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洗脳されて闇騎士になった僕、なぜか中身はマイペースなゲーマーです~親友を救うため、前世知識でバッドエンドを攻略します~  作者: 終端カヌレ
第2部:???編(第34話〜)

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第53話 過保護すぎる従者たちとダンジョン探索。一切戦わせてもらえない上に、いつの間にかお姫様ポジションにされている件について


その時、同じように隣を歩いていたイシューが立ち止まり、こっちを見咎めてくる。


「どうした、イシュー?急にこちらを見て……私の後ろに何かあるのか?」

「いえ、表情が曇られたので体調を崩されたのかと心配になりまして。少し急いでいる自覚はあったので……」


そう言って彼は、近くにちょうど良い岩を発見すると軽く土埃を叩いてから、僕をそこに強制的に座らせる。アランとロスタはすぐに周りを警戒する体制に入った。


僕の感知スキルが何も反応を示さないので、おそらくこの周辺の魔物は三従者たちで狩り尽くしたのだろうが……どこまでも用心深い、過保護なヤツらである。


闇騎士ヴェイグは無表情で人形のようなヤツだと僕は思っているし、鏡を見るたびにそう自覚するのだが、どうやら従者たちはその細かな変化に敏感に反応を示すらしい。


いつの間にかイシューの手元にはいつものブレンドティーが用意されていて、どこから取り出したのか手際が良すぎて判断がつかなかった。


「はい、こちらをどうぞ。ヴェイグ様お手製のお菓子がないのは少し寂しいですが、一度、休憩にしましょう」


無言で受け取り、喉を潤す。やはり、イシューのブレンドティーは美味しい。魔界のご飯はディストピア飯だが、こういう飲み物はとても香り高く美味しいのだ。


もちろん、イシューの淹れる腕が良いというのもあるだろうけど、陛下のハーブティーも美味しいし、その熱量を少しでもご飯に回してくれないかな……。


「満足されましたか? まだ、体調が万全ではないのですから、あまり無理はしていただきたくないのですが……」


そう言ってイシューは表情を曇らせ、僕がティーカップを持っていない方の手首を使って脈を取りつつ、触診をしていた。確かに供犠式の時の瘴気を「耐性があるから」と一手に引き受けたのは無茶だったと思うが……もう、体調はすこぶる良いんだけど。


まぁ、でも、目の前で知ってる人が白目剥いてぶっ倒れたら誰でも心配するか。


「好きに確かめるが良い。私はもう、何ともないと何度も言っているのだがな。それに、どうしてもこの洞窟の異変が気になるのだから仕方がないだろう?」


大人しくイシューの診察を受けながら、口ではしっかりと文句を言う。こういう時、ヴェイグの鉄仮面のせいで表情で訴えられないのが不便なのだ。



◇



そうやって複数回、休憩を挟みながら漸く(ようやく)、ダンジョンの最奥へと無傷で到達した。(結局、僕が愛剣を鞘から抜くことは叶わなかった)


「ここが行き止まりみたいですね! ヴェイグ様!」


ロスタが周りを見渡しながら、元気よく報告してくれる。


だが、僕の目的はここではない。


この奥の間から続く、地下遺跡に用があるのだ。


街の噂を聞いた時はピンとこなかったが、このダンジョンの最奥まで足を踏み入れたことで、多少の頭痛(洗脳の影響と思われるいつものやつだ)という犠牲と引き換えに、ゲームプレイ時の記憶がカチリと噛み合った。


確かゲームでの設定では、この地下遺跡から漏れ出た魔素が原因で、ダンジョンの魔物が突然変異&活性化するというコンボが発生していたはずだ。


(よし……うっすらとだが、隠し部屋のギミックも思い出してきたぞ!)


僕は記憶の糸をたぐり寄せながら、一見するとただの岩壁にしか見えない場所へ近づき、表面に刻まれた不自然な擦り傷を指でなぞる。


「ヴェイグ様? 何をなさっているのですか? そこはただの行き止まりの壁のように見えますが……」


アランが不思議そうに覗き込んでくる。無理もない。ここは隠しコマンド並みに意地悪な初見殺しギミックなのだ。


確か攻略wikiには『壁の浮き彫りを【左上・右下・中央・左下】の順で叩き、最後に無属性の魔力を微量だけ流し込む』と書いてあったはず。順番を一つでも間違えれば、天井から落石トラップが降り注ぐという嫌な仕様付きだ。


ズキンと走る頭痛に耐えつつ、僕は記憶通りの順番で壁の特定のポイントをカン、カン、とノックし、最後に手のひらから極小の魔力を流し込んだ。


──ゴゴゴゴゴ……!


次の瞬間、何もないはずの岩壁に青白い古代術式の魔法陣が浮かび上がり、重厚な石扉がひとりでに奥へとスライドしていく。


『ふっ、これぞRPGの醍醐味! 隠し部屋の扉オープン!』


「素晴らしいです、ヴェイグ様。探知魔法にも一切引っかからなかった壁の隠し通路を見抜くなんて……!」


イシューが目を見開き、壁の接合部を感心しながら確かめている。いざ、隠し部屋へ……と進もうとしたら、案の定アランとロスタが即座に先行し、僕を真ん中に挟み込み、イシューが殿を務める形になった。


僕は、お姫様ポジションではない!!


第53話をお読みいただきありがとうございました!


頭痛と引き換えに攻略wikiの知識を思い出し、初見殺しの隠し扉を鮮やかに解除してみせたヴェイグ様(エルニア)!

……ですが、完璧すぎる手際を見せたせいで三従者の警戒度が跳ね上がり、見事な「お姫様ポジション」でガードされるオチとなりました(笑)。


ここで読者の皆様に質問です!

・「手際が良すぎるイシューの過保護な脈取り触診診察」

・「初見殺しギミックを解除してドヤ顔するエルニア」

・「結局お姫様ポジションでガチガードされるオチ」

皆様は今回のどのシーンが一番ツボでしたか?笑

ぜひコメントで教えていただけると嬉しいです!


次回の第54話は、【10/13(火)の夜(18:00頃)】に投稿予定です。


続きが気になる!と思ってくださった方は、ページ下部から【ブックマーク登録】や【評価(★★★★★)】、一言コメントをいただけると大変励みになります!

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次回もどうぞよろしくお願いいたします!


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