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のじゃロリ魔王姫さまはNPCじゃありません!~ネタキャラ? いえ、レアキャラです!~  作者: 十一屋 翠
第4章 幻妖大陸大戦編

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第53話 妖精関係とサブクエスト

「「「「マルシェラ姫様~!!」」」」


 妖精の完全鎖国派の拠点を襲撃すること大小10カ所。

『魔姫咆哮』のスキル効果で心酔した妖精達の数は相当なものになっていた。


「もう3桁越えてんだろ。こりゃ本格的にお嬢がこの国を支配する日も近いぜ」


「そんなつもりはないんじゃがなぁ」


 これだけ敵の拠点を支配すれば警戒されそうなものなんだが、そこは各拠点が情報漏洩対策にお互いの拠点の情報を秘匿していた事が幸いした。

 おかげで他の拠点を攻める際に魅了対策をしてくる拠点は無かった。

 だがそれにはもう一つ理由があって……


「情報漏洩対策は建前で、実は拠点ごとに派閥争いがあるからライバルに弱みを見せたくなくて救援を呼べなかったなんてねー」


 そう、運よくボスを魅了できた拠点から得た情報で俺達は各拠点同士の人間関係ならぬ妖精関係を知ることができたのである。


「ライバル拠点のリーダーと戦う可能性を想定して上に報告の必要がある強力な遺物の情報を秘匿している者もいたな」


 どうやら完全鎖国派内部にもさらに細かい派閥があったみたいで、それがそのまま各地の拠点として別れているっぽい。


「面白いのは拠点内でも更に細かい派閥があった事だな。サブリーダーがリーダーを蹴落とそうとしてたりとかよ」


 ここまでくると派閥と言うよりはただの権力闘争だけどな。

 そんな訳で完全鎖国と言う共通目的が無かったらいつ崩壊してもおかしくない派閥が少なくなかったのである。うーん笑えない。


「これさ、多分プレイヤーが妖精大陸で進めるイベントのバックストーリーだよね」


 、レフリスが完全鎖国派の事情をメタい視点で語る。


「だろうな、各地の完全鎖国派の拠点をプレイヤー達がパーティ単位やレイドで攻略していく流れだろうな。拠点に大小規模の差があるのがその証拠だろうよ」


「リーダーとサブリーダーの確執など、片方と手を組んで相手派閥を倒すイベントだろうな。まぁその後で更に残った方と戦う事になるのだろうが」


 ボス二連戦とか勘弁してほしいけどな。


「拠点リーダーのライバルが管理するエリアに眠っている強力な遺物の情報とか、明らかに両方に見つからないようにこっそり先に手に入れろって縛りイベントだよね絶対」


 それにしてもプレイヤー目線での会話が出来るレフリス達は良いなぁ。

俺も参加したいけどNPCのフリをしないといけないから会話に加われないのちょっと寂しい。


「でもそんなライバル拠点同士も制圧できたから、安心してレアアイテム探しが出来るよね」


「ああ、お嬢の洗脳能力様々だぜ」


洗脳ちゃうわ魅了じゃい! ……いや、似たようなもんだけどさ。


「本来なら多数のプレイヤー達が協力し時間をかけて攻略していくイベントだからな。そう考えると姫の力は本当にすごい」


「だね! バランスブレイカーとしてだけど!」


 余計なお世話だっつーの!


 ◆


「よし! 皆突撃じゃ!!」


「「「「おおーっ!!」」」」


 俺の号令を受けて妖精達がボスに突撃してゆく。

 今日の俺は仲間達と別れ妖精達を引き連れて隠されたレア遺物の回収にきていた。


「『歌姫の加護』!!」


 戦闘を妖精達に任せ、俺は彼等のステータスバフとHPMP全体回復を担当する。

 なぜ一人でクエストに来ているかというと、単純に手が回らなくなってきたからだ。

 最初はアイテム回収を全部妖精達に任せていたんだが、ギミック攻略ボスなどNPCだけでは対応できないクエストなどがあり、それで俺達が直接参加する必要が出てきた。


「そこまで難しいギミックじゃなかったが、NPCには無理だったか」


「というかNPCの動きを見るに人工知能の性能に差があるように感じるな」


「全部高性能だと容量を食うからかな?」


「あとは現実の人間と同じように賢い奴もバカもいるってことだろ」


 そう考えるとNPCの行動ルーチンに違いがあるのも納得だな。

 待てお前等。こっちを見る。確かに俺はNPCのフリをしてるけどさ。


 そういう訳でNPCに全部任せっぱなしも退屈だしとやりごたえがあって良いじゃないかと考えていたんだが、いかんせん数が多すぎた。

 だって完全鎖国派は妖精大陸各地に潜んでいる訳で、当然派生イベントの数も多くなる。

それで全員一緒に行動するのは非効率だということになり、ギミック攻略要員としてにプレイヤーをリーダーにして残りの戦力はNPCの数の暴力で埋める事にしたわけだ。

 ちなみに俺もリーダーに任されたのは俺が王族キャラだから、高性能な人工知能を搭載している可能性が高いからという理由だった。

 実際には違うんだが、クエストを成功させて帰ったことで任せてOKと判断してくれたからよしとしよう。

 

「お嬢がボスも心酔させてくれたからな。強力なNPCを指揮できるのはありがたいぜ」


 と言う訳で質、量、共に豊富なわが軍は完全鎖国派の拠点を制圧しつつ、どんどんサブイベントもこなしていった。


「姫様! ボスの攻撃が協力になりました!!」


 ボスのHPバーが減ってくると、攻撃パターンが変化して妖精達だけでは対応できなくなる。


「よし、あとはわらわに任せろ! お主達はボスの気を引くのじゃ!」


「「「「はっ!!」」」」


 妖精達にボスのヘイトを任せ、相手の意識外からバフを全盛りした攻撃を叩き込む。

 NPCの妖精の中にはバフスキル持ちも居るので、彼等からのバフも全部俺に持ってのドカ盛りバフ状態だ。


「ロイヤルスラーッシュ!!」


「グアァァァァァァァッ!!」


 こんな感じで俺達は攻略と戦力の強化を続けていた。


 ◆


「凄いねー、こんな短期間にどんどん装備が強くなっていくよ!」


幾つものレアアイテムが手に入るサブクエストを攻略し続けた事で俺達の戦力は格段に上がっていた。

「アイテムだけじゃなく限定スキルも手に入ったのは良かったよね!」


「うむ、これで皆強くなったのじゃ」


 様々な便利スキルも習得し、装備だけでなく地力も上がってきている。

 勿論経験値を消費して素のステータスも上げている。


「装備はこの大陸に来る前の3段階は上をいってる感じかな。けどそれだけ強い装備が手に入ったのに次のクラスチェンジアイテムはまだ見つからないんだよね」


 レフリスの言う通り、俺達はいまだに次のクラスチェンジアイテムは手に入れられずにいた。


「多分まだ実装してねぇんじゃねぇかな。クラスチェンジは目玉コンテンツの一種だろ? NPCのお嬢はともかく俺らプレイヤーにはまだもったいぶって引っ張るだろ」

 俺もホントはプレイヤーなんだけどね。

「未実装はありそうな話だよね。でもこれだけ強い装備が見つかってるんだから一部のクラスチェンジアイテムはもう実装してるかも。今のプレイヤーじゃとてもクリアできないようなクエストとかに実装されてるかもよ。お前達にコイツ等が倒せるかなって」


「ははは、だったらロマンがあるんだけどな」


 いいねぇ、超絶難しいエンドコンテンツクエストに隠された超レアクラスチェンジアイテム!


「夢を見るのもいいが現実も見てくれよ」


 そう言いながら部屋に入って来たのはヒメキだった。


「この間の戦いで心酔させた妖精達から新しい拠点の情報が手に入った。ただちょっとばかりきな臭い」


「きな臭いとはどういう事じゃ?」


 ヒメキがこんなもったいぶった言い方をするのは珍しいな。


「はい、今回発見された拠点なのですが、もしかしたら完全鎖国派の本拠地かもしれません」


「「「本拠地!?」」」


 マジかよ! 遂にこのクエストのラスボスのご登場って訳か!!

 流石に話が大きすぎてレフリスとモヒカンも緊張した眼差しでヒメキを見る。


「マジなのか?」


「確定ではないが得た情報からかなり怪しいと思っている」


 ヒメキはマップを取り出すとテーブルに広げる。

「これが今まで攻略してきた拠点。二種類のマークなのは拠点の規模を分けている。そして今回この拠点が見つかったのだが、近隣の拠点の妖精達はここの事を知らなかった」


「距離が離れているから……はなさそうですねこの距離だと」


「だな。離れた拠点とは連絡を取れないが近隣の拠点同士は連絡を取りあう筈だ」


 つまりこの拠点だけ他の拠点と違って一部の拠点としか連絡を取り合っていない。


「これはあからさまに怪しいのう」


本拠地でなかったとしても何かしらの重要な施設だろう。


「よし、次の目標はこの拠点じゃ。決戦に向けて準備をするのじゃ!!」


「「「おーっ!!」」」

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