本編③ 刑事と謎の女性
「すいません失礼ですが、ワームブレイカーのメディアさんですか?」
子供たちと鬼ごっこしているメディア、そこにスーツ姿でハットを被った見た目がウシガエルでスーツの背中からトンボの様な羽が生えていて120センチくらいの高さの混合種族が話しかける
「ほへぇ?」
「申し遅れました、わたくしはジャルジャ・ジュレという者です。お迎えにあがりました」
「え?もうそんな時間?てか待ち合わせ場所ここじゃないよね?」
「はい、ですがリオン様から「スリングショット水着にニーハイブーツを穿いたバカがそっちに行くからできるだけ早く確保しろ」と言われたもので…」
ジャルジャは苦笑いしながら答える
「ぶぅー、リ~オ~ン!」
メディアは頬を膨らませて怒る
混合種族の子供達と別れジャルジャが用意したホバーカーに乗り区画通路を走るメディア。
今回の事件での犠牲者の写真を見せてもらうメディア、そこには10人弱の混合種と一人の人間の写真があった
「こんなに触手生物に襲われてるのに今まで行方不明事件になってたの?!」
「被害者は殆どが混合種の人々ですから、警察上層部の人間は害獣が駆除されたとして気にしておらず、人間種が襲われてやっと動いたのです」
ディクスは昔、遺伝子研究などでの実験動物としてマサータに放たれ、人間の管理下で繁殖し様々文化を作り出した。
人間には奴隷の様に扱われ差別されてきたが惑星の発展に尽くしており、人間にもその直向きさが伝わりいつしか奴隷扱いも差別もしない者が現れ改善されてきた。
しかし現在はいまだにその意識を持っている人間も多く残っている
「そんなの酷い!この人達だって同じ命じゃん!」
「……あなたは混合種を差別しないんですね」
「もちろん、わたしに剣を教えてくれた人も混合種だし、今でも尊敬してるんだ♪」
メディアは笑顔で「凄いんだよ、おっぱいが凄く大きいの!」や「今、戦っても全然勝てないの」と剣の師匠である混合種の良さを語っており、ジャルジャもそれを聞いて人間にもこんな人がいるのかと嬉しそうにメディアの話に耳を傾けている
メディアが案内されたのは街の外れ、区画通路を抜けた先に、野道と白く無機質な建物がそびえていた場所に降ろされた。
「ここは?」
「ここが被害者が襲われた現場です」
ジャルジャが俯きながら答える
「事件はこの混合種の街と人間種の街の間の野道で起きました」
「…だれかしら?こんなところに?」
後ろから声が聞こえた。そこに現れたのは――白衣をまとい、黒髪でアンダーリムメガネをかけたスレンダーな科学者風の女性
背は高く、静かな威圧感と、どこか気だるい雰囲気の美女がいた。
「え?わたし?わたしはメディア。よろしくね」
美女はメディアの格好を見て"そういうの"の撮影か?と思い目を合わさずに
「はじめまして、私は近くの施設で研究員をしている者なのですが、ここはあまり"そういう撮影"は好ましくないかと…」
美女はメディアの後ろにいるジャルジャを見つけると驚き、メディアを見つめまるで汚い物を見るかの様な目線を送ったがすぐに視線を逸らし、白い建物に向かって歩き出してしまう
「そういうさつえいって?」
メディアの頭には大きなハテナが浮かんで首を傾げた
苦笑いのジャルジャ
離れたところで二人の様子を伺って蠢く生物がいた
街の外れの区画通路を抜けた先、野道と白く無機質な建物がそびえていた場所に立っているメディアとジャルジャ
「彼女は「セラ・ロファ」あそこの研究所の職員です。彼女に関しては誘拐され、七年前触手巫女にさせられていた人物でカウンセリングなどを受けて最近この職場に来たようです」
「触手巫女?」
メディアがキョトンとする
ー触手巫女ー
触手を崇める教団で、神である触手の子を産む巫女。その大半が拉致されて無理矢理交配され産まされている
「とにかく戻りますか」
ジャルジャのホバーカーに乗せられるメディア
しかしメディアがふと近くの森林を見る、
「どうかしましたか?」
「いや…まさかね…」
メディアはその場でリング状の鋸を作り視線を感じたところに投げると同時に走り出した
「な、何をしてるんですか?!!」
驚くジャルジャ、しかしメディアは気にせずニーハイブーツから艶刃を取り出して光の刃を生成する
森林の中に入ると何もいないが、地面には人間のものではない体液がかかり、引きづられたように伸びている
メディアはその体液を追っていくと森林の奥に洞穴があった




