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のじゃロリ魔王姫さまはNPCじゃありません!~ネタキャラ? いえ、レアキャラです!~  作者: 十一屋 翠
第5章 海戦怪戦編

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第68話 深き異形の神

「大変だギョポォォォォォォォォォッ!!」


 海底ピラミッドのボスを倒した事を報告しに町に戻って来た俺達だったが、当のディープマーワン達は大パニックに陥っていた。


「おいおい、落ち着けよ。一体どうしたんだよ」


 事情を聞こうとモヒカンがディープマーワンの一人を捕まえる。


「落ち着いてなんていられないギョポ!! 僕達の神様がいらっしゃったんだギョポ!!」


「「「「神様がいらっしゃった!?」」」」

 

 ディープマーワンの言葉に思わず声を上げてしまう俺達。


「それってやっぱりふんぐるいふんぐるいって事?」


「星辰が揃ったのか?」


「それとも誰かが召喚の儀式でもしたのか?」


 想像力豊かなプレイヤー達がああでもないこうでもないと言い始める。


「つーか神様なんてそんな簡単に出て来るものなのか?」


「何かのイベントだろうな。相手が相手だけに最悪の場合戦闘も覚悟しないといけないぞ」


「おいおい、ボス戦の後にまたボス戦かよ」


「となると狂気対策か。精神デバフを軽減するアイテムってあったっけ?」


「SAN値チェック対策って知力を上げれば良いのか?」


「精神ダメージが来るかもしれんからMPあげとけ!」


 ヒメキ達はアレとの戦いを予想してどんな対策をしておくべきかと急ぎ準備を始める。

 ゲームバランス的に流石にガチでボスと戦うことにはならないと思うが、ILLだからなぁ。

マジでボスラッシュをお出ししてくる可能性も否定できない。

せめて顔見せの負けイベント程度だと良いなぁ。


『―そこに居たか―』


 頭の中に、声が響き渡った。


「「「「っ!?」」」」」


 この声にその場にいた全員が動きを止める。

 プレイヤーだけじゃない、ディープマーワン達もだ。

 誰もが全身を硬直させて、まるで時間が止まったように動かない。


「どうしたのじゃお主等!?」


 いや、僅かに体が震えたり視線は多少動いているから完全に停止した訳じゃなさそうだ。

 というかこの状況で動けるのは俺だけなのか? 何で?


 深海の暗闇に巨大な目玉がギョロリと現れる。


「「「「っ!?」」」」


 その大きさたるや、真下にある巨大な海底ピラミッドがミニチュアに見えるほどだ。

それほどまでに、目玉は大きかった。


『―我が娘よ、よくやった―』


 え? 娘? 誰の事……?


『―魔物を荒ぶらせる忌まわしき遺物を破壊し、我が子等を保護してくれたこと、嬉しく思うぞ』


「遺物……保護……って、ああっ!!」


 そこまでいわれて漸く俺は目玉の正体に気付いた。


「お主、ディープシーツナか!!」


 目玉の正体は、俺に世界中の海に散らばった遺物の破壊を依頼してきたディープシーツナだった。

 見れば薄暗くて分かりにくいもの、目玉の周囲には巨大な魚の輪郭が見える。

 深海だから目玉の大きさに気を取られて気付くのが遅れてしまったようだ。


「ていうか、ディープマーワン達の神ってディープシーツナじゃったのか!?」


 まさかのタコでなくマグロ信仰でした。

 いや確かにディープ繋がりだけどさ、そんな伏線分かる訳ないじゃん!


『―お前のお陰で海にバラ撒かれた遺物は全て排除出来た。同時に元凶である者達が何処にいるのかも判明した―』


「何と! 一体どうやって調べたのじゃ!?」


『―お前の活躍で海を乱すモノが無くなった事で慌てた者達が新たな遺物を海に撒き始めた。だが既に海は我が子等が監視をしている。その船が何処に戻るか、同じように遺物を乗せた船がどこから出てきたのかを確認した―』


 その言葉に大小さまざまなマグロ達が俺の周囲に集まり泳ぎ始める。

 成程、マグロ達に各地の船を監視させていたのか。確かに船に比べれば魚の方が圧倒的に数が多いから偵察もし放題だもんな。 


『―我が娘よ、新たな頼みがある。陸に上がり海を荒らす者達に報いを与えるのだ―』


 どうやらシナリオが対処療法から原因の根治に進んだみたいだ。


「ちゃんと報酬を用意してくれるのなら引き受けるのじゃ」


『―無論、働きには応じよう。まずは海を平定した事の礼を受け取れ―』


『沈没船×50を手に入れた』


「おおー……って沈没船!?」


 突如、海の中に無数のボロボロの船が姿を現す。

 それはまるで海の中を走る幽霊船のようでもあった。


「いや、こんなものを貰っても……」


『―嵐や争いで沈んだ船だ。中には地上の者にとって有用な品も入っていよう―』


 なるほど、沈没船の財宝が報酬ってことか。

確かに有益な交易品とかいろいろ入っていそうだ。

 それにファンタジー世界だから珍しい素材や武器も手に入るかもしれない。


「ありがたく戴くのじゃ」


『―元凶たるものを討ち果たした暁には最大の栄誉をお前に授けよう。では期待しているぞ―』


 そこまで話すとディープシーツナは深海の闇の中に消えていった。


「「「「ぶはぁっ!!」」」」


 同時に、プレイヤー達とディープマーワン達達が大きな息を吐いて(水中だから海水か?)へたり込む。


「びっくりしたぁー、急に体が動かなくなるんだもん」


 どうやら皆はスタン状態だったみたいだ。

 が、すぐに立ち上がったディープマーワン達が俺の所に殺到してきた。


「「「「アンタ神様と一体どういう関係なんだギョポ!?」」」」


 まぁ気になりますよね。


「姫様は僕達ディープシーツナのお姫様だマグロー」


 そんな質問を俺の代わりに答えたのは近くに寄って来たマグロ達だった。


「神の使い様!!」


 途端にディープマーワン達達がひれ伏す。


「お、お姫様とは一体ギョポ……?」


「言葉通りだマグロー。姫様は僕達の親であり長である大マグロ様の娘なんだまぐろー」


「「「「神様の娘ギョポ!?」」」」


 ディープマーワン達が飛び上がらんばかりに驚く。

 いやそんな驚かんでも……いや驚くか。


「娘と言っても血のつながりがある訳ではない。わらわは先ほどのディープシーツナの魔王核の欠片を取り込んだのじゃ。それによってディープシーツナから娘と認められたんじゃよ」


「「「「ははーーーっ!!」」」」


 実の親子ではないと説明したのだが、彼等は俺をまるでディープシーツナ本人、いや本魚のようにあがめてひれ伏し始めたのだ。


「我等が神の娘と認めたのなら貴方様は我々にとっても神ギョポ。我等ディープマーワン族は貴方様に忠誠を誓いますギョポ」


『ディープマーワンが支配下に入りました。同系統の2種族を従えた事で『銀鱗の統治者』スキルを習得可能になりました』


 何かスキルの習得条件を満たしたらしい。

 一体どんなスキルなんだ?


『銀鱗の統治者:必要経験値20000:魔力消費無し:鱗族、鱗を持った魔物が味方にいる場合全ステータスが20%UP、好感度が上昇、交渉に有利となる。ランクの低い鱗を持った魔物は特別な状態を除き非戦闘的になる。交渉によって一時的にテイム状態に出来る』


 なんかえらいパッシブスキル来たな。

 特に期間限定でテイム状態に出来るのも……いやこっちは歌で洗脳できるから特にメリット無いか。

 というかあの洗脳ソングが異常なんだわ。


「姫様」


 と、ディープマーワンの長が話しかけてくる。


「姫様が我等が神より賜った使命、我々にもお手伝いさせてほしいギョポ」


「良いのか? 元はと言えば地上の者が起こした事件。お主等には関係あるまい」


「我等は神にお仕えする者ギョポ。ならば姫様のお手伝いは我等にとって最高の栄誉だギョポ。我等は地上でも活動できるから役に立つと思うギョポ。世界中の同胞達が姫様の為に戦うギョポ!」


「う、うむ。よろしく頼むのじゃ」


「「「「ギョポーーーーーーッ!」」」」


 ええと、それってつまりああ、窓に! 窓に! 案件になるのでは?

 うっかり人に見られて事件扱いされないと良いなぁ。

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