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恋のてつがく!  作者: 蜂矢ミツ
7/8

『愛』の告白

「紅狐さん、好きー!」


 そう言いながら、翠狸が紅狐に抱きついています。

 特段珍しい光景ではありません。日常茶飯事です。


「……っていうのは、『愛』の告白であって、『恋』の告白とはあんまり言わないんだよね」


 いつもと違うことといえば。

 ひたすら甘えるだけの翠狸が、今回は何やら甘えながら考え事をしている、それくらいでしょうか。


「ぼく、思ったんだ。

 きっと、『恋』はどこまでも自分だけのもので。

 相手と共有できた時点で、それは『愛』に変わるんじゃないかなあ、って。


 恋は、時に力をくれるらしいよ。

 自分を磨いたり、普段なら考えられない行動力が沸いてきたり。

 でも相手には、伝えない限り、伝わらない限り、作用しない。


 自分自身を突き動かすものが『恋』で、相手に影響を及ぼすものが『愛』、なんじゃないだろうか」


 ひとしきり話し終えたところで、翠狸は満足そうに、また得意げに、ふんすーと鼻息をもらしました。

 紅狐は笑いながら、落ち着かせようとするかのように、そんな翠狸の背中をやさしくさすっています。


「だから、ぼくはね。紅狐さんに恋していて、愛してもいるんだあ」


 連日の検証から、ようやく答えらしい答えを導きだせたからでしょうか。

 疲れが出てきたのか、翠狸はもぞもぞと紅狐のきものの袖にもぐり込んで、やがてうとうと船をこぎだしました。













 しばらく時間が過ぎた後。

 ぐっすりと眠りこける翠狸を見ながら、紅狐はちいさく呟きました。


「好きでいてほしいし、好きでいたい。

 『恋』して、『愛』する。

 それが至極、まっとうな在り方なのかもしれないね」


 のんきな寝息をたてる翠狸の頬に、そっと口づけをして。

 寄り添うように、紅狐も眠りについたのでした。

ここまでお付き合いくださった方、ここだけつまみ食いしたという方、

いずれにせよ、お読みいただきありがとうございました。


初めは童話として書き始めてみたものの、内容がまったく童話チックではなくなってしまったので、ジャンル;その他へ変更いたしました。

ひたすらいちゃいちゃしており、若干うざくもあるかもしれませんね。その内爆発します、きっと。

それでも無傷でけろりとして、更にいちゃつくだけでしょうけども。


一応、なんだかんだシリーズ化しており、こちらは3作目となります。

既に次もある予定(脳内)ですので、またお目にかかることもあるかもしれません。

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