第36話 血戦、ピンクブラッドヒポポタマス!!
「ヴゥヴゥヴゥーーーッ!!」
ピンクの巨大カバ、ピンクブラッドヒポポタマスが突っ込んでくる。
「回避ーっ!!」
予想以上の速さでツッコで来たピンクのカバの攻撃を回避する。
「このっ!!」
相手が方向転換で戸惑っている間に切りつける。
するとブシュッとピンク色の血液が噴き出す。
「血までピンクなのか!?」
「ピンクブラッドだしな」
「骨もピンクなんだって。あとピンクブラッドヒポポタマスのピンクの体液は鈍器と拳の衝撃ダメージを激減させるから攻撃する時は気を付けてね。魔法も衝撃ダメージは無効化するよ」
ホントギミックの多いエリアだなここは。
「まぁわらわ達斬撃と突撃じゃから関係ないのう」
俺とヒメキの剣がピンクブラッドヒポポタマスの体を切り裂く。
「俺も炎だし関係ないな。メーザーフレイム!!」
「ヴゥヴゥーッ!!」
集中攻撃を受け、ピンクブラッドヒポポタマスが悲鳴をあげる。
「HP高いから相性悪いと最悪全滅する危険のある敵なんだけどね。あ、HP高いからMPには気を付けてね!」
「分かったのじゃ!!」
「ヴゥヴゥヴゥー!!」
怒ったピンクブラッドヒポポタマスは大きく口を開くと、その口で地面ごとかみ砕きながら突撃をしてきた。
「無茶苦茶じゃな!?」
俺達は突撃を回避すると逆に自分達が突撃でピンクブラッドヒポポタマスの横っ腹に攻撃を叩き込む。
「ヴォヴォーーーッ!!」
「属性さえ気を付ければパターンは大して怖くないな」
「ヴォヴォヴォヴォヴォヴォ」!!
するとピンクブラッドヒポポタマスが反転して水場に逃げてゆく。
「逃がさないで! 水場に入るとHP回復しちゃうから!!」
「なんじゃと!? 早く言わんかそういう事は!!」
「ゴメン、こんなに早く逃げるとは思ってなかったから」
とにかくここはノックバックスキルで動きを止める!
「ウォーターバック!!」
が、水の波を喰らったピンクブラッドヒポポタマスに回復エフェクトが発生する。
「なんじゃ!?」
「あっ、水魔法は駄目! 水魔法も回復しちゃうから!」
「ええーい! 面倒なのじゃ!!」
そうして俺達はピンクブラッドヒポポタマスを水場に逃さないように必死で押さえながらダメージを与え続け、なんとか討伐に成功したのだった。
「地味に面倒だったのじゃ」
「素材ゲットしたよー!! これでマルスくんちゃんの装備を完成させられるよ!」
「おー、それはよかったのう」
「んじゃキリが良いし今日は切り上げるとすっか」
「そうだな」
「ふんふふーん、新装備の差し色はどうしようかなー」
ニコニコで歩くレフリス。
ただ何か違和感というかモヤモヤしたものを感じるのはなんでだろうか?
「はて、何か忘れておるよう気がするんじゃが?」
◆
「装備の色変え出来たよー!」
そういってレフリスがドンと机の上に置かれた装備の色は……
「ピンクーーーーーーーッ!!」
全身真っピンクの鎧だった。
違和感の正体コレかーっ!! そうだよね!ピンクのカバのピンクの血液を染料にしたらそりゃあピンクになるよね!!
こんなもん中身マッチョ成人男性が着れるかぁー!!
『さ迷える桃色犀革の大髪帯:クオリティ9:防御力25:蒸れ防止とデザイン性を両立した革製の大きなリボン。デバフ攻撃に対する耐性を有する。ピンクの血で染まった大きなリボンの幼女はとても可愛い』
『さ迷える桃色犀革の大肩鎧:クオリティ9:防御力120:さ迷えるサバンナの主の革を使って作られたシンプルに頑丈な鎧。大きな一枚革をぜいたくに使った肩鎧は盾としても機能する。デバフ攻撃に対する耐性を有する。ピンクの血で染まった大きなパーツを装備した幼女はとても可愛い』
『さ迷える桃色犀革の大ブーツ:クオリティ9:防御力40:まるでデフォルメキャラのように足が大きく可愛らしく見えるブーツ。通常移動速度がやや落ちるが、走ると移動速度が通常よりも早くなる。デバフ攻撃に対する耐性を有する。ピンクの血で染まった大きなパーツを装備した幼女はとても可愛い』
「フレーバーテキストォォォォォォォォォッ!!」
完全に事案だろこれぇぇぇぇぇっ!!
「初めてのクオリティ9だー!! これで完璧に完成だよー! ささ、着てみて!!」
「いや、この色は流石に……」
「早く早く! マルスくんちゃんの為に作ったんだよ!」
「いやだからね……」
「ワクワク……」
「……っ」
女の子の純粋な眼差しには勝てなかったよ……
「きゃーかーわーいーいー!!」
「それは、よかったのう……」
俺、これで冒険するの?
◆数週間後◆
『〇〇社とコラボ決定!! フルアーマーマルシェラ姫のプラモデルが〇〇シリーズ企画で発売決定!巨大な武器とアーマーを装着したマルシェラ姫のアクションを完全再現! 更に同シリーズのプラモと互換性があり武装の交換も可能!! 君の考えた最強マルシェラ姫をで机の上に飾れ!! ミニピンクブラッドヒポポタマスキット付き!!』
「なんかグッズ化決定してるぅ。企画会議の連中フットワーク軽すぎじゃねーの?」
『つきましてはプラモが発売するまで今しばらくマルシェラでプレイをお願いできますでしょうか? その間の期間に付きましては広告料をお支払いいたしますので』
「やかましいわ! 商売上手か!!」
「東堂さんSNS見ましたか!? のじゃ姫のプラモが出るみたいですよ!! 私プラモデルって初めてなんですけど絶対買います! 東堂さんも買いますよね! 二人で作ったプラモの写真見せ合いっこしましょうね!」
「……ソウダネ」
やだ、会社の子が俺のプラモ買っちゃう。
◆更に数か月後◆
ILLの会社からプラモのサンプルが送られてきた。
「うーん、棚の肥やしにするのも失礼だし作ってみるか」
プラモを作るなんて数年ぶりだな。ええと作るのにニッパーがいるのか。しゃーないどっかで買ってくるか。
「無駄に出来が良い。無駄に良く動く。でもドピンクなんだよなぁ……とても客には見せられん」
完成したマルシェラは成る程よくできていた。
だが、全身がピンク一色な事、なにより実物のマルシェラを見ていると自分がこの姿でゲームをしていることをまざまざと見せつけられている気分になる。
「やはり早い所再キャラメイクを要請しないと!」
とりあえず貰い物を捨てるのも申し訳ないから押し入れにしまっておこう。
会社の同僚に見せ合うって約束してたしな。
そして数か月後、商品が発売した俺は、SNSを見て衝撃を受ける事となる。
『マルシェラ姫のアーマー色塗ってみた』
『メッキ風に塗ってみたな』
『ロイヤルカラーにしてみた』
『男はブラック』
「カッコいいんですけどぉぉぉぉぉぉっ!!」
野生のモデラー達がマルシェラのアーマーを思い思いの色で塗ってSNSに投稿し始めたのだった。
「俺もこの色がよかったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
『TODO様、お陰様でマルシェラのプラモデルは好調な売れ行きです。つきましては街中だけでも良いので販売促進運動としてさ迷える桃色犀革シリーズを装備して活動をお願いできますでしょうか?』
「やっかましいわーーーーーっ!!」
もうやだこの企業!! 金の匂いに敏感過ぎっ!!
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