本編⑥(終) もう一人の古代種
しん、とした静けさ。
残ったのは溶けた触手の残骸と、砕けた鍵型の触手生物だけだった。
メディアとフェイリスは肩で息をつき、二人は「完全究極パーフェクトアルティメットメディア」と「フェイリス:フェアリーフォーム」を解いた。
「メディアちゃん」
フェイリスがメディアの元に来る。
「またこれだ…」
メディアは手のひらの砕けた鍵型の触手生物を見つめている。
「鍵型の触手生物…」
フェイリスが呟きおもむろに鍵型の触手生物に触れる。
するとその場所の記憶が頭を駆け巡る。
フードを被ったローブ姿の人影が床に鍵型の触手生物を挿すと地面や床に赤黒く紋様が走る。
そしてそれを見て楽しそうに微笑む人影、ローブの上からでもわかるほど豊かな胸が際立っており、
その鍵型の触手生物を挿したのは"メディア"だった。
「!!!!」
「どうしたの?フェイリス〜」
「え?いや、な…何でも…」
「ぶぅぅ、怪しい」
フェイリスは今見えた映像はなんなのか思考する。
(あの顔……メディアちゃんだった…でもメディアちゃんにしては少し大人びてるというか…悪意に溢れてるとゆうか…賢そうとゆうか……)
考えこむフェイリス。
「も〜、なんだよ〜!どうしたのよ〜!」
メディアがぷんぷん怒っている。
(やっぱり違うか…)
フェイリスはメディアを見て微笑む。
メディアは頬を膨らましながらリオンに報告する。
昇降機で街に上がりバイルと合流するメディアとフェイリス。
フェイリスはメディアに聞かれない様にバイルにフードの女性をみたか?と話を聞く。
「フードの女性…?気怠そうな美女じゃなくて?」
「……気怠そうな美女が観光に来たのはいつですか?」
「1〜2週間前だな」
(その時、メディアちゃんはどこにいたんだろ?)
フェイリスは思考を巡らせる。
「他には、気怠そうな美女はどんな感じでした?」
「どんなって…長身でスレンダーでメガネをかけた美人って話だぜ」
「スレンダー…グラマラスじゃなくてですか?」
「あぁ、そう聞いたぜ」
フェイリスはまた考えこむ。
(だとしたらその人が犯人の可能性が高い…フードを被ったローブ姿にあの胸なら怪しすぎて目立たないわけないし、話題にならない方がおかしい…)
と「どうした?」とバイルに話しかけられ
慌てて「なんでもないです」と手を振るフェイリス
その後メディアとフェイリスは艶力と魔導力の回復の為、しばらく滞在する事となった。
ーー星間警察科学捜査研究所ーー
暗い部屋に一人の研究員が青ざめていた
超人薬の成分をさらに細かく調べていたのだ
「配列は違うがメディアさんのに近い…いや…まさかな…」
その瞬間、研究員を紫の刃が貫く。
フードを被ったローブ姿の人影でローブの上からでもわかるほど豊かな胸と紫の光の刃を放つ柄を握っていた。
研究員は死に間際に自分を刺した人物の顔を確認する。
それは"メディア"であった。
他人を見下す様な目、普段のメディアからは想像もつかない禍々しいオーラ。
メディアに似た少女は耳に手を添え。
「エリュナ…情報の…改竄を…お願い…」
そう言うと『はいは〜い、ハルりん!了解了解了解』と回答があり、少女はイラッとして
「ハルりん…呼ば…ないで…」
『え〜?じゃあ、ハルっち?ハルハル?あ、ハルぴょんか!』
少女は無言で通信を切った。
すぐに研究員のデータが改竄され、その証拠も残っていない。
少女が部屋から出ていくと目の前には気怠そうな美女「セラ・ロファ」がいた。
「終わった?ハルディス?」
「うん…あと…の…事は…よろしく」
ハルディスと呼ばれた少女は優しく微笑んだ。
「わかったわ」
研究員の遺体はセラが触手生物の養分として処分した。




