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洗脳されて闇騎士になった僕、なぜか中身はマイペースなゲーマーです~親友を救うため、前世知識でバッドエンドを攻略します~  作者: 終端カヌレ
第2部:???編(第34話〜)

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第54話 言葉すら要らない!? 視線ひとつで察する三従者と真核を打ち破る闇騎士──なお、討伐後の巨大触手は鮮度維持のため即座に〆られました

隠し扉を抜けると、また雰囲気が変わった。

エルニアの時と違い、敏感に魔力の気配を感じられるようになったからよく分かる。この先に間違いなく今回の異変の原因がある。


「ヴェイグ様、あまり前に出ないでください。この奥に確実に何かあります」


ロスタが周辺の警戒をしながら、注意を促してくる。


『もう、心配性だな……こんなにばっちり護衛されてて、僕が怪我するわけないのに』


そうこうしているうちに開けた場所に出た。やはり予想していた通り、魔素が限りなく濃い。魔族なら問題ないが、人間なら些か苦労するくらいの濃度である。


魔素は多過ぎても少な過ぎても人体に悪影響を与える。その点、魔族は自動的にそれを自分の身体に合うように調整できるのだ。だから、あの魔界での厳しい環境でも住むことができるのだろう。


「ヴェイグ様、私の背後へ。何かいるみたいです」


そう言って殿を務めていたイシューが僕の前に出て結界を張り始めた。スッと目の前の魔力の塊に視線を向けると、残念ながら見覚えのないモンスターが大きな口を開けて僕たちを見ていた。


『うーん、さながらデッカいイカタコキメラってところかな? でも、ただのモンスターじゃない。核があるタイプか……』


僕は結界内にいながら、そのデカブツモンスターを観察する。


「ヴェイグ様。こちらで……私(わたくし)どもが排除いたします」


アランは腰に帯刀していたレイピアを抜き放ち、反対側の手には魔導書を携えた。


ロスタは意気揚々と暗器を取り出して、ゆっくりと目の前の敵を観察している。


イシューは僕の前に立ち、結界を維持しながら二人にバフをかけて支援していた。


アランが敵の正面を塞ぐ。

一本、二本、三本──次々と振り下ろされる触手を、レイピアで受け流していく。


その隙にロスタが横を抜けた。

投げナイフが閃き、アランの脇をすり抜けた触手の一本が切り落とされる。


だが、切断された直後、その切断面から新しい触手が生えてきた。


「……再生するな」


切断された触手が、地面を這うように蠢きながら再び生えていく。


「うわ、やっぱり生えてきますね!」


『やっぱり。普通の再生じゃない。結界の内側から魔力の流れを追うと……あの中央の核っぽいの、もしや囮か!』


僕がほんのわずかに視線を動かした、その瞬間だった。


「ならば、次は切断しないのはどうでしょう?」


イシューの声が飛ぶ。


「え?」

「ヴェイグ様は何か思いついたのでしょう?」

『……さすがイシュー』


思わず内心で小さく呟いた。


僕が具体的に何か口にする前に、三人は僕のわずかな気配の変化を感じ取り、瞬時に動き方を変えてくれる。


『そういうところなんだよな……察しが良すぎてちょっと怖いまである』


魔力の流れをさらに精査する。中央に見えている巨大な核。そこへ繋がっているように見える魔力の流れ……違うな。


「アラン、正面を維持」

「承知しました」

「ロスタ、右奥の床」

「はい!」

「イシュー、結界を三歩分だけ前へ」

「かしこまりました」


三人が一斉に動いた。

その瞬間、魔物の身体が大きく膨張する。


「──来るぞ」


アランが踏み込み、ロスタが跳び、イシューの結界が展開する。

巨大な触手が一斉に振り下ろされた。


イシューお手製の結界に弾かれて無傷──と思いきや、しっかりとその結界で触手たちを捕らえ、身動きを取れないようにしていた。


『えっ怖……えげつないなイシュー』


僕は余計なことを考えながらも、中央の囮とは別にある本物の魔力の塊を発見した。


まぁ案の定、がっつりと固定されていない触手たちがそこを手厚く守っているのだが。


すべて一刀両断しようと鞘に手をかけた瞬間、目の前の触手が一瞬で凍りついた。


「アラン、よくやった」


僕がそう声をかける間にも、残った触手が次々と凍りついていく。

三従者によって、すべての触手は切断されるのではなく、その場に留め置かれていたのだ。


僕は愛剣(ブラックエスパーダ)をゆっくりと引き抜き、そのデカブツモンスターの本物の核を叩き割ったのだった。


イカタコキメラは音を立てて崩れ落ち、その巨体の奥には祭壇のようなものが見えてきた。ロスタは身軽にその巨体を乗り越え、アランと共に祭壇を調べていく。


「ヴェイグ様〜、なんか救世主に関する資料がありますよー、どうしますか?」

「持っていくのはよくないから、写しておいてくれ」


僕はそう言いながら愛剣を包丁代わりにイカタコキメラの触手を切り落とし、氷魔法ですぐさま活け〆にしていた。


「ヴェイグ様、一体何を……?」


イシューが慌てて僕に近づいてきて、恐々と先ほどまで攻撃してきていた氷漬けの触手を見る。


「うん? いや……折角、皆でグラナーダに来たのに海鮮を食べてないなと思ってな。これなら、かなり食べ出があると思ってな」


情報は逃げないが、海産物は足が早いからすぐに〆ないと鮮度が落ちるからな。


『よし、これでたこ焼きパーティにしよう!』


第54話をお読みいただきありがとうございました!


「アラン、左」「ロスタ、右奥」といった最低限の指示だけで即座に完璧な陣形を組む三従者、察しが良すぎてちょっと怖いレベルで優秀でしたね……!

そして、重要な資料を見つけつつも「海産物は足が早いから」と氷魔法で素早く活け〆にするエルニアのマイペースっぷりも炸裂した回となりました。


皆様にお聞きしたいのですが、もし巨大なイカタコキメラ(激レア素材)を倒したら……

「即座に活け〆してたこ焼きにするエルニア」に賛同しますか?

それとも「まずは祭壇の資料を読め!」とツッコミたくなりますか?(笑)

ぜひ皆様の感想をコメント欄で教えてください!


次回の第55話は、【10/16(金)の夜(18:00頃)】に投稿予定です。


続きが気になる!と思ってくださった方は、ページ下部から【ブックマーク登録】や【評価(★★★★★)】、一言コメントをいただけると大変励みになります!

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次回もどうぞよろしくお願いいたします!


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