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ハズレスキルだと追放された少年 最高神の加護を受け、美少女たちと最悪の厄災に立ち向かう  作者: ミコジ


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C級ダンジョン

「よし、みんな準備はいいか?」


俺は振り返り、8人の仲間たちを見渡した。今日はC級ダンジョンだ。新メンバーの朱音、夜羽、凛の初陣でもある。全員が緊張と期待の入り混じった表情で頷いた。


ダンジョンの入り口に立ち、俺は小型ドローンを取り出した。カメラが内蔵された最新型で、ダンジョン配信用の機材だ。スイッチを入れると、ドローンはブーンと音を立てて空中に浮かび上がり、自動で俺たちを追尾し始める。


「なんかコイツも久しぶりだな」


俺がしみじみと言うと、琴葉がクスッと笑った。


「そういえばダンジョンに来るの、何日か空いちゃったからね。あの変態パーティとバトルした日以来だっけ」


「『天照の光』です! 久しぶりの探索、今日はC級ダンジョンに新しい仲間と来ています!」


俺がカメラに向かって挨拶すると、ドローンの横に取り付けられた液晶パネルにコメントが流れ始める。配信開始と同時に待機してくれていた視聴者がいるらしい。


最初に画面に映ったのは詩乃だった。


「天音詩乃でーす! 今日もよろしくお願いします!」


彼女が笑顔で手を振ると、コメントが一気に加速した。


『詩乃ちゃん! 無事だったんだね!』

『良かったー! 心配してたんだよ』

『パーティ変わったんだ、いい所に入れたね!』

『応援してるよ!』


温かいコメントが次々と流れてくる。詩乃は嬉しそうにそれらを読んでいたが、次の瞬間、コメントの流れが急に変わった。


『おいおい、ハーレムが増えてるぞ』

『これもうハーレム王のパーティだろ』

『両手に花どころか両手の指に花じゃねえか!』

『リーダーが神代くんだっけ? 爆発しろ』

『9人も美少女揃えて何が目的だよ!』


「ち、違います! 仲間を探したらこうなっただけで、やましいことは何も!」


俺が必死に言い訳するが、カメラは容赦なく俺の慌てる姿をクローズアップする。隣で琴葉が「仲間を探したらこうなった、ねぇ…」とジト目で俺を睨み、みどりは「まあまあ」と苦笑い、詩乃と朱音は顔を見合わせてクスクス笑っている。


「では、探索を開始します!」


気を取り直し、俺はまず詩乃に指示を出した。


「詩乃、まず俺にバフをかけてくれ」


「うん! 任せて!」


詩乃はスッと息を吸い込み、美しい歌声を響かせ始めた。天宇受売命の加護を受けた彼女の歌は、ただの音楽ではない。空気が震え、光の粒子が俺の体に吸い込まれていく。


『光輝くんの力になる…輝いて、強く…』


歌が終わると、俺の体がほのかに光を帯びた。ステータスを確認すると、全パラメータが少し上昇している。


「ありがとう詩乃。次は俺の番だ」


俺はスキル「照らす」を発動させた。視界の隅で仲間たちのステータスがさらに跳ね上がる。


「やったぞ! 詩乃のバフで上がった俺のステータスも、みんなに乗ってる!」


「ということは…」琴葉が目を輝かせる。


「詩乃のレベルが上がれば、バフの上昇率も上がる。そうすりゃ俺の『照らす』で全員にその効果が行き渡る!」


「素晴らしいですわ! まさにシナジーですの!」麗華が興奮気味に声を上げた。


「詩乃、今度は全員に直接バフをかけてくれ」


「うん! みんな、私の歌を受け取って!」


再び詩乃が歌い出す。今度は全員を包み込むように、温かな歌声がダンジョンに響き渡った。全員のステータスがさらに上昇し、朱音、夜羽、凛の三人は初めての感覚に目を丸くしている。


「これが…加護の力…」凛が自分の手を見つめながら呟く。


「力が溢れてくる!」朱音も拳を握りしめた。


「ふっ…我が真の力が目覚めていくようだ」夜羽はいつもの調子だが、声が少し震えている。


「これが天照大御神様の力だ。俺を通じて、みんなに力を与えることができる」


俺が得意げに言うと、三人は感嘆のため息を漏らした。


「みどり、先導を頼む」


「りょーかい! みんな、ついてきて!」


みどりが軽やかな足取りで先頭に立つ。C級ダンジョンの内部は薄暗く、壁からはかすかに苔の匂いが漂っている。しばらく進むと、前方の広い空間に二つの巨大な影が現れた。


「ミノタウロス、2体!」


みどりが素早く反応し、バックステップで俺たちの後方に下がる。危険察知のスキルで敵の位置と数を瞬時に把握したのだ。


「朱音、一度魔法を見せてくれ!」


俺の指示に、朱音はビクッと肩を震わせた。それでもすぐに覚悟を決めたように前へ出る。


「わ、わかったわ…ファイア!」


彼女が掌を前に突き出すと、バスケットボール大の火球が出現した。バスケットボールほどの大きさに膨れ上がった火球が、轟音とともにミノタウロスに向かって飛んでいく。


ズドンッ!


直撃したミノタウロスは、瞬く間に炎に包まれ、断末魔の叫びを上げる間もなく消滅した。


「えっ…私が?」


朱音は自分が出した魔法の威力に完全に面食らっている。


「ライターの火どころじゃねえぞ!」


俺が驚きの声をあげると、朱音は涙目で俺を見上げた。


「これが…私の本当の力なんだ…ありがとう、光輝…」


その瞬間、配信のコメントが爆発的に増えた。


『すげー! ファイアの威力じゃないだろ!』

『カッコいい! 赤髪の魔法少女だ!』

『これが天照の光の新メンバーか…』


「よし、あと1匹だな。次は夜羽、お前の魔法を見せてくれ」


「ふっ…ようやく我の出番だな」


夜羽は優雅に前へ進み出ると、ミノタウロスに向かって両手を広げた。


「我が魔法は敵を殲滅するものではない。幻惑し、惑わし、混乱させるものだ…くらえ、月影幻夢つきかげげんむ!」


夜羽が魔法を唱えると、紫と黒が混ざり合った霧がミノタウロスを包み込んだ。ミノタウロスは突然、何もない空間に向かって全力で斧を振り回し始める。時折、咆哮を上げながら地面を踏み鳴らし、空中の見えない敵と格闘しているようだ。


「奴には幻影の敵が見えている。今のうちだ」


夜羽が涼しい顔で解説する。敵は完全に幻惑され、こちらに気づく様子はまったくない。


「凛、頼む」


「畏まりました」


凛は静かに答えると、スッと左足を半歩引き、腰を落とした。左手を鞘に添え、右手を柄にかける。あの動きは——居合だ。


一瞬の静寂。


「草薙一閃」


凛が静かに唱え、刀を抜き放った。


実際にミノタウロスに斬りかかったわけではない。しかし、抜刀と同時に放たれた不可視の斬撃——剣尖が、空気を切り裂き、ミノタウロスの巨体を真っ二つにした。幻惑から覚める間もなく、ミノタウロスは粒子となって消滅する。


「一撃か!?」


俺は思わず息を呑んだ。凛の剣は、まだレベル1とは思えない威力だ。


「これでレベル1なら…成長したらどうなっちまうんだ…」


俺の呟きをカメラが拾い、コメント欄が再び激しく動き出す。


『嘘だろレベル1!?』

『強すぎるだろ!』

『もしや全員レベル1なのか? いくらなんでもおかしいって』

『天照の光、バケモン集団だな…』


「みどり、このままボスまで行こう」


「オッケー! こっちだよ!」


みどりの危険察知は完璧だった。敵の出現ポイントを事前に把握し、無駄な戦闘を避けながら最短ルートでボス部屋へと導いてくれる。途中で現れた雑魚モンスターも、今ではもう敵ではない。俺が「照らす」を発動し、詩乃がバフをかければ、朱音の火魔法が一掃し、取りこぼしは凛の居合が斬り捨てる。夜羽の幻惑で敵を攪乱すれば、雪の薙刀と麗華のシールドバッシュがトドメを刺す。琴葉の回復で体力を管理し、みどりが常に最適なポジショニングを指示する。


9人の連携は、初陣とは思えないほどスムーズだった。


ボス部屋に到着すると、そこにはC級ダンジョンの主——巨大なロックゴーレムが待ち構えていた。身長は3メートルを超え、岩でできた拳を振りかざして突進してくる。


「麗華!」


「お任せくださいませ!」


麗華が前に飛び出し、天手力男神の加護が宿った大盾を構える。ゴーレムの渾身の一撃が盾に激突し、轟音がダンジョンに響き渡った。しかし麗華は微動だにしない。


「今ですわ、皆さま!」


「総攻撃だ!」


雪の薙刀がゴーレムの脚を斬り裂き、凛の草薙一閃が腕を切り飛ばす。詩乃のバフで強化された朱音のファイアが胴体を焼き尽くし、夜羽の幻惑がゴーレムの動きを完全に封じる。俺はといえば、仲間たちを見ながら最適な指示を飛ばす。


完勝だった。


誰一人大きな怪我を負うことなく、ボスは倒された。


全員のステータスを確認すると、朱音、夜羽、凛、みどり、詩乃、麗華はレベル4まで一気に上がり、俺たち既存メンバーもレベル7に到達していた。


「やった!」


「私、レベル上がったよ!」朱音が嬉しそうに跳び跳ねる。


「ふっ…当然の結果だな」夜羽は平静を装いつつも、口元が緩んでいる。


「皆さんのおかげです」凛は深々と頭を下げた。


入り口まで戻ってきた俺たちに、ドローンが再び近づいてくる。


「皆さん、『天照の光』のC級ダンジョン攻略、完勝でした! 次はB級に挑戦しますので、ぜひまたご覧ください!」


俺がカメラに向かって締めくくると、最後のコメントが流れてきた。


『次もまたハーレムが増えてるんだろ』

『誰かと思ったらC級一瞬でクリアしてて草』

『これB級も余裕そうだな』

『ハーレム王!ハーレム王!』


「だからハーレムじゃないって!」


俺が突っ込むと、カメラの向こうで笑いが起こったような気がした。


配信を切り、俺はみんなの顔を見渡した。


「よし。今日の成果、レベルアップだけじゃない。俺たちの連携、詩乃と俺のバフの組み合わせの確認、新メンバーの実力把握…全部が収穫だ」


「うん、手応えあった!」琴葉が拳を握る。


「これならもっともっと強くなれるよ!」みどりも笑顔で頷く。


「日本を守るため、もっと精進いたしますわ!」麗華の目には炎が宿っている。


「私、もっと魔法の練習する!」朱音はやる気満々だ。


「我もさらなる高みを目指すとしよう」夜羽も決意を新たにしている。


「命に代えても、この力を皆さんのために使います」凛の覚悟は揺るがない。


「私の歌で、みんなをもっと強くするよ!」詩乃も嬉しそうに笑った。


「それじゃあ、B級ダンジョンへの挑戦は明日だ。今日はゆっくり休んで、英気を養おう」


俺の言葉に、全員が力強く頷いた。


シナジーは確認できた。連携も問題ない。あとは実戦を重ねて経験値を積み、雪の幼馴染を加えた10人でさらなる高みを目指すだけだ。


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