第55話 古妖精の力
「その強さ、見せて貰うのじゃ!!」
完全鎖国派を追いつめた俺達は遂にそのボスと戦う事になった。
「妖精達は姫を守りつつ首魁に集中攻撃だ!」
「「「「はっ!!」」」」
ヒメキの指示を受けて魅了した妖精達がボスへと集中攻撃を放つ。
「この裏切者共めが!! 『ネガヴェノム』!!」
妖精達の攻撃を一身に受けながらボスがスキルを発動させると、地面から紫色の泡立つ 液体があふれ出し、瞬く間に周囲に広がる。
「いかん!」
危険を感じた俺は魔姫中翼を展開すると横にいたレフリスの首根っこを掴んで飛び上がる。
「「「「ぐああぁぁぁっ!!」」」」
直後そこかしこから悲鳴が上がる。
「これは、毒か!?」
「やべぇ! スゲェ勢いでHPゲージが減っていく! お嬢、歌姫の祝福で回復バフを頼む!!」
「え!? でも今飛んでおるから無理じゃぞ!?」
歌姫の祝福は歩くくらいなら問題ないが、戦ったり走ったりといった激しい動きをすると効果が切れてしまう。
当然羽をバタバタさせている今は無理だ。
「マルスくんちゃん、私から手を放して安全な場所に着地して!」
「レフリス!?」
レフリスが俺の手を払って床に着地するとすぐに毒のデバフが発動する。
「っ!? これ普通の毒じゃない! 猛毒ってデバフ! 普通の毒消しが効かなくてダメージも普通の毒より高いよ!!」
俺は翼を羽ばたかせて安全な場所に着地すると歌姫の加護を発動させて皆にバフを配る。
「駄目だ、姫の回復バフでも完全には相殺できん!!」
回復量よりもデバフダメージの方が上って事か。
「レフリス、解毒ポーションを!」
「猛毒用だと数が足りないよ!」
「ダメージが多くなる前衛組に回せ!」
「分かった!」
レフリスが解毒ポーションをヒメキと前衛組の妖精に使うと、猛毒状態が回復する。
が、すぐにまた猛毒状態になってしまった。
「駄目! ボスの足元から毒が湧き続けてるからアレを絶たないとすぐにまた猛毒にかかっちゃうみたい!」
くっそギミックボスか! 厄介だな!
「とにかく攻撃だ! ダメージを与えれば解除されるかもしれねぇ!」
全員で一斉にボスに集中攻撃が放たれる。
「『ムーヴィングボディ』!」
が、ボスの体がブレたと思うと攻撃がすり抜けてしまう。
「攻撃が効かねぇ!?」
「回避スキルか! 回避できないように範囲攻撃に切り替えろ!」
攻撃が効かないと見るやすぐさま全体攻撃にシフトするモヒカン達。
するとボスのHPゲージが削れるが、全体攻撃の所為でダメージが少ない。
「MP消費が高いわりにコスパわりぃぞ!」
「MP回復ポーションだよ!」
全体攻撃となるとこっちも相性が悪いな。俺のスキル構成って全体攻撃が少ないんだよな。非ダメージの全体攻撃ならあるんだけど。
「グゥッ!!」
それでも地道にボスのゲージを削ってゆくと、ボスがうめき声をあげて足元の猛毒演出が解除される。
「駄目だ! デバフはそのままだ! 解毒ポーションを頼む!」
「はいっ!」
猛毒状態から回復した全員が一斉攻撃を放ち、俺は皆のダメージを回復させる為に歌い続ける。
っていうかこの状況だと俺も戦闘に参加できねぇ!
全体回復を辞める訳にもいかねぇしストレス溜まるんだがーっ!
「ぐあぁぁぁぁっ! 虫けら共が小癪な真似を!」
「お前の方がどう見ても虫だろジジイ! それも毒虫!」
背中から昆虫の羽が生えてるしなぁ。
ただそれを言うと他の妖精にも飛び火すんのよ。
戦いが再開するが、やはりボスは回避スキルを使ってくるためダメージの通りが悪い。
「かぁっ!!」
「ぐわぁっ!!」
しかもこのボス、素の攻撃ダメージもデカいからかなりキツい。
古妖精に近いとか言っていたし、最低でも2段階はクラスチェンジしてるっぽいな。
「くっそ、デバフも通常攻撃も痛くて回避スキルまで持ってるとか何でもありかよ! 回復スキルを持ってないのがせめてもの救いか」
おい馬鹿止めろモヒカン。そんな事言ったら……
「ぬぅん!!『ドレインヴィジョン』!!」
「ぐぁぁぁっ!?」
ボスの反撃を喰らったヒメキのHPゲージがゴリッと削れと、ボスのHPが回復する。
ほら見ろーっ! フラグが建っちまったじゃねぇか!
「ドレイン攻撃!? 回復手段まで持ってるの!?」
「迂闊に近づくな! 折角削ったHPが回復されるぞ!」
指示を受け慌てて距離を取る妖精達。
「『ネガヴェノム』!!」
再び放たれた猛毒デフで継続ダメージが再開する。
不味いな、及び腰になると敵に与えるダメージよりもこっちのダメージの方が大きくなるばかりだ。
歌の回復バフで追いつかなくなったら誰かが回復に回らないと行けなくなるし、俺のパーティは回復役が居ないから妖精頼りでそいつ等がやられたら回復手段も無くなってあとはすり潰されるだけ。
不味いなこの状況。
そもそも無数の妖精を魅了したにも関わらずこんな狭い部屋じゃ折角の数の有利を活かせない事が問題だ。
明らかにレイドボスクラスの強さだろあのボス。
なんとか外に引きずり出したいが、下手に誘導しようとしても敵には丸わかりだろう。
最悪こっちの攻撃の手が緩んだのをいいことに転移遺物で逃げ出しかねない。
「はははははっ! 古妖精の力を操れる儂に勝てる訳が無かろう!! そこの魔族だけでなく、貴様等裏切者も皆殺しにしてくれる!」
なんとか状況を変えられないものか……
「この! エアカノン!!」
業を煮やした妖精が範囲スキルではない強力な攻撃スキルを放つも、回避スキルによって回避されてしまい、代わりに背後の壁を破壊する。……壁?
「全体攻撃以外通じないと言われただろ!」
「す、すまん、つい我慢できなくて」
「……いや、それじゃ!!」
妖精の失敗に策を思いついた俺は歌を中断して妖精達に指示を出す。
「皆の者! 建物の壁や柱を破壊するのじゃ!!」
「ええ!? そんなことしたら建物が崩壊して我々は生き埋めになってしまいますよ!?」
「構わん! やるのじゃ!! 外の者達にもこう伝えるのじゃ!! 建物を破壊したら……」
「「「「は、はい!」」」」
俺は伝令役の妖精に部屋の外にいる妖精達への指示を伝えるとすぐに送りだす。
「マルスくんちゃん、何を!?」
魅了されている妖精達は困惑しつつも俺の命令に従い建物を破壊してゆく。
「何のつもりだ!? 自棄になったのか!?」
ボスも突然壁や柱を破壊し始めた俺達の奇行に困惑を隠せないでいる。
「ヒメキ、モヒカン、レフリス、ボスを転移遺物で逃すな! 崩落に巻き込め!!」
「俺達はどうなるんだよ!?」
「何とかするから信じよ!!」
「ああもう仕方ねぇ! わかったよ!」
「姫がそうおっしゃるなら!」
「信じるよマルスくんちゃん!」
モヒカン達は俺の言葉を信じてボスに猛攻撃を仕掛ける。
後は……
「崩れるぞ!!」
柱の破壊がきっかけとなり天井が崩落する。
「皆こちらにこい! 自分達の周囲に防御壁魔法を使うのじゃ! 使えぬ者は範囲防御魔法じゃ!!」
「ですが壁魔法は上からの攻撃には……!?」
「構わん!! やれ! みなしゃがむのじゃ!」
レフリス達が戻ると同時に、無数の瓦礫が降り注いできた。
◆
「……なんとか生き残ったのじゃ」
瓦礫を押しのけて外に出ると、上に天上はなく青空が広がっていた。
見回せば同じように瓦礫を押しのけて妖精達が脱出している。
「一体どうなったんだよこの状況……」
同じく近くからモヒカン達が這い出てくる。
「防御壁魔法を使ったのじゃ」
「あれは縦の壁を作る魔法であって上から落ちてくる瓦礫は防げないのでは?」
「だからこそ皆に壁を作らせたのじゃよ。上の階から落ちてくる天井はそこそこ大きな塊じゃろ。無数の小さな壁があれば瓦礫を受け止めてくれると踏んだのじゃ。すり抜ける小さな塊は投石と考えれば防御魔法で何とか出来る」
「滅茶苦茶だよぉ」
まぁ実際無茶苦茶だ。ただ以前の洞窟内での崩落と違ってここは落下物が有限な建物だから、あの時程崩落の危険性はないと判断したんだ。
幸いこの世界には魔法がある設定だし、瓦礫の衝突を防御魔法で防げるかもしれないって思ったからやってみたら大成功だった訳だ。
それを説明すると、レフリス達は呆れたように顔になる。
「それはそうかもだけど……」
「そいつを実行するのはとんでもねぇクソ度胸だぜ」
「だが姫のお考え通りこちらの被害は最小限のようだ。大して完全鎖国派の首魁は瓦礫から守ってくれる者もおらず……」
ガタガタッ!!
「「「「っ!!」」」」」
バァンという大きな破裂音と共に近くの瓦礫は吹き飛ぶと、そこには全身に傷を負ったボスの姿があった。
「やってくれたな貴様等!!」
「おいおい、アレで生きてるのかよ」
「問題ない、予想通りじゃ!」
「ええ!? 崩落に巻き込んで倒す為じゃなかったの!?」
ヒメキ達の問いに俺は後ろを見る。
そこには瓦礫から這い出してきた無数の妖精達の姿。
「この状況なら全員で攻撃が出来るじゃろ?」
「あっ!」
「さぁ、レイドバトルの始まりじゃ!!」
こうして、完全鎖国派のボスとの第二ラウンドが始まるのだった。
◆
建物から這い出してきた妖精達も参加しての第二ラウンドが始まる。
「成る程な、前半戦はボスを見つける為の探索パート、後半戦は全員集合のレイドって訳か」
「あっ、そういうシナリオだったんだね」
なんかいい感じに勘違いしてくれているのでアドリブでやった事は黙っておこう。
どのみちあのままの状況じゃジリ貧だったから結果オーライって事で。
「とはいえ、レイドバトルに持ち込むのは運営の狙い通りじゃろうがな」
多分このボスはレイドボスだ。
本来ならもっと広い参加者全員が戦えるような場所で行われるバトルだったに違いない。
「皆の者! ボスに攻撃じゃ! 毒のデバフをまき散らす故、飛べるものは飛んで攻撃じゃ! 飛べない者は背の高い瓦礫に避難せよ!」
「「「「はいっ!!」」」」
俺の指示を受け、妖精達は天高く飛び上がり空中からボスに攻撃を行う。
なら何でさっき一緒に戦っていた妖精達は飛ばなかったのかと思ったが、よく見ると彼等の高度が少しずつ下がっていくのが見える。
多分俺が使っていた魔姫小翼と同じように飛び続ける事が出来ないタイプの飛行スキル何だろう。
「さっきの戦いは天井であまり高く飛べんかったからもあるじゃろうな」
ともあれこれで毒デバフの心配はだいぶ減ったな。
「『ネガヴェノム』!!」
ボスが毒デバフを巻きちらすと、モヒカン達が背の高い瓦礫に飛び乗って回避する。
「成る程、毒デバフには効果範囲があるんじゃな」
広い空間に出て来るとボスの攻撃の詳細が良く分かるな。
「全体攻撃以外は通じねぇから注意しろ!!」
モヒカンの指示を受けて妖精達が全体攻撃を放つ。
よーし、この状況なら回復バフを撒く必要もないし俺も攻撃に参加するぜー!
「ぐぉぉぉぉぉっ!!」
少ないダメージでも何百人といる妖精達の一斉攻撃ともなれば相当なダメージになる。
ボスのHPゲージがゴリゴリと削れてゆく。
「やはり戦いは数じゃな兄上」
が、敵はボス。そうそう簡単には倒されてくれない。
「調子に乗るでないわ小童共がぁーっ!!『カタストロフマッドバーン!!』」
ボスがスキルを発動させると、猛毒の地面が破裂して周囲一帯に無差別攻撃が行われる」
「うわぁっ!!」
「ぐわぁっ!!」
破裂した猛毒は空を飛ぶ妖精達もお構いなしに全員に大ダメージと猛毒状態が付与される。
「いかん! 解毒急げ!」
「全員分の解毒ポーションなんてないよー!」
「私達が猛毒を解毒できます! ですがMP消費が多いので何度も使う事は出来ません!」
「ってーことは」
全員の視線が俺に集まる。
「……『歌姫の祝福』
はい、また歌う事になりました。
「やっぱお嬢の回復バフは最高だな!」
「HPMP回復にステータスの微増が同時に行われるのは本当にありがたい事だ」
「さっすがマルスくんちゃん!」
「マルシェラ姫様のお陰でMPの心配がなくなりました!」
「解毒と回復は我々に任せてください!」
だから俺は戦いたいんだよー!
くっそー誰だこんな使い勝手の良すぎるスキルを習得したのは! 俺だよ!
ボスの攻撃はかなり痛かったが、レイドバトルになった事で回復スキル持ちが多数参加できるようになって楽にもなっていた。
俺の攻撃スキルが使えない分ダメージソースが減ってしまうが、どのみちロイヤルスラッシュは単体攻撃なのであまりいなくなったデメリットはないかもだが。
それも魅了した妖精達の数の暴力で補うどころか圧倒しているので差し引きで考えればプラスだろう。
このままボスがなすすべもなく倒されてくれればだが。
「もうすぐHPが半分を切る! ボスの攻撃パターンの変化に注意しろ!」
もはやゲームのお約束となったボスの攻撃パターンの変化。
大抵のゲームじゃダメージが増えたり攻撃が嫌らしくなって避け辛くなったりと厄介なことになる。
このボスはどんな変化を見せてくるのか……
「もう許さんぞゴミ共が!! 最も古妖精に近づいた我が真なる力を見せてくれるわ! 『妖燐解放』!!」
ボスの周囲にキラキラと輝く鱗粉のようなものが舞い上がると、それがボスを包み込むように人型の輪郭を形作ってゆく。
「ボスがデカくなっていく!?」
「まさに第二形態だな」
戦場に巨大な鱗粉で構成された巨人の輪郭が降臨する。
「オォォォォォォォッ!!」
巨人が腕を振り上げるとその大きさが更に数倍に跳ね上がる。
「「「「なっ!?」」」」
突然巨大化した腕の一撃に反応が遅れ、僅かに回避が遅れてしまう。
「「「「うわぁぁぁぁっ!!」」」」
敵の攻撃にはノックバック効果もあったのか、俺達は大きく吹き飛ばされてしまう。
「くっ、腕が……」
立ち上がろうとするも腕に力が入らず武器を落としてしまう。
「アームスタンか! 手を使えなくなるデバフだ! 回復魔法で解除するんだ!」
アームスタン、武器や盾の装備を解除して一定時間装備できなくする厄介なデバフだ。何よりヤバいのはアイテムも使えなくなること。
その所為でパーティ全員がデバフにかかると回復するには時間経過は回復魔法に頼るしかなくなるので最悪全滅の危機もあるやっかいなデバフだ。
「スタンヒール!」
回復能力を持つ妖精達がスタン状態を回復してくれた事で武器を装備し直す俺達。
ただ中には武器を吹き飛ばされてしまって探し回る妖精の姿もあった。
まーた変な所でリアルさを発揮しやがって。
「ムゥン!」
だがその前に巨人の攻撃が再開される。
巨人は巨大な腕をグルグルと回しながらゆっくりと弧を描きながら動く。
この戦場を真上から見ると巨大なグルグルと廻る円が戦場をランダムに動き回る感じに見えるだろう。
「毒にスタンとデバフのオンパレードかよ! お嬢、MPが足りなくなるバフをかけ直してくれ!」
「クールタイム中じゃ! それよりもやりたい事がある!」
高台からボスの位置を見極め、スキルを発動させる。
「ディープシーティア!!」
俺を中心に膨大な水が湧きあがると、巨大な波が波紋のように全周囲に広がる。
「うぉぉぉっ!?」
「何だ!?」
だが波は味方には一切害を与えず、それどころかHPを回復してゆく。
「ぐぉぉぉっ!?」
だが巨人はその恩恵にあずかる事は出来ず大きく吹き飛ばされる。
ディープシーティア、敵を強力にノックバックし、味方のHPを回復するロイヤルスキルだ。
「うまくいったようじゃな」
狙い通り、巨人の姿は消え、ボスの小さな体だけが戦場に残される。
「巨人が消えた!? 今のスキルの効果か!?」
「あの巨人はボスが出した鱗粉で出来たものじゃ。という事は鱗粉を吹き飛ばせばあの巨体は維持できぬ」
このゲームの変にリアル思考なところはボスに対しても有効のようで助かったぜ。
「シンプルな巨大化じゃなくて変に凝った演出になっててよかったってことかー」
「運営の無駄なこだわりが生んだバグ技だな」
おいやめろ、そう言うこと言うと運営がアップデートで対策するだろ。
「ぐぅ、儂の鱗粉が! 許さんぞ小娘!!」
ボスが再び鱗粉を撒こうとするも、ずぶぬれになってしまった事で鱗粉が羽ばたかない。
「今だ! 攻撃再会!!」
再び皆がボスに全体攻撃を再開する。
こうなると俺は有効な全体攻撃が無いから……あれ?
「ボスの回避エフェクトが出ておらんな」
これはもしかして……俺は思いついた疑問を確認する為飛び上がってボスに突っ込んでゆく。
「マルスくんちゃん!?」
「ロイヤルスラッシュ!!」
本来なら回避スキルで当たらない単体攻撃スキル。
「ぐわぁぁぁぁっ!!」
その筈が何故かボスにダメージが発生する。
「ええ!? なんで!?」
「やっぱりじゃ! ボスの回避スキルは鱗粉由来じゃ! ずぶ濡れになると回避スキルが発動しなくなるのじゃ!」
「マジかよ!」
「それは僥倖! 皆チャンスだ! 威力の高い単体攻撃スキルに切り替えろ!」
「「「「おおーーーっ!!」」」」
一斉に妖精達が強力な単体攻撃スキルをボスに叩き込むと、凄い勢いでボスのHPゲージが削れてゆく。
「ぐわぁぁぁぁぁぁっ!! おのれぇ!! おのれぇ!! ウインドバーン!!」
だが暫くするとボスが自分を中心に強力な風魔法を発生させる。
するとその体がブレで回避スキルが復活する。
「風魔法で体の水を吹き飛ばしたのか! だが攻略法は見つかった! お前達水魔法でボスの体を塗らせ!」
「ウォーターウェーブ!」
「アクアレイン!」
「ハイドロスタンプ!!」
だがボスの体のブレは消えず、再び鱗粉の巨人が降臨する。
「『ネガヴェノム』!! 『カタストロフマッドバーン』!!」
更に猛毒フィールドも発生させそれを破裂させながら腕を振り回して近づいてくるボス。
「効いてねぇ!? 普通の水魔法じゃダメなのか!?」
「もっと強力な水魔法でないと駄目なのだろう! つまり!」
全員の視線が俺に集まる。
「結局こうなるのかーっ!! ディープシーティア!!」
使うスキルが替わっただけでやってる事は大差ねぇーっ!!
「おお! 姫の波で猛毒フィールドも消えたぞ!」
「さすがお嬢! こうなったらもうただのHPがデカいだけの虫爺ぃだぜ!」
ここに至り、完全鎖国派ボスの攻略法が定まる。
「ボスの抑えは姫に任せ総員一斉攻撃!!」
「「「「おおぉぉぉぉぉぉっ!!」」」」
「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
こうして、完全鎖国派のボスは序盤こそ猛威を振るったものの、真の力を発揮した後半にあっさりハメ倒されたのだった。
「っていうかわらわも普通にバトルしたかったのじゃー!」
これじゃもう俺がギミックボスじゃん!
無限回復と無限バフ解除とかクソボスでは!?




