番外編① 艶力とは?
それはアイリスの一言から始まった
「艶力って結局どういう力ぴょん?」
ラグシュオンのブリーフィングルーム。そこには学校のような机と椅子が並んでいた。
前には、いつものスリングショット風の衣装にニーハイブーツ、アンダーリム眼鏡を掛けたメディアが立っている。
「今日は特別に艶力について教えてあげようと思います」
と腰に手を当てて胸を張ってるメディア
「あ、あの…メルディア?」
「レオリスくん、質問は挙手で」
「え、あ、うん……」
恐る恐る挙手するレオリス
「はい、レオリスくん」
「そもそも艶力って何ですか?」
「ん?艶力は艶力だよ?」
レオリスの疑問にキョトンとするメディア
「それはわかっている、レオリスは根本を聞いているんだ」
「こんぽん?」
首を傾げるメディアにリオンは埒が明かなくなり
「ラグ!」
《了解しました、リオン様》
部屋一面に文献や資料などが投影される
[艶力とは、艶めき、色気などの肉体的魅力を根源とする生命エネルギー]
[実体化させ物理干渉、肉体強化、精神耐性、温度耐性、衝撃耐性、汚染耐性、空間耐性など多岐にわたり、攻撃、防御、自己治癒、環境適応など幅広い機能を発揮する万能的なエネルギー]
[艶力は二つの体内核 (一般的に胸の谷間と尾てい骨あたり) から生成され、血液や神経経絡を通じて全身に循環し、体組織を活性化させ、肉体を急成長させる]
[一度急成長するとそこで成長が固定され肉体が老いる事は無い、しかしごく稀に二度目の成長を迎える時がある]
[使いすぎると肉体を維持できず、年相応の姿へ戻る。ただし、長期間同じ姿を維持すると肉体が固定され、艶力を失っても姿は変わらなくなる]
[艶力は無限ではなく、加齢とともに体内核は衰え、最終的には艶力を生成できなくなる]
[一般的なカトレア人の古代種の寿命は150~180で長命種族である]
[鍛錬によって艶力量を増やすこともできるが、通常は生来の最大量の約一・二五倍が限界となる]
[メルディアの艶力量はカトレア人の古代種の中で類を見ないほどの多さ]
などの情報が文字となり空中に浮かんで並ぶ
「何だか…凄いね…」
レオリスが呆気にとられている
「そ~でしょう~、ここテストに出るからね~」
メディアは得意げな顔で答えた。レオリスは苦笑し、リオンとアイリスは揃って少し苛立った顔をする。
「お前は何も説明してないだろ…」
「しようとしたけどラグに全部されちゃったの!」
リオンの言葉に頬を膨らませるメディア
「この力をもう少し攻撃などに転用出来ないぴょん?例えばあなたが好きなアニメの様な炎や雷を纏うとかどうぴょん?」
アイリスが聞くと、メディアはわざとらしくため息をついて首を振り
「わかってないな~、それだと「着火エネルギーにする艶力」と「炎から体を守る艶力」の二つを纏わなきゃならないから艶力の消費が多くなっちゃうんだよね~」
目を瞑りこめかみに人差し指を当てて困った仕草をするメディアにイラッとするアイリス。
「それをするなら艶力を物理エネルギーに変換した方が良いんだよね」
「羽とか爪とかにも意味があるぴょん?」
アイリスが聞くと
「あれはカッコいいし強そうだから」
と即答するメディア。
「効率よりロマンが一番!」
「いや、もっと効率よく使え!」
思わずツッコむリオン。
「大丈夫、わたしはこれでも頭使ってるから!」
胸を張りスリングショットの紐を引っ張りパチンと鳴らしているメディアに、
「情報は入っているぞ、結構無茶な戦い方してるって」
釘を刺すリオンとギクッとなるメディア。
「それで大丈夫な時もあったが子供に戻った時あるらしいな?」
「それは…数回に一回だし……」
メディアの語尾が弱くなっていく
「十分だろ。使うなとは言わん、考えて使え。艶力はお前にしかない力なんだから一回の戦闘で使い切ろうとするんじゃなく…」
その後リオンの説教はしばらく続いた
「わかったか?返事!」
「……は~い」
「聞こえん!」
「はいっ!」




