本編⑥ 突然の敵
朝食を終えた上機嫌のメディアはスキップでリゾート島の岩場へ向かう。
そこは昨日、極小の触手が確認された区域だった。
観光客が立ち入らないように柵が張られ、関係者以外は近づけない。
柵の中に入るとメディアは真剣な顔つきに切り替わっていた。
「さてさて、今日はどうかな~?」
砂浜の隅に行くと、昨日と同じように極小の触手が揺れていた。
だが、メディアは違和感を覚えた。
「……あれ?」
メディアはしゃがみ込み、触手を覗きながらホルダーから艶刃を取り出した。
触手は観光客を襲う気配もなく、ただ揺れているだけ。
「……なんか変。普通の触手生物なら、捕食の衝動みたいな気配があるんだけど……」
メディアは首を傾げる。
「この子……ただそこにいるだけ、みたい。まるで……誰かに置かれた飾りみたい。今のところ害はない……でも……」
メディアはじっと触手を睨む。
「なんか…違和感っていうか……。自然発生の触手生物じゃないような気がする」
メディアはチョーカー型の通信機でその事をリオンに報告する。
『どうした、メディア。任務に何かあったか?』
メディアは腕を組み、真剣な表情で口を開く。
「うん……触手生物を監視してるんだけどね、普通じゃないというか襲ってくるわけでもないし、ただそこにいるだけ。動きも気配も自然じゃなくて……なんか人工的な感じがする」
リオンは黙って聞いていたが、やがて顎に手を当てた。
『……人工的、か』
リオンは一瞬考え込んでから
『ここに来て他の星やコロニーで触手事件が多発している、だいたいが小規模だが…』
リオンは頭を掻いた
「えっ?大丈夫?」
『あぁ、大丈夫だ!カーラに陣頭指揮をとってもらってチームで対処している』
「え?カーラ?それなら大丈夫だね。」
『そうだ、だから心配するな。それとカーラからの伝言だ「甘い物食べすぎるなよ、今度剣の腕を見にいくから鈍っていたら叩き直すからな」だと』
「ぶぅぅぅ、鈍ってるわけないじゃん!昔より強くなってるよ〜」
頬を膨らませて怒るメディア
『まあ、カーラもメディアのことが心配なんだろう。甘い物も食べすぎてないだろ?』
「うん。ぜーんぜん。たべすぎてないよーまったくー」
明らかな棒読みだった。さらにメディアは、吹けもしない口笛で誤魔化そうとする。
リオンは苦笑しながらも、声を少し柔らかくする。
『まあ、深入りはするな。お前は休暇も兼ねてるんだ。異常が大きくなればすぐ報告しろ』
「……うん、わかった。でも、なんかあったら絶対放っておけないからね!」
『それでいい。ただし一人で抱え込むな。』
リオンの声に、メディアは少し照れながら頷いた。
「……うん。ありがと、リオン」
通信を切り、メディアは触手生物の方をを見るが、そこに触手生物はおらず
「…………!」
メディアは辺りを見回し、海面に近づくと
その瞬間、メディアの脚に触手が絡みつき海に引きずり込まれる




