表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
94/110

第九十四話 レオネルとルカの、奇妙な夜番



ルカの交渉は、想定外の展開になった。

「俺はもうお前たちと組まない。だが、今夜一晩だけ待ってくれ。明日の朝、首領と直接話をする機会をくれ」

それだけ言って、構成員たちを引かせた。返事は夜の十時頃に来た。「明朝、許可する」。

私たちは廃都市の端の建物に落ち着いた。当直を二人ずつで回すことにした。最初の番は、レオネルとルカだった。

この旅の中で最も対極にいた二人だ。正義と切断。騎士道と虚無。でも今、二人はここにいる。

他の全員が横になった。疲れていたが、なかなか眠れなかった。

眠れないままでいると、ウルが毛布を持って私の横に来た。

「眠れない?」

「うん」

「じゃあ、ここにいる」

ウルが私の横に腰を下ろして、毛布を私の肩にかけた。それだけで、部屋が少し温かくなった気がした。

夜中の三時頃、外から二人の声が聞こえた。ルカとレオネルだ。壁が薄くて届いてきた。

嫌いだったこと。でも今は違うこと。傷ついた者同士だということ。正論より正直な方が人に届くこと。ルカが「あいつ、色んな人間を変えてるな」と笑ったこと。

(そうかな、と思った。変えているのではなく、みんな自分で変わっている。私はただ、そこにいるだけだ)

ウルが、いつの間にか眠っていた。肩に頭を乗せて、すうすうと息をしている。重い。でも温かい。そのまま動かさずにいた。

朝、ウルが目を覚ました時、少し慌てた顔をした。

「あっ、寝てた。ごめん、重かったでしょ」

「重かった」

「それは言わなくていい!」

「でも温かかった」

ウルが少し黙って、それから「よかった」と言った。その顔が、照れているようで、嬉しそうだった。

アルが起き出してきて、二人を見て言った。「おはようございます。……また主様の横で寝ていたんですか、ウル」

「たまたま」

「毎回たまたまなんですね」

「うるさい」

外が白んでいた。今日が始まろうとしていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ