表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
89/110

第八十九話 「ほどき屋」がルカを利用していた理由


ルカがほどき屋との関係について話したのは、崖の上に出た後だった。

空が明るくなっていた。濡れた岩が光を弾いて、足元がきらきらしている。ルカが崖の縁に腰を下ろして足をぶらぶらさせながら話した。以前の飄々とした動作に近い。でも今日のそれは、自分を落ち着かせようとしている動作だ。

ほどき屋と半年前に接触したこと。互いに利用し合う関係だと思っていたこと。でも実際には、ルカが各地で切断してきた魔力の供給路は、知らずにほどき屋の計画を加速させていたこと。

「知らなかったことが、俺の落ち度だ。もっとよく確認するべきだった。……叔父さんのことを恨むなら、俺も同じことをしたんだ。誰かの計画の一部になりながら、自分は正しいと思い込んでいた」

レオネルが「感情の墓場まで、案内できるか」と問うた。ルカが「できる。でも覚悟して行け。全員が自分の一番痛いところを見せられる」と言った。

「それでも行く」

「知ってた」

ルカが立ち上がった。「船に乗るか?」とウルが言った。声がわずかに震えていたが、真っ直ぐに言った。

ルカがウルを見た。一年ぶりに、正面から見た。

「……乗る。少しだけな」

砂浜を歩きながら、ウルが私の隣に来た。ルカが先を歩いているのを見ながら、小声で言った。

「ルカって、変わったと思う?」

「変わったと思う」

「どこが?」

「逃げなかったとこ」

ウルが少し黙ってから、「そっか」と言った。

「僕も少し変わったよ。前だったら、ルカが主様の近くにいるのが嫌で仕方なかったと思う。今は……一緒に帰れたらいいなって思う」

「一緒に、ね」

「うん。仲間として」

ウルの言葉が、潮風の中に溶けていった。船が砂浜で待っていた。ルカが乗り込む時、少しだけためらった。でも乗った。それだけで十分だった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ