。カノン様は知っているのですか?」


『はい、子供を授かったときのシミュレーションとして、色々教育されましたから。敗血症の知識もその時の物です。妊娠中にかかると胎児にも影響がでる場合があります』


「そうなのですか」


『はい。では、1度ヤリ方を見せますので覚えて下さい。彼女も世話をされるなら、同性の方が良いでしょうから』


「はい」


『あと、排泄物は病原菌が付いているので、絶対に直接手で触れてはいけません。布オムツごと桶に入れ、汚れをふき取ったふき取り布も桶にいれ、外で貴女の魔宝で完全焼却処理して下さい。それが済んだら、必ず石鹸で手を洗う事』


「自信がありません」


『では、排泄のお世話をするときも、最初は私が手本を見せます』


「はい」


『それと接触テレパスで分かったのですが、彼女は自分の魔宝石2石を飲み込んでいます。魔宝石は必ず回収してあげますが、これも棒などを使って直接排泄物に手を触れないよう気を付けて下さい』


「はい」


『では、まず布オムツの付け方からです。やって見せますので、よく覚えて下さいね』


カノンは2本の布オムツを使って、むき出しのアネモネの下半身を覆っていく。

オムツのせいで足を閉じられず、アネモネは寝たまま少しガニマタになる。

オムツカバーが無いので、最後は包帯を使って縛って止める。

これで下半身はOKだ。後は定期的に汚れや濡れがないか、確認すれば良い。


カノンは思う。漏れ防止に、白銀の糸を使ったオムツカバーもいくつか作る必要があるかもしれない。

今後の治療の様子をみて考えよう。

この娘、アネモネの様態が安定するまで、カノンは彼女の側を離れるつもりはない。


続いて、アネモネの豊かな胸に、コスモスの遊動式の三角ビキニ式胸当てをつける。

コスモスが使っている胸当てなのだから、これはコスモスにつけてもらう。


「あぁ~。カノン様ぁ~!!」


『どうしました?』


「胸が大きすぎて、三角布の幅が全く足りず、布の間が大きく離れてしまいますぅ~!」


『遊動式だからそれでいいのです!』


「あぁ~。カノン様ぁ~!!」


『どうしました?』


「胸が大きすぎて、アンダーのラインにあわせると、三角布の高さが全く足りず肝心な場所を保護できません~!」


『仕方ありません。止めヒモが胸で宙に浮いた状態で固定して下さい』


「あぁ~。カノン様ぁ~!!」


『どうしました?』


「胸が大きすぎて、三角布の広さが全く足りず、これでは先っぽしか隠せません~!」


『仕方ありません。貴女のモノとは体積が違うのですから仕様です!』


「あぁ~。カノン様ぁ~!!」


『どうしました?』


「胸が重すぎて、首紐が首の後ろや肩に食い込んでますぅ~!」


『仕方ありません。仕様です。アネモネ用にはホルターネックの止めヒモが幅広タイプのブラをこの後で作ります!』


すったもんだの末、なんとかアネモネに前開き半袖コットを着せることが出来た。

患部を保湿し魔宝布で覆い、清潔な下着、清潔な寝巻きを着せ、テント用布と言う大きな魔宝布で包んで防菌と保温を図った。

経口ではあるが、口移しで水分も与えた。

勿論これからも何度も水を与えるつもりだ。人は1日に2Lの水を必要とすると言う。カノンは食塩水を1時間に100mL、20時間に分けて与えるつもりでいる。


「魔宝布で治癒効果が期待できるので、これで良くなるのでしょうか?」

コスモスが尋ねる。


『コスモス、貴女の怪我と違い、おそらく火炎魔宝による火傷です。魔宝布だけでは貴女の焼印が消えなかったように、彼女の火傷も治らない可能性が高いです』


「そうなのですか?」


『はい、クーニエル村への道、何故あそこだけ木も草も生えていなかったか考えた事がありますか?、おそらく何百年も前に強い魔宝で焼き締められていて、未だに植物が育たないのだと思います。その位、火魔宝の傷は生物にダメージを与えるのです』


カールスの町とクーニエル村を結ぶ唯一の道、農夫や行商人が数日に1回通るだけの石畳も敷かれて居ない只の泥道に、草や木が生えない理由が有るのだと言われ、コスモスは考えた。

自分の火魔宝は、人に向けて使うことが無いようにしないといけない、と。


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4月末現在の謎の数字(彼女達の成長はこれからなのです)

カノン  135cm AAA62?銀 赤   13才(3月生・先月13)

コスモス 140cm AA64  赤 青   13才(4月生・今月13)

アネモネ 150cm G68   金 緑+青 14才(5月で15才)

パンジー 135cm AAA60↓茶 茶   11才(6月で12才)

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