本編④ 機械触手生物との戦い
次の日の朝、昇降機で都市部の下層に降り立つメディアとフェイリス。
バイルは危険になるかもしれないから上で待機してもらった。
メディアはバイルがフェイリスの事を君付けからさんに変わっていたのが気になっていたが今はそんな事どうでもいいと奥に歩き出す。
奥は配管が幾重にも絡み合い、まるで生き物の血管の中に迷い込んだようだった。
蒸気が断続的に噴き出し、通路を白く覆い尽くす
油と血のような匂いが混じり合い、吐き気を誘う
メディアとフェイリスのブーツが敷鉄板を踏むたび、音が洞窟のように反響し、やがて別の足音のように聞こえる。
背後を振り返っても、蒸気と影しかない。
ゴウン……ゴウン……と配管の奥から心臓の鼓動のような低い唸りが響く。
霧の奥で、銀色の何かが蠢いた。
次の瞬間、細長い触手が管の隙間から突き出し、床を叩いて引っ込む。
別の場所からは二本、三本……
まるで迷宮全体が意思を持っているかのように。
「触手…なんか銀色なんだけど?!」
「き、機械化してる?」
異様な触手に驚きつつメディアは艶刃を抜き、フェイリスは杖を構える。
紫の光の刃が蒸気を裂き、周囲を淡く紫色に照らす。
その光に反応するかのように、無数の触手が一斉に飛び出してきた。
天井から、壁から、足元の鉄板の隙間から。
銀色の異形のものが腕に絡みつき、彼女を呑み込もうとしている。
艶刃が閃き、蒸気の中で光の軌跡を描く。
切断された触手は切断面の鉄が溶け床に落ちる。
「ズ・ゼエン・ジャ《我、炎を操る者なり》!」
フェイリスが機械触手生物を炎で溶かしていく
しかし、切っても切っても溶かしても数は減らない。
歯車が勝手に回転し、扉が閉まり、進路が塞がれる。
まるで全体が触手に操られているかのようだった。
メディアは小さく息を吐き、笑みを浮かべる。
「……なるほど〜。このフロアごと敵って事かな?じゃあ、道を作るだけだね」
「任せてください!ズ・ゼバイ・ジャ《我、振動を操る者なり》!」
フェイリスは配管や壁を振動させる。
するとその振動で機械触手生物は撤退していく
「メディアちゃん!」
「うん!」
艶力を機械触手生物に紐づけし壁の中を這わせる
機械触手生物の動きが止まったのを確認し、艶力を全身に纏わせメディアはフェイリスを背中に乗せ跳躍した。
高圧の蒸気が視界を奪う中、艶刃が弧を描き、壁や配管や鉄板を断ち切る。
爆発的な蒸気が吹き出し、霧が裂ける。
目の前に広がるのは壁や床のところどころに赤黒い紋様が脈動の様に走っており、中心に赤黒く脈動する巨大な心臓の様な機械触手生物の核だった。
メディアの紫の瞳が光り、臨戦態勢になる
「先手必勝!」
メディアは核に向かって駆けた。
その時、機械触手達が核の前に集まり、まるで融合していく様に大きな塊になり形を形成していく
現れたのは銀色に光るゴリラだった。




