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艶刃のワームブレイカー  作者: 綿鍋コットン
EP.8 リゾート島の戦い
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本編⑨ 触手生物同時多発

「あなた!」

セラを呼び止めたメディア。

「あら、お久しぶりね」

セラは気怠そうに答えた。

「あなたを捕まえます」とメディアは艶刃を構えるがセラは余裕を崩さない。

「あら?どうぞどうぞ」

セラがスイッチのようなものを取り出し、

「このスイッチを押すと触手生物が暴れ出すようにプログラムされているの…」

と楽しそうに微笑みスイッチを押すセラ。

その瞬間、まるで何かが地を這うように街へ向けて動き出した。

メディアはその動きを感じ、街に目を向ける

「さぁ、どうしますか?ワームブレイカーさん」

セラは気怠げな口調のまま、どこか楽しそうに笑った。

メディアはそんなセラを睨みつけながらも街へ向けて走り出した。


リゾート街の中心にある広場。

観光客たちが屋台やショーで盛り上がる最中、地面の下から低い振動音が響き、床石にひびが走る。

「な、なんだ!?地震か!?」

「ち、違うっ!あれを見ろ!!」

突如、石畳を突き破って無数の触手が伸び上がった。

太いもの、細いもの、まるで森のように地面から生え出し、観光客を襲い始める。

「きゃあああっ!!」

「助けてくれぇぇ!」

地面から生えた触手は屋台をひっくり返し、状況を理解できない人々を掴み、逃げた者を追いかける。

悲鳴を聞きつけたメディアが駆けつけ艶刃を展開し、光刃が弧を描き、地面から伸びた触手を次々と切り落としていく。


「おい、中央広場に触手生物ワームが出たらしい!」

「マジかよ?!ここも危ねえかも?!」

人々が混乱し始めていた。

その混乱の只中、セラは群衆に紛れて離脱していた。

「ふっ……触手を抑えるので手一杯のようね。………私を辱めたのは一生覚えておくわ」

街中に撒き散らした恐怖と混乱を背に、彼女は別のルートで島の奥へと姿を消す。


触手が群衆に突き刺さろうとするその瞬間、メディアは体を盾にして立ち塞がる。

無数の触手に激しく叩かれるが、彼女は踏みとどまった。

「わたしは……絶対に!誰も傷つけさせない!!」

叫びと共に触手の懐に飛び込み、彼女の光刃が輝き触手の群れを切り刻んで一掃する。

観光客たちは震えながらも、その姿に目を奪われた。

「……あの子が、守ってくれてる……!」

「すごい……!」

メディアは必死に戦いながらも、ニヒっと笑みを浮かべ、触手生物ワームを倒していき

「だから言ったでしょ!大丈夫だって!」

そう言うとメディアは脚に艶力を集中させ、次の場所へ走り出す。


地面から際限なく伸びる無数の触手が、街灯や屋台を薙ぎ倒し、逃げ遅れた人々を狙う。

「助けてっ!」

「もう駄目だ……!」

観光客の絶望の叫びに応えるように、メディアは飛び込んできた。

彼女はすでに呼吸も荒く、体を纏っている艶力が連戦で不安定な状態になりつつあることも感じている。

だが、艶刃だけは、まだ握りしめていた。

「わたしが……倒れるわけには……いかないんだ……」

メディアは呟きながら体力の限界を押し切り、群れの中へ飛び込む。

触手が鞭のように振り下ろされ、体を何度も叩きつける。

痛みによろめきながらも、メディアは艶刃を振り上げる。

紫の光刃が唸りを上げ、周囲の触手を一閃で斬り払った。

飛び散る断片は波のように砂地に沈み、わずかに市民の逃げ道が開かれた。

「みんな、走って!早く!」

背後にいる市民にそう叫びながら、メディアはさらに前へ。

触手の先端が肩に突き刺さりかけるが、ギリギリで艶刃を交差させ弾き飛ばす。

腕が痺れ、視界が揺れる。

それでも彼女は決して退かなかった。

「わたしが……わたしが……」

メディアは声を絞り出し

「絶対にみんなを守るんだからぁぁ!!!」

ついに触手の群れは力を失い、地面へと沈んでいった。

だがメディアは地面に逃げた触手の塊に向けて指先に集中させた艶力を弾のように撃ち出した。

地面の奥で鳴る爆音。

爆散する触手。

静寂が戻った広場に残されたのは、ボロボロになりながらもなお艶刃を握りしめて立つメディアの姿。

膝をつきそうになりながらも、艶刃を地面に突き刺し支えにして、彼女は笑みを浮かべる。

「みんな……大丈夫?誰も……傷つかなかっ……た?」

観光客たちは言葉もなくその姿を見つめていた。

「次に…行か…ないと…」

メディアは再び走り出すが力尽きて道の上に崩れ落ちた。

そこに生き残っていた触手生物ワームが地中から襲いかかり……

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