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洗脳されて闇騎士になった僕、なぜか中身はマイペースなゲーマーです~親友を救うため、前世知識でバッドエンドを攻略します~  作者: 終端カヌレ
第2部:???編(第34話〜)

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第40話 魔王軍幹部のファッションショー! ──過保護な部下たちに「着せ替え人形」にされました


前方のアラン……後方の姿見とイシュー。

どちらに逃げても逃亡は不可能だ。


僕は観念して、アランがロスタと一緒に持ってきた大荷物達を一度だけ見てから、アランを睨む。


「私はただ、アシュフォード家の血族の血を採取しに行くだけだ。短時間で済む予定なのになぜ、こんなに荷物がいるのか説明してもらえるか、アラン」


闇騎士ヴェイグの淡々とした口調に鋭い目つきがプラスされ、アランは一瞬、息を呑んだが、彼は一度深呼吸してからこちらへ圧を掛けた視線を返してきた。


「私(わたくし)はただ、我等が主に相応しい装いを……と思いまして準備したまでです。余計な私情など挟んでおりません! 信じてくださいませ!! 私はヴェイグ様を着飾らせる使命が……」


まだ続きそうな演説に、僕は残りの二人へ助けを求めたが、揃って首を横に振られただけだった。


僕にどうしろって言うんだよ!


『うーん、それに前科二犯だからな……いつもは頼りになるのに、こういう時は何を言っても止まるわけがないんだよね』


ため息をつこうとしたがあいにく、動きにくい表情筋では上手く今の僕の感情を表すのは難しいようだ。


後方の姿見には、眉間に皺を寄せた機嫌の悪そうな闇騎士ヴェイグがありありと映っている。それにもめげず、アランはヴェイグの魅力について語り続けていた。


「アラン……、ヴェイグ様が困惑していらっしゃいますよー。早く、潜入用の衣装を選びませんか?」


『ナイスだイシュー!! ありがとう!! 今度お菓子焼いたら多めに渡すね!』


アランの長い話を遮ってくれたイシューにお礼を伝えたいのに、ヴェイグ口調が邪魔をして何も口からは言葉が出なかった。


観念して軍服の上着を脱ごうと身じろぎをしたら、スッと音もなくロスタが背後に回り、ジャケットを受け取ってハンガーへと掛けてくれる。


「ありがとう、ロスタ」


お礼を伝えると一瞬、頭を下げかけたあとで二人がいるのを思い出したのか、大人しくニコッと満面の笑みを浮かべ一礼してから、少し後ろへと下がっていった。


「コホン……、失礼しました。つい、滅多にない機会だからと張り切ってしまいまして……では、まずこちらからお願いします」


アランはすぐに背後に回り、僕の着替えをさせていく。

最初の頃は、こうやって至れり尽くせりお世話されるのが苦手だった。


だが、こうやって楽しそうに身支度を整えてくれるアランたちを見ていると何も言えなくなるので、最近は抵抗せず任せている。変に動くと余計に時間がかかるのだ。無抵抗が一番早く済むからね。



◇



エントリーNo.1

アランの趣味全開、王国貴族御用達ファッション!!!


なぜか採寸したわけでもないのに、ピッタリと僕に合わせて作られたような着心地のスリーピーススーツ。ビシッと決まるだけでなく、遊び心で魔王軍の軍服と同じワインレッドのパイピングが施されていて、さり気ない所まで気品を追求した逸品。


ネクタイピンには闇騎士ヴェイグの瞳と同じ色のアメジストが一粒嵌められ、光り輝いていた。



エントリーNo.2

ハニトラならこうでしょう! とマイペースなイシューがさらっと提案し、それを聞いたアランが別の意味で目を輝かせて全力で整えてしまったお嬢様風ナイトドレス。


清楚なフリルと深いスリットが絶妙なバランスで共存する一着。動くたびに漆黒の髪(気合の入ったウィッグ)と紫水晶の瞳が引き立ち、敵の目を眩ませるには十分すぎるほどの退廃的な色気を放っている。……って、なぜ男である僕にこんなものを着せるのかとアランを問い詰めたら、「女装ではなく『高位貴族の令息が魔王軍に囚われて趣味の悪い服を着せられている悲劇の構図』です!」と謎の力説をされた。


『いやっ! まず、主犯はイシューかいっ!! なんて事をしてくれたんだ。アランが別の意味で張り切って振り切ってしまっただろうがっ!! 責任を取れ!! やっぱり、お菓子はなしだ』



エントリーNo.3

怪しさ満点! ロスタプロデュース、闇の商人風スタイル。

深くフードを被り、顔の大部分を怪しげな仮面とマントの影で隠した隠密特化型。


一見すると裏社会のブローカーそのものだが、布地には最高級の魔力遮断シルクが使われており、ポケットというポケットから毒薬や怪しげな取引書類が無限に出てくる機能性重視の仕様。


ロスタが無言で親指を立てて「これなら裏通りでも職務質問を回避できます」とアピールしてきたが……。


『いや、見た目が完全にアウトな犯罪者なんだよ!!』



……というかどれも全部、全然目立ち過ぎて……潜入という意味をご存じなのか強く問いただしたい!!!



『そして、どれもなんか闇騎士ヴェイグの素材をフルに生かして、絶妙に似合ってるのがセンスが良過ぎて怖い!!』


結局、一番マシ(?)なスリーピーススーツを着せられ、満面の笑みを浮かべる三人に送り出される形で、僕は王都へと向かうハメになった。

第40話をお読みいただきありがとうございました!


今回はいつもと趣向を変えて、三従者たちの個性が爆発するコメディ回「ファッションショー」をお届けしました!


ノリノリなアラン、マイペースなイシュー、職人肌(?)なロスタと、相変わらずヴェイグへの過保護っぷりが凄まじいですね。


ここで皆様に質問です!

今回のファッションショーで、一番「グッときた部下のコーディネート(提案)」は誰のスタイルでしたか?

「〇〇の提案がツボだった!」「ヴェイグ苦労様……」など、推しポイントや温かい一言をコメントで教えていただけると執筆の糧になります!


次回の第41話は、【9/13(日)の夜(18:00頃)】に投稿予定です。


続きが気になる!と思ってくださった方は、ページ下部から【ブックマーク登録】や【評価(★★★★★)】、一言コメントをいただけると大変励みになります!


皆様の応援ポチが、何よりの執筆の原動力です……!

次回もどうぞよろしくお願いいたします!


※本作は「なろうチアーズプログラム」に参加しています。画面下のボタンから応援チアをいただけると非常に励みになります!

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