表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
螺旋の行方 ―居住地域制限法―  作者: 越智康生
第2章 故郷の思い出
PR
4/18

2-2 交換日記

そんなある日、遥が唐突に言い出した。

「交換日記しない?」

「え、それって……親の世代がやってたやつじゃない?今ならメッセージアプリでよくない?」

「隼人ってほんと現実的。でもね、手書きだからこそ伝わることがあると思う。即答じゃなくて手紙みたいに、ゆっくり考えて書けるし。それに……もうすぐこの学校も終わり——この町もね」

最後の一言だけ、遥の声が少し沈んだ。その言葉に、胸の奥がざわついた。

「……要は思い出作り、ってことか」

「そうそう。でね——」遥はトートバッグの中に手をやる。

「じゃーん。もうノートは用意してます」表紙にシールが貼られたノートを差し出し、遥は笑った。

「強引だな」

「私の分はもう書いてあるから、次は隼人ね」

「で、書いたらどうする?」

「教室じゃ目立つし、下駄箱もオープンだから……百葉箱はどう?」

「百葉箱?」

「もう使ってないし、他の人の目につきにくいし、ちょうどいいでしょ?」

「……なるほど。じゃあ、それで」

僕は観念したように頷いた。

「他の三人を交えてではなく二人だけでいいの?」という質問は口にしなかった。その方が特別なものを共有できる気がした。

夕陽を浴びた遥の笑顔が、今も脳裏に焼き付いている。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ