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のじゃロリ魔王姫さまはNPCじゃありません!~ネタキャラ? いえ、レアキャラです!~  作者: 十一屋 翠
第一章 ネタキャラ魔王女誕生

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第4話 変装大作戦で町に出るのじゃ!

 ロイヤルスキルを習得した俺だったが、残念なことにMPが足りず発動させることが出来なかった。


「まぁ経験値を溜めてMPを上げれば済むのじゃ。今日はもうミニゲームが出来ぬから町に行くのじゃ!」


 ゲーム内時間もそこまで経っていないし、城を出て町に行くぞ! 町の中でイベントがあれば経験値もゲットできるだろうしな!

 と言う訳で外に出ようとした俺だったんだが……


「なりません、姫様をおひとりで外に出すわけにはいきません」


 入り口の門番によって追い返されてしまった。

 マジかよ、他のゲームなら普通に外に出れるのに。


「いや、普通に考えたらお姫様が一人で外に出るとか大問題なのじゃ」


それどころか担当者の首が纏めて吹っ飛ぶレベルの大問題だわ。

しかしそうなると……いやそうか、一人が駄目ならお供を付ければいい!

訓練場にいる騎士達に頼もう!


「申し訳ありません。王族の護衛は我々の役目ではないのでお受けできません」


 あかんかった。

 まさかの騎士社会もお役所仕事なのか……


「どうしても駄目なのじゃ?」


「我々は城の防衛をする騎士ですので、王族の護衛とは役割と権限が違うのです」


 なるほど、違う部署の仕事を勝手にするわけにはいかないって事か。


「なら王族の護衛をお供につければ良いという事か」


「姫様は後ろ盾がないから近衛騎士を付ける事は出来ないット」


 だがここで俺の立場の弱さが足を引っ張る。


「むむむ、他に何か良い案は……そうじゃ!」


 ナイスアイデアを思いついた俺は早速目的地に向かう。


「ここじゃ!」


 やって来たのはメイド達が働く使用人達のエリア。

 右を見ても左を見てもメイドさんばかりの素晴らしいエリアだが目的はメイドさんウォッチではない。


「ええと……あったのじゃ!」


 テレレレーンと心の中で効果音を鳴らしつつ、俺が見つけたのはメイド服!


『メイド服を手に入れた』


「名付けてメイドさんに変装大作戦なのじゃ!」


 ゲームやアニメでお約束のお嬢様が平民に変装イベント! 当然このゲームでも実装されていた訳だ!


「と言う訳でメイド服を装備なのじゃ!」


『この装備は気品が足りない為装備できません』


「は? 何でじゃ!?」


 なんか装備できないんだけど!?


「姫様は王族なんだからそんな服着ちゃだめだット」


 いやいや変装イベントだぞ! あえて下々の服を着るのはお約束だろ!

 が、なんど着ようとしても装備が出来ない。

 なんなんだこの気品って……いや待てよ。


 俺はまさかと思ってステータスを確認する。すると、


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

身だしなみ:高貴な装備以外装備不能、一定のクオリティの装飾が施された装備以外装着できない。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「これかぁぁぁぁぁっ!!」


 また個性制限が邪魔をしてきやがったぁぁぁぁぁ!

 ってなんだよ高貴な装備って! もしかしてこのクオリティとか言うのが足りない装備はどんな強い装備でも装備できないってのか!? クソデバフじゃねーか!

 ゲームバランスにしても酷すぎだろ!


「おのれぇぇぇぇ」


 変装も無理となるともう手がない。

 それとも何か外に出るイベントでもあるのか?


「あとは貴族令嬢のドレスなら王族のドレスよりもランクが低いだろうけどクオリティは高く……いや駄目なのじゃ。そもそも貴族令嬢が一人で出歩いて良い訳がないのじゃ」


 くっ、やはりのじゃロリは駄目か!


「せめて王子ならワンチャン……王子?」


 そこで俺はある考えを思いつく。


「これならいける……か? バットン、近衛騎士のいる場所を知っておるか?」


「近衛騎士の区画は姫様じゃ入れないット」


駄目か。なら……


「では上位の騎士、見習いでも構わんが、はどうじゃ?」


「上級騎士の詰め所はこっちだット!」


バットンに案内されて俺は上級騎士達の働く詰め所へと案内される。


「これは姫様、このようなむさくるしい場所にいかなる御用で?」


騎士達は突然やって来た俺を見て驚きの表情で尋ねてくる。

流石に服を盗みに来ましたとは言えないしなあ。

こんな時おてんばお姫様が言いそうなセリフというと……



「訓練場で見習い騎士達と訓練をしてきたのじゃが、皆強かったのじゃ。だから上級騎士のお主等ならもっと強いと思って手合わせをしにきたのじゃ!」


「我等と? ははは、光栄ですがそれは出来ません。我等の力ではたとえ訓練と言えど姫様を大けがさせてしまいますので」


 あっさり断られてしまった。

 これで上級騎士とのミニゲームも解放されたらラッキーと思ったんだがもしかして上級騎士には訓練イベントがないのかな?


「我々は見回りに行きますが、姫様も早くお部屋に戻って令嬢としての勉強を頑張ってください」


 子供をあやすように言うと上級騎士達は去っていく。


「……断られはしたが」


 上級騎士達の部屋の中は無人だ。

 そっと部屋の中を物色すると未使用の服が見つかる。

 大半はデカいが、一着だけ小さい服があった。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

見習い上級騎士の服

見栄えは良いが性能はそこまででもない。ただしそれでも庶民の装備に比べたら遥かに性能は良い。

クオリティ:8

 防御力50

 魔法防御力50

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 早速装備してみるとロイヤルラフドレスから騎士衣装に変化する。


「あとは髪の毛を縛って纏めれば少年騎士の出来上がりじゃ! ついでに武器も借りてゆくのじゃ」



見習い上級騎士の剣

見栄えは良いが性能はそこまででもない。ただしそれでも庶民の装備に比べたら遥かに性能は良い。

クオリティ:8

 攻撃力50


 装備を整えた俺は早速門に向かう。

そして何食わぬ顔で門を通り抜けると……


「……」


 門番に妨害される事無く外に出る事が出来た。


「やったのじゃ!」


「ん?」


 やべっ!

 俺は慌てて口をふさぐと早足で門から離れる。


「ふー、危ないところだったのじゃ」


 ともあれようやく城の外に出られたぜ!


「さー、冒険開始なのじゃ!」


 さて、これからどうするかな。

 こういうゲームだとクエストを受注する為の酒場とか冒険者ギルドがあるのがお約束だ。

ILLの事前情報だと確か冒険者ギルドだったか。


「じゃが依頼を受ける前に装備を整えないとな。回復アイテムとあとは一般売りの装備の性能も知りたいのじゃ」


 と言う訳で俺は町を歩き回って様々な店をめぐってみる。


「ようこそいらっしゃいました! どのような品をお探しでしょうか?」


 で、店を色々巡ってみると、店によってかなり反応が違うのが分かった。


「ちっ、お貴族様がこんなところに何のようだ。アンタ等が欲しがるようなものはここには売ってねぇよ。この辺はガキにゃ危ねぇからさっさと帰んな」


 やたらとフレンドリーな店もあれば、今の店のように明らかにお断りな雰囲気の店もあった。


「あの反応を見るに貴族が相手だと反応が変わる店、いやキャラがいるという事か」


 念のためアイデンティティにNPCの反応が代わる効果がないかをチェックしておく。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

甘えん坊:周りの反応が甘くなる。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


……のじゃロリお嬢様だからか?

もしかしてさっきのガキは帰んなってのは嫌がらせや挑発ではなくツンデレセリフって奴だった?


「こう、のじゃロリお嬢様の個性はメリットなのかデメリットなのかよくわからん……のじゃ」


 まぁそれでも売ってくれないわけではないので価格と性能をチェックしておく。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

レザーアーマー

低品質で作りの甘い革鎧。ないよりはマジなレベル

クオリティ:1

防御力:2

魔法防御力:0

価格:300モール

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 めっちゃ弱い。

 そしてめっちゃ安い。


「もっと良い装備は……」


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

チェインメイル

低品質で作りの甘い金属の輪をつなぎ合わせた鎧。

クオリティ:1

防御力:3

魔法防御力:0

価格:700モール

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 やっぱり安くて弱い。

 うーん、やっぱり俺の初期装備って破格の性能だな。 

 流石ディスティニースロット。こうなるとのじゃロリを捨てるのがちょっと惜しくなってくる。

 ステータスさえなんとかできればかなり有利獲れるぞ。

 い、いやしかしのじゃロリはやっぱり嫌だ!


 話を戻そう。装備の話だ。

 まず価格だ。これを見ると防御力1あがっただけで値段が2倍以上になってるじゃん。

 この店がぼったくりなのかこのゲームがこんなものなのか。

 結果から言うとこの店がぼったくりだった。

 他の店じゃ性能がもっと上で値段は同じ装備を売る店があったので複数の店をチェックするのは必須っぽい。


「ただどうもクオリティは性能に必ずしも直結するわけじゃないみたいなんじゃよなぁ。クオリティ6でも防御力が3の装備とかあったし」


ただ、これに関しては俺の中である仮説が出来上がっていた。


それはクオリティとは性能ではなく見栄えの良さなのではないかというものだ。

ほら漫画とかでもあるじゃん、噛ませ犬キャラが見栄えだけ良いガラクタ装備で地味だけど強い主人公の装備にボロ負けするみたいな展開。


そして色々な店を回って確認した結果この予想は事実だと判明した。

一般の店で売っている装備はクオリティが低めだが性能の高い武器も売っており、金持ち相手っぽい店は性能はともかくクオリティは軒並みだけは高かった。

クオリティの謎は分かった。

だが問題は……


「クオリティが上がると軒並み値段が上がるんじゃよなぁ」


 そうなのだ。性能は低いのにクオリティが高いだけでその装備より何倍も性能の高い装備よりも値段が上だったりするのである。

 なんなら防御力2で4000モールとか普通にある。その分見た目はもの凄いゴージャスではあったが。


「何で性能重視で安い装備を装備できんのじゃ―!」


「姫様は王族なんだから粗末な装備じゃ侮られるット」


 性能が追いついてなけりゃ本末転倒じゃね!?


「またここでも貴族設定が足を引っ張るのじゃ―!」


 今はまだいいけど、後々きつくなってくるぞコレ!


「何か良いクオリティの良い装備の入手手段はないかのう」


「あの……」


 と、俺が悩みながら歩いていたら、ふと道端から声をかけられる。


「ん?」


 見れば道の端には地面に御座を敷いてアイテムを並べている少女の姿があった。

 いや、値段が付いているしもしかして露店販売って奴か?


「ク、クオリティの高い装備をお求めならウチを見ていきませんか?」


「何じゃと?」


 おお? これはもしかしてイベントか?

 少女の言葉に誘われて俺は露店の商品をチェックしてゆく。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

下級貴族のドレス

素材の質は悪いが職人の技術でカバーしようという熱意にあふれたドレス

クオリティ:6

防御力:2

魔法防御力:2

価格:1500モール

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「ほう」


 性能はいまいちで値段も高いが、それでもこのクオリティでこの値段は店で買うより安いな。


 なるほど、露店販売だと店よりも安く買えるって事か。

 ただクオリティ6のドレスって装備できるのかな?

 財布には余裕があるし試してみるか。


「ではこのドレスを買おう」


「あ、ありがとうございます! やった、売れた!」


 よほどうれしかったのか少女はニッコニコの笑顔でドレスを差し出してくる。

 さて、装備できるかな?


『この装備は気品が足りない為装備できません』


「あ、だめじゃな」


「え?」


 クオリティ6は駄目かー。って事は最低でも7いるのか。


「あ、あの、私のドレスに何か問題があったでしょうか?」


「クオリティが足りんの。もう少し良ければよかったのじゃが」


「クオリティ6以上!? それ以上はその……」


 残念。安くてよかったんだけどやっぱ露店販売じゃ高クオリティは期待できないか。

 いやこれでもかなり良い方なんだけど。


「ま、待ってください」


 諦めて帰ろうとした俺を少女が止める。


「そ、その、クオリティ7のドレスならあります! ただ、材料が希少で採算を取ろうとするとその、3000モールになるんですが……

 そういって後ろの袋から少女が出したドレスの性能は、


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

質の悪い中級貴族のドレス

職人の腕が素材に追いついていないドレス

クオリティ:7

防御力:3

魔法防御力:3

価格:3000モール

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


うわぁ、確かにこの性能で3000モール出すくらいならさっきのチェインメイル買うわな。

だが装備に縛りのある俺にとっては装備できるというだけでも価値があるのは事実だ。

 なにより店売りより安いのが良い。


「……これも買おうか」


「ええ!? 本当に買ってくれるんですか!?」


 俺は購入したドレスを装備する。

 すると俺の見た目が少年騎士から貴族令嬢へと変化した。


「うむ、装備出来たぞ!」


「ええ!? ショタ美少年が女の子になっちゃった!」


 誰がショタじゃ。いやさっきまではそう見えても仕方なかったけどさ。

 ともあれクオリティ7が最低ラインと判明したのは大きい。


「そうじゃの、お主今後もここで店を出すのか?」


「は、はい、そのつもりです」


 俺は装備を元に戻すと少女に提案する。


「クオリティ7以上の装備ならわらわが買ってやろう」


「本当ですか!」


「うむ、ただしいずれは性能も良くするのじゃぞ」


 クオリティだけ維持されても意味がないからね。


「わ、分かりました! 必ず性能もクオリティも高い装備をつくります!」


興奮気味に声を張り上げる少女。


「やった! イベントをクリアしたんだ! これでもっといい装備を作れるよ! まさか露店売りを始めた途端、男装美少女騎士のイベントに遭遇するなんてラッキー!!」


「ん?」


 あれ? もしかしてこれ、俺の方がNPCと誤解されてたりする?

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男装美少女騎士(中身男) ややこしいなこれ
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