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第9話 体育祭(?)





 時は過ぎ、体育祭当日。俺たちは地下にある広場に集まった。


 そこは普段の訓練で使っている所とは違い、森が生い茂っており、川が流れていてとても綺麗だった。


 ....ん?森?川?


 なぜ体育祭をするのに森と川があるのかと思い、赤羽に問いただす。


 「あ、赤羽さんや……何故に森と川がある?別のところの方がやりやすいのでは?」


 問いただすと、ケロッと初耳なことを口にする。


 「言ってなかったわね。体育祭といっても、実際はバトルロワイアル形式の実践トレーニングよ。そうでも言わないとここの職員が許可してくれなくてね」


 わざとらしく今思い出したといった感じで説明される。


 ...耳を疑った。待て待て待て待ってくれ、バトルロワイアル?それならもうちょっと準備をしていた。


 いや待って、もしかして《《これ》》そういうことなの?


 これとは、橘にお願いされ馬鹿みたいに作ったサンドイッチだ。ハムやレタスを入れた定番の物や、卵サンド、カツサンド、フルーツサンドまである。


 赤羽に念のために作っとけと言われ、気合を入れて作った結果、四人で食べたとしても食べ切るのに一週間はかかる量を作ってしまった。おかげで荷物持ちの雷門が息切れを起こしていた。


 「雷門、大丈夫か?」


 「...なんのこれしき!!!」


 そういって軽々と持つ。さすが空手部エース、体は一級品だ。


 しばらくすると、個々の管理をしているであろう職員がやってきた。


 「エー皆さん、存分に楽しんでください。ルールは今から送る資料を見ていただければと」


 「では、始め」


 こうして、バトルロワイヤルが始まった───






──────ルール説明──────


1. 1組4人チームでのバトルロワイヤル


2. 班のリーダーは赤い玉を持つ


3. 赤い玉を取られたらゲームオーバー


4. 殺し以外なら何をしてもOK


5. 地下から出てもゲームオーバー


6. 重傷を負った場合即リタイア


7. フィールドに残っている赤い玉が三つになった瞬間、ゲーム終了

 

8. 残ったチームの中で一番多くの赤い玉を持っていたチームはこの地下を自由に使える


─────────────────





 開始から二時間、俺たちは森を彷徨っていた。


 「なぁ、何で森をうろうろするわけだ?多少は戦いたいんだが……。」


 雷門が戦いたそうにうずうずしていた。今までの訓練では常に受けることしかしてこなかったため、ストレス発散に持ってこいだと思っていたのだろう。しかし赤羽には考えがあるようだった。


 「待ちなさい。バトルロワイヤルとは言われたけど、私たちは『サバイバル』として攻略していくわ」


 サバイバルとして攻略、それなら体力を温存するために戦うのはまずい。ただその作戦に違和感を持った。


 「なんつーか、お前らしくねぇな。てっきり雷門みたく凸るかと」


 「……何がなんでも勝たないといけない、そう思っただけよ」


 そう言った赤羽は、深刻そうにも、冷徹のようにも見えた表情が張り付いていた。




◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



 夕暮れになりそうな頃、俺たちは川を見つけた。


 「……つ、疲れた……。もう一歩も歩けない」


 橘がその場に倒れる。無理もない、全員辛うじて立ってはいるが疲労が確実に溜まっている。


 「………今日はここで食事にしましょう」


 それから俺たちは夕飯の準備を終え、サンドイッチにありついた。


 「赤羽、こっからどーすんだ?」


 「そうね、とりあえずここで時間を潰して皆がやり合うのを待つわ。そこから漁夫の利よ」


 漁夫の利、確かにそれなら俺達の生存率はかなり高い。赤羽は本気で勝ちに行っていた。




──────深夜───────




 夕飯を食べ終え全員が睡眠に入った頃、俺1人は静かに起きた。


 「……行くか」


 俺はそう呟きながら、静かに森の中に入った。


 森に入ってからはなるべく足音を立て、自分の存在感を最大限に出す。こうするのにも訳がある。


 赤羽の作戦には穴があった。俺たちと同じようにやっているやつらが多ければ多いほど、このバトルロワイヤルが長引くことだ。俺たちには食料はあるが、無限という訳では無い。


 だからこそ俺が減らしに行く、少しでも多く。


 「出てこい、ずっと心臓の音が聞こえてんぞ」


 俺がそう言うと、ぞろぞろと人が出てきた。


 予想通りだった。漁夫の利するタイプと奇襲するタイプ、この2つのタイプがあってこそ始まるというもの。こいつらは奇襲するタイプだったのだ。


 ざっと10人くらいがこちらを見ている。チームを組んでいるのだろう。


 「その口、聴覚上昇の能力か。ハハッ、鴨じゃねぇか」


 「どうかな、確かにお前らの次くらいには鴨だな。オマケにそこのやつは赤い玉を持ってるし、鴨がネギ背負ってきたもんだ」


 「くそがっ……!!」


 腹を立てたのか一人が手を掲げた。


 「くらえ!」


 その瞬間地面が沼のようになり、動きづらくなった。


 すると剣を持っていたリーダーであろう男が前に来た。


 「どうだ?これなら動けないだろう?」


 「聴覚上昇とわかっているのに拘束?随分と警戒してるんだな」


 「当たり前だ、能力者相手にするんだ。何かあるかもしれないだろ」


 そう言いながら近づいてきて、


 「死ね」


 剣を振り下ろされた─────刹那。









 「……あ?」


 





 



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