表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
2/5

地球に迷い込んだトラ耳ガオぷぅ参上!〜スク水で〜


「ただいま。」


家に帰ると、しろとは子猫を床へ降ろした。


「とりあえず水でも――」


その瞬間だった。


「よくぞ拾ってくれたな!」


「……え?」


しろとの動きが止まる。


今、喋った。


猫が。


「私の名前はガオぷぅ!」


子猫はえっへんと胸を張る。


「私は実は地球に迷い込んだ宇宙人なのだ!!!!」


「……宇宙人?!」


思わず大きな声が出た。


「信じられないなら、私の本当の姿を見せるのだ!!!」


ぽんっ、と白い煙が部屋に広がる。


煙が晴れると、そこには一人の少女が立っていた。


高校生くらいだろうか。


さらさらと腰まで流れる金色のロングヘアー。


頭にはぴこぴこと動くもふもふのトラ耳。


腰から伸びるもふもふでふわふわのしっぽ。


人形のように整った顔立ち。


そして、しろとは思わず息をのんだ。


細い身体とは不釣り合いなくらい、胸元は驚くほど豊かだった。


スクール水着は、その豊かな胸に引っ張られて今にも悲鳴を上げそうだ。


しかし本人はまるで気にした様子もなく、胸を張る。


「これが私の姿なのだ!」


両手を腰に当て、得意げに胸を張るガオぷぅ。


その瞬間。


たゆん。


豊かな胸が、スクール水着の上からふわりと揺れた。


しろとは思わず目をそらす。


(で、でかい……。)


細い腰に長い脚。


モデルみたいな抜群のスタイル。


なのに。


着ているのは、なぜかスクール水着だった。


部屋に気まずい沈黙が流れる。


「……。」


「どうしたのだ?」


ガオぷぅは不思議そうに首を傾げる。


トラ耳までぴこんと傾いた。


「……ふく、きづいてる?」


「ふく?」


ガオぷぅは自分の身体を見下ろす。


「ちゃんと着てるのだ。」


「いや、その服なんだけど……。」


「?」


近くにあった姿見へ歩いていく。


そして、自分の姿を見た瞬間。


「きゃーーーーーっ!!」


鏡を指差したまま固まる。


「な、なんなのだこの服はーーーっ!!」


耳がぴんっと逆立ち、しっぽがぶわっと膨らんだ。


「へ、変身失敗したぁぁぁ!!」


その場にしゃがみ込み、頭を抱える。


「ど、どうしようなのだ……。」


「ちょ、ちょっと待ってて!」


しろとは慌てて自分の部屋へ駆け込む。


クローゼットを開け、パーカーとハーフパンツを取り出した。


「これ、俺のだけど……よかったら着て。」


ガオぷぅは顔だけひょこっと上げる。


「……。」


無言で服を受け取ると、小さく鼻を鳴らした。


「ま、もらってあげてもいいけど、感謝なんかしないから。」


「別に感謝してほしくて貸すわけじゃないよ。」


「ふん。」


数分後。


パーカー姿のガオぷぅが部屋から出てきた。


ぶかぶかのはずなのに、胸元だけはぱんっと張っていて、サイズがまったく合っていない。


しろとは思わず苦笑する。


「……なんか、そこだけ窮屈そうだな。」


「む?」


ガオぷぅは胸元を見下ろし、不思議そうに首を傾げた。


「地球の服は小さいのだ。」


「いや、多分そういう問題じゃない……。」


しろとは苦笑すると、時計へ目を向けた。


気づけば外はすっかり夕暮れだ。


「……とりあえず、腹減ってないか?」


「減ってないのだ。」


その返事と同時に――


ぐぅぅぅぅぅ。


盛大にお腹が鳴った。


「……。」


「……。」


「少しだけなのだ。」


「少しじゃなさそうだけどな。」


しろとは小さく笑い、台所へ向かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ