表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
純粋に空想世界を楽しみたい!  作者: 倉科ユウ
8/9

リアル人生ゲーム~美咲side~

 リアル人生ゲーム。


 前にパソコンの動画サイトでドッキリか何かでそのようなことをやっていたのを見て、一度やってみたいと思っていたこと。


 それが先生が作ってくれたこのファンタジアとかいう装置のおかげで叶ったわ!


 本当は高校生から始まって職業を決めたり、結婚したりするようなよくある人生ゲームがしたかったのだけれど、複雑になりそうだったので高校生の夏休みという短い期間の設定にすることにした。


 空想世界にやって来て、軽くこの世界の説明をみんなにし、順番を決めた結果、私は三番目になった。


 一番目の夕希が四マス進んでいったのを見ていると四マス目はそこそこいい感じのマスだったようね。


 次に白奈はルーレットを回すと何と十を出してきたわ!


 ………私が最初に十を出してやりたかったのに!!


 でもなんだか白奈は止まったマスがあんまりよくなかったようなので一安心ね!


 いいわ! 私は一気にたくさん進むより一気にたくさん儲けられるマスに止まって見せるわ!


 なんだって私よ? きっと一ターン目で億万長者になること間違いなしね!


「さあ! 次は私の番ね! 見てなさい、すごいマスに止まって見せるんだから!」


 ルーレットを勢いよく回して針がさす数は二。


 きっとこのマスがすごいのね。


 そのマスまで行ってみると床が光り始めて文字が浮かび上がって来た。



 『自転車通勤中、よそ見をしていたら止まっていた車に激突弁償代に十一万円』



 ………………あれ、おかしいわね。何かの見間違いかしら?



 もう一度、目をこすって確認してみるけれど書いてある文字は変わらない。


「なんでよ! 私わざと車を壊したわけじゃないのにー!」



 なんでこの私がいきなり十万円もの借金を抱えなくてはいけないのかさっぱり理解できないわ!


 誰かしらこんな世界を作ったのは! ぶん殴ってやりたいわ!



 ………この世界を作ったの私だったわ



 き、きっとあれよ! ファンタジアが私に嫌がらせをしているのね! 無機物ながら、なんてこざかしいのかしら!


 その後なるみの番が終わり柚葉が私と同じマスに止まって来た。


 だけど同じマスなのに私の時と違って超儲けちゃって、少し腹が立ったので柚葉を振り回してやったわ。

 

 ………少しやりすぎちゃったかしら。ちょっと涙目にさせてしまったわ。


 二ターン目になって私の番が回ってきた。


 今度こそビッグなマスに止まって見せるわ! そう意気込みながらルーレットを回したら出た数は一。



 『お小遣いをもらったプラス一万円』



 少ないけれど借金を九万円にできたことに少し喜びを覚えた私。


 次の柚葉のターンになり柚葉は一気に八ほど進んでいって曲がり角により姿が見えなくなった。


 夕希と白奈も曲がり角を曲がってからもう姿は見えないし、なるみはどっかに消えて行っちゃったし、やっぱりたくさん進むことも大事よね。


 たくさん進んでたくさんお金をゲットする。なんて素敵なアイデアなのかしら。


 三ターン目の私の番がやって来た。


 さあ、行くわ!



 三ターン目も一。


 ………次こそは!


 四ターン目も一。


 五ターン目、一。次も一。その次も一。一、一、一…………。




「なんで一しか出ないのよー!!」


 おかしいわ! いつの間にかみんなとの差が開いてしまったじゃない。


 そんな感じで一ばっかり出してきた私だったけど、ついに家がたくさん建ち並ぶ住宅街へとやって来たわ。


 まだスタート地点から十六マス目。 先を見てももう誰の姿も見えないわ。


 少し寂しさを感じながらもふと足元を見るとなんだかみかんが転がっていた。


 ちょうどおなかが空いていたし見た目も大丈夫そうなので食べようかしら。



「………な、なにこれ! 超絶においしいんですけど!」



 ゼリーのようなプルプルな触感に、歯を立てるとまるで水風船を割ったかのように甘さと香りが口いっぱいに広がっていく。


 ど、どこでこのみかんを手に入れることができるのかしら………


 十六ターン目ルーレットの針がさす数字は七。


 やっと一の間の手から解放されたわ!


 スタート位置から二十三マス目そこで浮かび上がって来たイベント内容は



 『当たりマス! 何でも好きなものをあなたに差し上げましょう!』



「やったわ! それならあの超絶おいしかったみかんをたくさん頂戴! いい? たくさんよ?」

 


 そう言うとまばゆい光とともに大きな袋が一つ現れた。



 開いてみるとその中には大量のあのみかんが。



「たくさんあるわ………! こんなにも早く会えることができるだなんて夢みたいだわ!」


 早くゴールに行って皆に自慢してやろうかしら。そうね。一つくらいならあげてもいいわね。

 

 それからの私は今までの一の連続が嘘のように一が出ることはなく、やっとゴールに着くことができたわ。


 途中で柚葉を抜かしたのだけれど何やらとても忙しそうにしてたので声はかけなかったわ。


 ゴールすると後ろからなるみがやって来た。


 どうやらなるみも今着いたようね。抜かした記憶がないのだけれど、まあいいわ。


 先にゴールしていた夕希と白奈を見つけたのでさっそくこのみかんを自慢しようとしたのだけれど


「夕希先輩。なんだか私、お金ではなくりんごをいっぱい貰ったのですが………」


 なるみがそう言って夕希に見せていたのは大量のりんご。



 …………………な、なんてこと! りんごですって………!!



 私はみかんも好きだけどりんごはもっと好きなの。ジュースにしたってオレンジ派じゃなくてリンゴ派よ!


「なっ! 負けたわなるみ………私はみかんよ………」


 私は素直に負けを認めたわ。潔さは大事よね。




 なんだかんだこのゲームも終わってしまい、私は負けてしまったけれど楽しかったから良しとしましょう!



 きっとみんなも楽しんでくれたはずだわ!

 

 仕方ない。また今度機会があれば、次はもっと面白い世界を作ってあげることにしましょう!




 ってあれ。なんでさっきから夕希はため息をつきながら私をにらんでくるのかしら………


 

 






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ