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第11話 幼馴染のための硬い決意

(白井美月視点)


 なに、あいつ! 私の大切な幼馴染の陽太君にぶつかっておいてすぐに謝らないなんて。それに態度と謝り方も雑だし。私が指摘しないと直さないし。本当にムカつく!!


 私は幼馴染の陽太君の隣を歩きながら先程の出来事に腹を立てる。思い出すだけでも怒りが湧き上がる。


 隣の陽太君はどこか気まずそうに私の隣を歩く。私の怒りを敏感に察知してるのかもしれない。


 それは申し訳ない。陽太君に気を遣わせてしまってるから。


 でも怒りが抑えられないの。私の大切な陽太君をぶつけて傷つけた、さっきの男が許せない。だからごめんね。


 私は自戒しつつも怒りを抑える気になれない。私が陽太君を大切だと思ってるからこその感情だから。この気持ちは大切にしたいと思ってる。


 それにしても、あのクソ男、陽太君のことを陰キャって呼んでたよね。差別するなんてふざけてる。


 それに陰キャって呼ぶことは少なからず陽太君について知ってるのかも。もしかして顔見知り?


「陽太君。さっきの人って知り合い? 」


 私は思い切って陽太君に尋ねる。


「いや…あの…」


 陽太君は言いにくそうに目を逸らす。


 これは怪しい。明らかに何か潜んでいる。


「陽太君、私には教えてくれないかな? 誰にも言わないから」


 私は陽太君に真剣な視線を送る。話しやすいように言葉を選んで誘導する。


 しばらく視線を逸らしていた陽太君も、私に根負けして目を向ける。その目は弱々しかった。


「…青井佑太。俺の彼女を寝取ってモーインでメッセージを送ってきた奴」


 陽太君は暗い表情で下を見ながら教えてくれる。


 は? あいつが?


 あいつが陽太君の彼女を寝取って傷つけた奴? その上、たまたまさっき陽太君にぶつかっただけ?


 絶対に嘘だ。わざとに決まってる。


 あのクソ野郎~。嘘つきやがって。

 

 私の怒りのゲージがさらに増す。頭が沸騰しそうになる。


「だ、大丈夫? 」


 陽太君が私の変化を敏感に察知して心配してくれる。どうやら顔に出ているみたいだ。


「うん〜。大丈夫だよ。今度、記事の掲載は絶対に成功させるから! 安心してね~」


 私は陽太君の前だから満面の笑みで答える。


 陽太君はビクッと肩を跳ねさせる。


 心の中は表情とは裏腹に赤く燃え盛る。


 あの、クソ男と寝取られた元カノは覚悟してよね。絶対に記事でアンチを増やして、学校での居場所を失くしてやるんだから。地獄を見せてやるんだから!!


 私は改めて記事の掲載に意気込む。全ては陽太君のために。奴らを地獄に落とすために。

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