【51】 人脈
留守の間はどうするか悩んだ。
「それなら、あたしの部下を貸してあげるわよ」
「ソレイユ、お前、部下とかいるのか」
「なによ、意外?」
「だって、お前単独行動じゃん。友達とかもいなさそうだし」
「本当に失礼ねっ! いい加減にあんたの股間、二度と使えないようズタズタに破壊しようかしら……」
サラリと恐ろしいことを。
まあ、でもコイツは弄り甲斐があるんだよなぁ。そんなソレイユは、殺気立ちながらも話を続けた。
「いい、あたしはワンマンアーミーだけど、もともとは騎士団長とか教官もしていたの。――で、まあ、誰かさんと違って人脈だけは無駄に広いっていうかね」
ソレイユは片目で俺を見た。この角度だと滑らかな睫毛が魅力に感じる――て、そりゃいいや。それよりも、俺もシャロウ時代のツテとかコネとかあるけどな。
「とりあえず、そいつらに任せるから安心してちょうだい」
「分かった。頼りにしているよ、ソレイユ」
「へ…………」
「ん?」
「いや、だって……こんな素直に頼られるなんて思わなかったから……くっ。あんた卑怯ね」
頬を朱色に染めるソレイユは、拳を振るわせていた。
まだまだだな。
「それでは、カイト様。がんばりましょう!」
「おう、エクサニウムをゲットして、家を頑丈にしよう。ミーティアも準備はいいか?」
「問題ありません。では、私はしばらくの間、案内をしますね」




